答えは身体が知っている

セラピスト兼アスレティックトレーナーが自分の好きな事や日々感じた事を書く、息抜きブログ

拾い読み書評 『慢性疼痛』『やってはいけない筋トレ』

2012-02-06 21:08:26 | 作家/書籍・読み物
けやきウォーク前橋1Fにある紀伊國屋書店で、
本を立ち読みしながら物色した。
何冊もの本の中で、この2冊が印象に残った。

『やってはいけない筋トレ』坂詰真二著(青春新書インテリジェンス)
(立ち読み時間:約15分)
NSCA公認ストレングス&コンディショニング・スペシャリスト&
NSCA公認パーソナルトレーナーによる書。
主に筋肉をつけたい(筋肥大させたい)方へ向けた本とみた。
そう考えれば、書いてあることは至極全うである。
筋力トレーニングについての基礎知識が、
上手にまとめられていると思う。

世の中に広がっている変な誤解に対しても、
適切な説明を加えて否定している。
例えば、「筋肉痛が起きないと効かない」とか、
「筋トレをすると身体が硬くなる」とか、
「筋トレをするとスピードがおちる(脚が遅くなる)」とか、
「競技別に鍛える筋肉が違う」とか。
明快で気持ち良い。頷くことばかり。

残念なのは、「インナーマッスルは鍛えなくていい、
アウターマッスルを鍛えることが大切」という説明。
(僕の読み間違いでなければ。)
どちらも大切であり、アウターマッスルを鍛えるには、
共同筋としてのインナーも意識した方が良いだろう。
後は、タイトルが良くない。
そんなタイトルのような、ネガティブな内容の本ではないのになあ。
人目を引くためには仕方ないということなのだろうか。残念!


『慢性疼痛 「こじれた痛み」の不思議』平木英人著(ちくま新書)
(立ち読み時間:約5分)
心療内科医による、慢性疼痛についての啓蒙書(だと思う)。
痛みについての基本的な説明や分類の後、
本書での定義(どんな意味で使っているかということ)するところの
慢性疼痛について書かれている。
心因性の慢性疼痛を取り上げている。
痛みとは脳内で修飾され易いもので、
その修飾されて身体的な痛みを超えて大きくなっている部分として
心因性の疼痛を説明しているのに好感を持った。
(僕の読み間違い・記憶違いでなければ。)
とかく、心因性で慢性疼痛がすべて説明できるような記述を見かけるから、
「それは慢性疼痛の一部ですよ、それが総てではないですよ。」
という記述が気持ち良かった。


2冊の本(新書)を紹介したが、
何ぶん数分間の拾い読み程度なので、
内容を正確に理解し、または覚えて書いた物と保証できないということを、
くどいようだが最後に断りをいれておく。

2011年12月16日(金)

2011-12-16 18:37:12 | 私生活の記
今日は父を群馬大学医学部付属病院(以下群大病院)に連れて行った。
泌尿器科に午前10時受診を予約してあるが、
その前に血液検査のため採血室に寄る。

父を病院の玄関前で降ろした。
受付(機械に診察カードを入れるだけ)した上で
採血室に向ってもらい、
僕は車を駐車場に入れてから採血室に向い
父と合流する予定。
駐車場は今日も一杯だったが、
比較的早く入れられた。

父を玄関前で降ろしてから10分以上かかって
採血室(2F)に到着。
しかし、まだ父はいない
このパターンが多い。
いろんなことがあって、
父が再診受付をしたのが9時43分だが、
採血の受付(採血室前の機械に診察カードを入れる)したのが10時5分。
採血室が非常に混んでいたため、
採血を終えたのが10時40分頃。
その後は比較的スムーズに進み、
診察を終えたのが11時半頃か?

