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2012.7.14~16 『   』―無題― なつきの会 第1回公演

2012年07月16日 | 長浜奈津子★ 演劇 舞台公演

 なつきの会、二人芝居、無事に終演いたしました。

 ご来場のお客さま、猛暑の日もございましたのに、ご観劇ありがとうござました。

 そして、たくさんの人たちにお力をかして頂き、お芝居の公演が叶いました。

 皆さまに感謝しております。ほんとうにありがとうございました。

 多くの人たちとの出会いが、新たなる夢へ・・・ 次回公演への思いへとつながりました。

 今回の公演の記録を、ブログに残します。

  

  

辰澤敦史さんが、ストライプハウスの中央にある階段を使い、

ここのMフロアの空間を、この世とあの世の境目に見立て、

45分のお芝居を書いて下さいました。

ともすれば、悲しくて、重くて、暗いお話になりそうな題材ですが、

さらりとしたテイストで、独特な浮遊感のあるお話に仕上がりました。

音楽選曲は田辺義博さん、ムーヴメント指導は沢のえみさんです。

 

<ストーリー紹介>

災害で命を落とした画家が(米倉紀之子さん演じました)

階段をのぼって、あの世とこの世の境目のこの部屋にやってきます。

そこには、全身白い服を着ている、案内人が待っていました。(長浜奈津子、私が演じました。)

画家を飲み物でもてなすが、案内人の持ってきたグラスは空である。

画家がそれを指摘しても、ちゃんと中身は入っているのだと、案内人は言う。

そして案内人は、多くの人々がこの場所へやってきて

様々な思いを抱えながら、やがてこの階段を登ってゆくのだと話します。

この階段の上には何もない。 

あなたは、荷物をここに置いて階段を登り、その何もない空間の一部になるのだ、という。

 

画家は、自分が命を落としたのだと気づきます。

アトリエにいるとき、大きな地震がおきて

やがて強い海の香りとともに、記憶が途絶えたと、思い出してゆきます。

案内人は、画家に対し、自分の身に起きたことを自覚させてゆくように会話を進めます。

画家は、自分が登ってきた階段の下が気になって、しかたがない。

案内人は画家に言います。

階段を下りれば現世に戻れる。

でも、顔は見られても現世の人たちとは、もう交流がはかれない。

親しく信頼し合っていた人たちが

自分をあまりよく理解していなかったのだと知り、誰もが深く絶望する。

それなので、あまり階段を下りるのは勧めない、と言う。

生きている人たちは、自分が生きている実感を得るために、死んだ人を弔っているのだとも。

 

それでも画家は、階段を下りてゆきます。

消えてしまった愛する町、消えてしまった夢、消えてしまった自分のすべて・・・

愕然として階段をのぼってきます。

大きなショックを受けた画家は、悲しみの中でもがき苦しみます。

 

案内人は、自分はこれまで何十年もここで多くの死人を見送ってきたこと

自分自身の過去のことなども話してゆきます。

私の前にも、私のような人がいて、そのひとからいろいろ教えてもらった。

この上には何もないと聞いているが、実は誰も登ったことがないので

本当に何もないとは、実証できないのだという。

「もしかしたら、何かあるかもしれない・・・」と画家は思います。

 

とはいえ、画家は残してきた夫と娘のことが心配でなりません。

画家は再び決意をして、夫と娘の様子を見にゆきます。

案内人はその背中を見送ります。

 

やがて、階段を登ってきた画家は、いつのまにか全身白い服を着ています。

家族の無事を確かめ、自分の死も受け入れた彼女は

いつかここへ登ってくるだろう、夫と娘へ

完成したら見せると約束をしていた

空の絵を描いて

ここへ残してゆこうと思います。

けれど、どんなに鉛筆でスケッチブックへ描こうとしても描けません。

困惑する彼女に、案内人は言います。

死んでしまった彼女には、生きているという「権利」がない。

ゆえに、絵も描けないのだと。

でも、夫と娘にした「約束」を、どうしても果たしたい。

 

やがて画家は、渾身の魂をかたむけて

白紙のスケッチブックへ向かい

人生最後の絵を、描いてゆきます(もちろん白紙)

だんだんと大きく空間を使い、ダイナミックに描いてゆきます。

描きあがった絵を、堂々と部屋の中心に置き、叫びます。

「これが私の絵です!!!」

この上の世界にも、何かあるかもしれない・・・。

やがて彼女は、ゆっくりと階段をのぼってゆきます。

それを見送る案内人。

彼女はまた、永遠の時間の中に身を置いて、ここで送り続けることになる。

最後にひとこと、つぶやきます。

「ああ・・・、あと何年後かしら・・・」

そして奥の部屋へゆっくりと消えてゆきます。

 

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  2012年 7/14(土) ~ 7/16(月・祝)

  なつきの会 第1回公演 『    』 ―無題―

―地球の内外は問わない。生前か死後かも問わない。
 「時間」はもっとも残酷で、もっとも美しく、そしてもっとも優しい。―

 

<出演> 長浜奈津子(俳優座) 米倉紀之子(昴)

<音楽> 田辺義博  <演出協力>沢のえみ <協力>河浦正紀

<日時>

7月
14日(土) ・昼 開場 13時半 開演14時
     /・夜 開場 18時半 開演19時

15日(日) ・昼 開場 13時半 開演14時
     / ・夜 開場 18時半 開演19時

16日(月・祝)・昼 開場 13時半 開演14時 


会場 ROPPONGI STRIPE’S SPACE 
ストライプスペース 地下Mフロア
http://striped-house.com/stripe-space.html

東京都港区六本木5-10-33 ストライプハウスビル
TEL:03-3403-6604  FAX:03-3403-6354
    
料金 ¥2500 ワンドリンク付き





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