まるで落ち葉のデコレーション。
おそらく日本の大学では、掃除スタッフが素早く取り除いてしまうのではないでしょうか。
樹木に塗された落ち葉たちは、この大学ではずっとこのままです。
三年生の5文エッセイが軌道に乗ってきた今日この頃。
学生の生活を知る上でとてもありがたい資料でもあります。
今日は寮生活について書いてあるものをピックアップしましょう。
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「今日は天気がよくて、風もありませんでした。
寮のたくさんの学生は布団を干しました。
布団を干す人が多かったので、私は晒す場所が見つけられませんでした。
だから布団を干す計画を放棄しました。
明日も天気がよかったら、干せるかも知れません。」(王妍)
(これは古い男子寮の前の旧運動場)
*中国の大学は基本的に全寮制です。
この大学の各部屋には4人~8人(古い寮ほど狭くて人数が多い)暮らしています。
布団を干す場所を確保するのは並大抵ではありませんが、
学生たちは夜フカフカの布団に寝たくて、
天気のいい日には、平日でも朝から男性、女性問わず、
せっせと布団を干しています。
「今晩、私の部屋の友達はグラウンドで『暴走団』の活動をしました。
その後、同じ部屋の閻さんが歌を歌うのを見に行きました。
いつもグラウンドでは、何人かの男子が歌を歌っています。
閻さんも歌が歌いたくて、彼らに加わりました。
私たちは閻さんを応援して誉めそやしました。
閻さんは本当に歌を歌うのが好きです。」(王妍)
*「暴走団活動」とは広場で列を作り、リズミカルな音楽に合わせて
踊るのではなく、早く前進したり、バックしたりする運動です。
「広場ダンス」同様、自然発生的に人数が膨れ上がって、
毎晩キャンパスの一角でやっているそうです。
おじさんやおばさんたちも参加しているとのこと、
私も近かったら行きたいんですけど(笑)。
ルームメートたちの結束は部屋のメンバーによりますが、
王妍さんたちの部屋はみんなとても仲良しです。
「今日は、Aさん、Bさん、Cさんたちと一緒に寮で料理を作りました。
食材は羊の肉とレタスなどです。
新鮮な食材なので、とても美味しかったです。
特に今の気候はますます寒くなりました。
寮で料理を作るのはいいですね。」(D)
*名前を伏せているのは、寮規則違反だからです(笑)。
これがばれたら、たいへん、たいへん叱られます。
「今日、クラスの4人は教師の資格試験を受けた。
同室の王さんは、朝4時半頃もう起きた。
そこそこに歯を磨いて顔を洗った後、バスに乗りに行った。
午後6時頃、寮に帰ってきた。
疲れた顔をしていた。
寝る前に彼女に『今夜は十分に休みなさいね』と言った。」(遅芮)
*この大学の学生たちは小・中・高校の教師の資格試験を受ける人が多いです。
(前任校ではほとんど聞きませんでした。大学によるのですね)。
当日の朝が早いため、前日の夜9時に寝た受験生の部屋では、
同室の他の子たちも、一斉に9時に消灯して寝たそうです。友情ですね。
「高級日本語の授業が終わった後、いつも一緒に昼ごはんを食べる遅さんは、一年生の通訳に行きました。
今日も寒かったです。
だから一人で図書館に行きたくなかったです。
そのまま寮に帰ったとき、ルームメートは一人もいませんでした。
寒かったので、ベッドに横になりました。」(陸恵敏)
*学生にとって(特に女子学生にとって)ルームメートは大切な存在です。
寒いのは気候のせいだけではなさそうな寂寞とした文です。
若者らしい楽しい文章に癒されました。
布団干しの場所確保が大変なのですね。思わず笑顔になりました。
日本ではたいへんな事態になっているというのに、
私が怒りを抑え、のん気に暮らせるのは、この学生たちのお陰です。
日本に帰ったら、ぐるぐる回る洗濯機の中に放り込まれたような感覚を覚え、たいへん疲弊します……。