大変混雑しているので、
この後の会計と薬局でもだいぶ時間がかかると予想され、
父にはタクシーで先に一人で帰宅させた。
薬局で処方箋を渡して受付したのが11時50分。
薬を受け取ったのが13時10分過ぎ。

群大病院(泌尿器科)への受診は、大事である。

一旦家に帰り、
その後前橋の三井住友銀行へ行き、
今日中にと釘を刺されていた
ある業者さんへの34万円ちょっとの振込を
2時20分ころ済ます。
3時からの仕事の予約に間に合うかちょっと心配だったが、
混雑も無く悠々間に合って一安心。

介護生活3ヶ月目

2011-12-09 15:50:27 | 私生活の記
父の介護生活は、今3ヶ月目である。

ここまでを、時系列を追ってまとめる。

9月中旬、父が1週間の群馬大学付属病院の入院を終え、
退院。
入院の理由は、悪化した貧血の治療のためとのことだった。
ここから介護スタート。

入院中、(前立腺癌かれの骨転移)癌の進行を
抑えることが難しいのではないかと言う見通しを伝えられ、
また、要介護認定の申請を勧められる。(担当医師および看護師より)
また、入院中、上の前歯が1本抜け、
同病院歯科口腔外科を受診し、上顎骨に壊死があり、
治療が必要とのこと。(父の言葉)

退院後は、1週間以上に渡り微熱が続く。
退院後初の歯科口腔外科受診で、
上顎骨壊死部に炎症があり膿が排出されているので抗生物質を処方される。
また、食後の患部衛生のための処置を指示される。
(歯磨き後の患部洗浄と軟膏塗布)
言いつけを守っていると、微熱はなくなり
上顎骨壊死患部からの膿の排出も無くなった。

9月末頃、市役所高齢者福祉課に要介護認定を申請。

10月上旬、市の要介護認定のための調査員が自宅を訪問。
群大病院泌尿器科受診、今後の癌の検査を行なうため予定を組む。
続いて同歯科口腔外科を受診。
上顎骨壊死患部の炎症が治まってきたとして、
抗生物質の種類が変えられた(弱いものになった)。
しかし、患部衛生のための洗浄と軟膏塗布はずっと継続する方針。

10月下旬、群大病院泌尿器科受診。検査のため採血を行なう。
続いて同歯科口腔外科を受診。患部の状態は安定。
混雑が酷く待ち時間が長いため、
泌尿器科の受診曜日を変えてもらい、
また歯科口腔外科の受診日も変えてもらうことにした。

10月は、体調面での悪化や目立った症状は無く、
食よくもちゃんと有るし、大便も3日とは止まらない。
(父は、昔から便秘症。子供の頃家で◯ちじくカン◯ョウを見たことがある。)
しかし、10月下旬頃~11月になると、
小便や大便でパンツを汚すことが度々見られた。
朝もなかなか起き出さない。
目を離すと、食事に2時間近くかかる。
食後の歯磨きを1度やっても、そのことを忘れてまた磨いたり、
薬を飲んだことを忘れてまた飲んだり、
時間の感覚も薄れている。

しかし、通院する日は、早起きも出来るし、
食事から歯磨きまで1時間以内で終えるし、
準備も自分で進んでやる。
前日には風呂に入れてくれるよう自分から要求してくる。

パンツを汚すのはトイレ内でのミスがほとんど。
無駄なことかとも思ったが、
敢えて少し父に説教をする。
父の気づかなかったパンツの汚れもすぐに指摘し、
生活の乱れを注意。

その後、起きる時間は改善し、同時にパンツを汚すのも減った。
薬は僕が手元に置いて、
その日の分を朝昼夕別々に袋に入れて渡すようにした。

11月中旬、群大病院で、骨シンチ、腹部CT、MRIの各検査を受け、
泌尿器科で結果を聞く。
昨年初めと比べても、癌の進行は認められないとのこと。
入院時の話と違う。
もっとも通院で会う医師と、入院時の担当医は違う人だし、
書類上の主治医も違い人なんだけど。

市から『要介護1』の認定の通知が届く。

11月下旬、縁あって紹介して頂いたケアーマネージャーに
ケアプランをお願いする。
同じ週のうちに担当者会議を開き、
ヘルパー派遣やデイケアサービスを受ける施設と曜日割りが決まり、
翌日からヘルパーさんに来てもらい、
翌々日からデイサービスに通い始めた。

週7日間、群大病院の受診日を除き、
すべての曜日にホームヘルパーかデイサービスが利用できるようになった。
父は、デイサービスの日を楽しみにしているようである。
また、ヘルパーさんが来るのも嬉しいようである。
話し相手が出来るからか?

