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音楽、映画、書籍などの感想雑文集

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音楽劇・新センセイの鞄 @紀伊國屋サザンシアター

2010年03月22日 | 演劇等
一昨年の東京と大阪でのドーム公演あたりを境に沢田研二を取り巻く環境は明らかに変わった。いまやコンサートのチケットは発売直後に売り切れるのでまず入手出来ない。困ったものです。以前の長閑な時代はもう帰ってこないのか。ということで、昨年同様、彼のプロデュースする音楽劇を見に行く。客席は満員。女性客圧倒的に多し。

3月19日に始まった『新センセイの鞄』。川上弘美の原作を2005年に久世光彦演出で音楽劇として舞台化しているが、今回は鈴木哲也・マキノノゾミが新たに書き下ろし、マキノノゾミ演出で取り組んだ新作。音楽も全て新曲とのこと。

原作:川上弘美
脚本:鈴木哲也/マキノノゾミ
演出:マキノノゾミ
音楽:coba
振付:南流石

沢田研二 富田靖子
田中隆三 松永玲子 細見大輔 山崎イサオ すわ親治 小西康久 山口智恵 宴堂裕子 伊藤聡子
アコーディオン:檜山学
チェロ:古川淑惠
パーカッション:熊谷太輔

3時間弱の長い演劇(途中休憩1回)。「ミュージカル」と称するには歌が少なめ(8曲)で、必ずしも歌のみがドラマの核心部分を担う訳ではない点が、昨年の『探偵 悲しきチェイサー』によく似ている(演出家が同じだから当然か)。途中でドリフかと思うようなコミカルな歌と振付が登場するのも沢田研二の音楽劇には無くてはならないのかも知れない(あの手のシーンは蛇足に思えてならないのだが)。

原作は淡々とした地味なストーリーだった筈で、とても演劇向きとは思えなかったのだが、プロの手にかかると、それなりにメリハリのあるドラマとして長時間の集中力を持続させるのだから恐れ入る。年齢差とか世間体に戸惑いながらも静々と進行する恋愛劇として成立していた。恋愛が成就する話ではあるけれど、決して微笑ましさはなく、むしろ孤独や死の影に突き動かされた切羽詰ったドラマとして見た。

沢田研二は白髪短髪に眼鏡、終始落ち着いた低い声、動作を遅く、少なくして、老人らしさを演出するのだが、歌が始まってしまうと途端に例の良く伸びる声の「ジュリー」に戻ってしまうのが良いのか悪いのか。相変わらず上手い人です。

富田靖子を生で見るのは初めて。役相応の年齢だと思うが、変わらないですね、この人。もっと平板な顔かと思っていたら意外と立体的な面差しだし、頭が小さくて全体のバランスは良いし、さすが芸能人だと感心。演技には違和感はないが、天下の沢田研二を相手にしての歌は少々荷が重いように見えた。

『探偵・・・』の時は楽器はピアノのみだったが、今回はアコーディオン、チェロ、パーカッションのアンサンブルが音楽を担当して多彩な音表現を実現。特にチェロがメロディ楽器としてもリズム楽器としても大活躍。cobaによる楽曲も良い。僕は特に亡くなった妻とセンセイのシーンの楽曲、アレンジが秀逸だったと思う。
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