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日本に戻り、晴耕雨読の日々を綴ります

「劉思婷日本滞在記(その4)ー障がい者作業所」 2013年10月16日(水) No.773

2013-10-16 21:03:55 | 日本中国比較
昨日、作文授業で漢字とひらがなの使い分けに触れ、
最近の日本語では「障害者」を「障がい者」と表記することが
主流になってきた話から、
現在、自立生活を営む日本の障がい者の暮らしと、
その自立を支える様々な組織(人々)及び社会システムについて紹介した。
言葉でちょっと説明しただけでも、
学生たちの間から「ホウー」とため息が聞こえた。
今の中国の障がい者の人たちが置かれている状態とずいぶん違うためだ。
10年後、今の学生たちが社会で活躍するようになったら、
中国社会もきっと様々な点で良くなると思う。
今の若者たちが社会のきめ細やかな改善を実現する原動力になってくれると信じたい。
前世代の汚職・賄賂・自己中心主義が
この子達の時代に断ち切られんことを祈る。

―――――――――――――

[障がい者自立作業所『まいどイン尼崎』の一日]
7月は矢の如く過ぎ去った。
あと一週間、もっと目を大きくして、日本を見てみたかった。
 8月1日、阪本直さん(先生の娘さん)のお陰さまで、
NPO法人「まいどイン尼崎」の作業所「はーてぃえる」で
障がい者の人たちと一日を過ごした。
これも生まれて初めてのことで、
最初は(私の言うことが分かってくれるだろうか)と心配した。
皆が作業している様子を見て、障がい者とは思えなかった。
普通の人々と同じように行動し、暮らしている。

日本にいた時、私は「中国ではこのような団体は多くない」と言った。
中国に戻ったあと、ネットで障がい者福祉団体を探すと、たくさん出てきた。
驚いた。私は「井の中の蛙」であることがわかった。
このような福祉団体は小規模で、世人の目に触れないところにある。
私の周りに障がい者を助ける人がいないから、
「中国ではこのような施設が多くない」と言ったが、それは私の間違いである。
これからも、チャンスを見つけて、ボランティア活動に参加したい。
そして、日本の経験を中国に紹介し、活かしたいと思う。

その後、さらに、
「生活保護法改正案の『扶養義務強化』が障がい者にもたらす破壊的ダメージの中身」(みわよしこ;DIAMOND ONLINE)という文章を読む機会があった。
「扶養義務強化」は、特に障がい者たちにとって、
どのように破壊的な可能性を持っているだろうか。
中国では、障がい者の方は親が居たら、親と一緒に暮らし、
親がなくなったら、施設で生涯を送る。
自立生活はまだありえないことである。
まだまだ障がい者の権利が確立されていない。
「家にいて、人の迷惑をかけないように、できるだけ外を出ない」
というのが、今中国における障がい者たちの現状である。
広州では、障がい者のための道路はちゃんと作ったが、
障がい者が一人で歩くのはめったに見られない。
社会福祉の道はまだまだ遠い。
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