こうした体制が整い、今日までで2週間経過した。

父の世話

2011-10-25 17:33:17 | 私生活の記
「寝たきりになろうが、面倒は見ないよ。
自分の事は自分でしな。」
16年前母が亡くなった後父にこう言い放ったが、
現実はそう上手くいかず、
父の身の回りの世話をするようになった。
もう最初の1ヶ月が過ぎた。

先月父が大学病院に入院した時、
医師からは「あと3年、5年と言う事はない。」と言われたので、
勝手に2年間と自分に言い聞かせている。
そう考えれば、24分の1が終わったのだ。

最早、癌細胞をやっつける治療はできず、
今後起こりうる症状に対する対症療法しかとれないと言う。
つまりは癌は進行を続ける。
何処かの時点で、ホスピスなりに入れる事になるのだろう。
それ以前にどのような症状が現れ、
どのような事が必要になるのか、
今はまだ明確にはイメージできないが、
とりあえずは自宅で面倒を見て、
病院に通院させる事になる。


1日3度の食事を用意し(自分で食器を持ち、自力で食べる事は出来る)、
着替えを手伝い(自力で出来ない事はない)、
入浴を手伝ってやれば(頭以外は自分で洗え、タオルで体の前面を拭く事も出来る)、
まだ歩く事もできるし、トイレも一人で済ませられる。
だから、洗濯や掃除などの家事全般、
薬の管理とか通院の付き添いとか壊死した上顎骨に薬を付るとか、
とりあえず一人では出来ないこと困難なことをやってあげれば良い。

僕自身の仕事は、今はまだ減らせば続けられる。
なに、自営業だから、自分でコントロールし易い。
そうは言っても今の状況を考えると、
家からちょっと離れた今の治療室を続ける事は困難だ。
そこで、今年一杯で閉店する事にした。
自宅近くで1日2~3人診られる様な場所を確保するつもりだ。

なに、そんな長い間のことではない。

世界陸上競技選手権テグ2011 第8日&最終日(9/3・4)の感想

2011-09-05 17:40:40 | 陸上競技
大会大8日(9月3日)でもっとも大きなニュースは、
何と言っても男子50km競歩決勝で、
森岡紘一朗選手が6位入賞したことであろう。
その上、谷井孝行選手9位、荒井広宙選手10位も
入賞に迫る結果であり、
日本人3選手すべてが成功レースだった(と言って良いであろう)こと。
これは、優勝と準優勝選手を出したロシアや
3位と5位のオーストラリアなどと並び、
国別の成績としても素晴らしく、
日本競歩界の強化の成功と言えるであろう。
(ルール通り歩いているという意味では、
 両国を上回っていると言えそうだ。)

日本選手の技術は、世界的にも高いのではないだろうか?
特に、森岡選手の技術は世界最高水準にあると思う。
競歩ではルール上、
両足が地面から離れてはいけないことになっている

しかし、スーパースローの映像を見た方もいると思うが、
実際には今の競歩では
両足が地面から離れていない選手はいない(であろう)。
速過ぎて肉眼では判断しにくいから、
(良く解釈すれば)失格者が限られているだけである。
歩型が良ければ警告を受けにくいということは言えるようである。

優勝したロシア選手は、
実際には両足がかなり浮いていた。
(3位の選手も。また女子20kmの1位、3位の選手も。)
スピードが上がる程両足が地面から高く離れる傾向があるようで
ペースアップして競り合っている時や
上位入賞者には両足が地面から浮く度合いが大きかった。
その入賞者の中で、
森岡選手の両足の浮き具合は最も小さかった。
恐らく、両足が浮いている時間は
他の選手の1/3くらいしかなかったであろう。
(以上、各選手の両足の浮き具合は、
 スロー再生で何度も確認した上で書いている。)


女子100mハードルに優勝した
サリー・ピアソン選手(オーストラリア)は、
その技術の高さと予選からの積極的な走りが
大きく印象に残った。

男子1500m決勝は、
準決勝で素晴らしいラスト1周のスパートを見せたバアラ選手(フランス)が
決勝では思いの外生彩がなかったのが残念。
このレースも、ケニア勢の強さが目立ったレースだった。

男子200m決勝でのウサイン・ボルト選手の優勝タイムは、
僕の予想を大きく上回った。
”遅いトラック”かと疑いを持っていたが、
勘違いだったのだろうか?
フランスルメートル選手の19秒代突入しての銅メダルは、
見事であるのはもちろん、
日本人(非黒人)選手にも希望を与えてくれたのではないか。
(かつてイタリアに、メンネアという名選手がいたこともあるが。)


最終日(9月4日)、
4×100mリレー日本が男女共に、
バトンパスの面で上手くいっていなかったことが残念。

男子三段跳では、
テイラー選手(アメリカ)が素晴らしい記録(17m96)で優勝したが、
2位のイドウ選手(イギリス)と3位のクレイ選手(アメリカ)も、
上手に着地できていればもっと良い記録が出たはずである。
イドウ選手は上体が前に突っ込むので
重心位置よりも着地地点が手前になって損をしているし、
クレイ選手も4回目のジャンプでは
右手を両足や身体よりもずいぶんと手前に着けてしまい、
恐らく40cm位は記録を損したのではないだろうか?

女子800m決勝は、
準決勝後の予想が当たり、ちょっと嬉しい。
優勝したロシアサビノワ選手は、
1周目をややペースを押さえて後方に位置していたが、
恐らく57秒2~3で回っている。
ゴールタイムが1分55秒87なので、
2周目を58秒5程度で走っている。
前後半の400mのタイム差が約1秒3というのは、
あの展開の中では理想的なペース配分と言える。
また、後半400mを58秒5で走るのは
女子としては素晴らしい力であるし、
なおかつラスト100mでのスピードを持っている。
やはりレース巧者であるし、
真の実力者である。

ケニア
ジェプコスゲイ・ブジェネイ選手は、
2周目が60秒57もかかった計算で、
前後半の400mのタイム差が4秒87もある。
これでは、いくら潜在能力があっても
中距離(800m)レースでは勝てない。
中距離は、頭を使った者が勝つ種目でもある。

男子4×100mリレー決勝は、
ジャマイカアサファ・パウエル抜きで世界新記録で優勝した。
この種目は、しばらくはアメリカよりもジャマイカ
優位に立ち続けるのだろうか?
アメリカが第3走者の転倒で脱落、
その上にそれに巻き込まれたトリニダード・トバゴ
せっかく3番手だったのに大きく遅れてしまった。
4×100mリレーは、
どうにも無事に終わりにくくなって、
波乱のおき易い種目になっている。

アメリカの第3走者が転んでしまったのは、
イギリスのアンカーと接触したからであるが、
昔と比べて選手が大型化(縦にも横にも)しているので、
1m20cmというレーンの幅はもう狭いのかもしれない

男子110mハードル決勝で、
劉翔選手(中国)の左腕と
ロブレス選手(キューバ)の右手がぶつかったのも、
両者の身体の大きさと腕の長さが大きな原因の一つであろう。


ともあれ、一人ひとりの人間の感情などに関係なく、
残酷なまでな結果が起きるのがスポーツであるが、
また一人の人間(選手)の思いが劇的なくらいに結実するというのも
リアルなスポーツの世界であるから面白い。
今回の世界陸上も、
世界一を決める戦いはまことにリアルで厳しく、
かくも美しいことを見せてくれたのであった。