コンサル勤務 34歳の日記

日常の出来事、感じたこと、心に残る言葉、目にとまったものなどなど

サイコロ思考

2007年03月15日 12時51分34秒 | Weblog
あるメルマガから

「サイコロ思考」


高校受験で第一志望の高校に受からなかった太郎君のお話です。
彼は第一志望のA高校に受からなかったので、ひどく落胆しています。

B高校には受かったのですが、太郎君はB高校には
ほとんど魅力を感じていません。
彼はすっかり気力を失ってしまい、
友だちと遊んだりする元気も沸いてきません。

太郎君のように、第一志望校に受からなかったけど
第二志望校に受かった子は、たくさんいます。
しかし、その子たちみんなが太郎君のようにひどく
落ち込んでいるわけではありません。

中には、すぐに気持ちを切り替えて、
受かった第二志望校での学校生活に希望を燃やし始めている子もいます。

太郎君が落ち込みから立ち直れないのは、なぜなんでしょう?
太郎君は、第一志望校のA高校に受からなかったことを
次のように考えていたのです。

「A高校は素晴らしい学校だ。そこに受かっていれば、バラ色の学校生活を送れるはずだった。そのチャンスを僕は逃してしまったのだ。大きなチャンスを逃したのだ。こんな僕はダメなやつだ」

太郎君は、A高校に受からなかったことを思い出すたびに、
上のようなワンパターンな考え方を繰り返してしまうのでした。

太郎君に限らず、私たちは皆、自分特有の考え方を持っています。

一つの出来事に対して、自分特有のワンパターンな“ものの見方”
“考え方”をしてしまいがちです。

例えば、“ある人”に対して、いつもすごく腹が立つとしたら、その“ある人”に対して、いつも一つの“ものの見方”しかしていない可能性があります。
花子さんは、職場の上司(課長)に対して、すごく腹を立てています。

その課長は、怒りっぽくて攻撃的な性格です。
花子さんが仕事でちょっとミスなどすると、すごい剣幕で怒ってくるのです。
しかも、職場の中で一番叱られるのが花子さんなのです。

花子さんは、そんな課長に対して、次のように考えていました。

「あの人は性格が悪い。自己中心的なのだ。あの人のせいで、
私は仕事を楽しめない。あの人のせいで私の人生ボロボロだ。
悪いのはあの人で、私は被害者だ」

課長に対して、いつもこのような一つの“ものの見方”しかしていないので、
いつも腹が立ち、恨みが積もってしまうわけです。

私たちは、一つの出来事に対して、自分特有のワンパターンな
“ものの見方”“考え方”をしてしまいがちなわけですが、

実は、いろいろな“ものの見方”“考え方”があるはずなのです。

余談ですが、「1492年って何があった年?」って尋ねると、
「コロンブスがアメリカ大陸を発見した年」と答える人も多いと思います。

私も学校でそのように習いましたし、
何の疑いもなく、そう答えてしまうでしょう(^_^;
しかしよく考えてみると、これは西洋側から見た“ものの見方”なんですね。

先住民側から見ると、アメリカ大陸は、その年に発見されたわけではなく、
太古の昔からあったわけですし、そこに住んでいたわけです。

彼らに、「1492年って何があった年?」って尋ねると、
「異国の地から侵略者がやってきた年」と答えるかもしれません。

ものの見方は1つだけではないんですね。
自分にとって当たり前のように正しく思えていた“ものの見方”や
“考え方”も、一度、疑ってみた方がいいかもしれません。

さて、ここでサイコロが登場するのですが、サイコロには6つの面がありますね。

1つの出来事に対して、6つ以上の“ものの見方”で考えてみることを
“サイコロ思考”と言います。

そうすると、自分特有のワンパターンな思考の枠が外れて、
柔軟な考え方ができるようになります。

例えば、第一志望のA高校に受からなかった太郎君の場合、
彼特有の考え方の他に、あと5つほど、別の考え方を探してみるのです。

まず、彼特有の考え方は、次のようなものでしたね。

・A高校は素晴らしい学校だ。そこに受かっていれば、
バラ色の学校生活を送れるはずだった。
そのチャンスを僕は逃してしまったのだ。
大きなチャンスを逃したのだ。こんな僕はダメなやつだ

さて、他にはどんな考え方ができるでしょうか?

ぜひ、あと5つ、考えてみてください。
(太郎君の元々の考え方に、新たに5つの考え方を加えると、
合計6つになり、サイコロ完成です)

参考までに、5つほど例を挙げてみましょう。

・A高校に受からなかったのは残念だったが、それは決して僕がダ
メなやつだからではない。受験の結果は、僕の価値を決めるもので
はない。僕には僕の持ち味があるし、(まだ見つかっていないけど)
才能もあるはずだ。そして、その持ち味や才能を見つけて磨いていく
ことこそ大切だ。B高校に入ったら、自分の持ち味や才能を見つけて
いくぞ。

・もしA高校に入れていたとしても、そこで楽しい学校生活を送るこ
とができるかどうかはわからない。そこでどんな運命が待ち受けて
いるかは、僕には計り知れないことだから。結果的にA高校に落ち、
B高校に受かったということは、僕はB高校に入る運命だったのだ。
ということは、B高校に入るほうが、楽しい学校生活を送れる運命に
なっているのに違いない。B高校で、生涯の親友になるような友だちと
出会うのかもしれないし、人生の恩師に出会うのかもしれない。
運命なんて、いくら頭で考えてみたって計り知れないものなのだから、
どうせなら自分の運命を信じてみよう。

・よく考えてみると、僕はこれまでの人生の中で、挫折らしい挫折
をしたことがなかった。今回が初めての挫折だな。こうした挫折を
経験するのも、雑草のようなたくましさを養うのに必要なんだろう
な。今回、僕はいい経験をしているのかもしれない。この機会に、
思い切り挫折感を味わってみよう。しっかり挫折を経験しておこう。

・こうなったらB高校のいいところを探してみよう。まず、家から近い
から通学が楽だな。電車やバスに乗らなくてすむのはありがたい。
それから、僕と仲のいいC君もB高校に行くそうだから、それは心強
いな。そしてB高校は、スポーツ系のクラブが強いのが特長だ。
高校に入ったら、スポーツ系のクラブに入って思いっきりやって
みる、っていう選択肢もあるよな。そう考えたら、B高校は最適なと
ころかもしれない。

・どの高校に入るかということよりも、そこでどんな学校生活を送
るかということのほうが、よほど大切だ。第一志望校に入れなかっ
たけど、その代わりに、どんな高校生活を送りたいかをじっくり考
えてみよう。A高校に入れなかった悔しさを埋めるため、B高校で
思い切り充実した高校生活を送るんだ。そして、高校を卒業する
時は、「B高校に入って本当によかった」と言ってみせるぞ。


とにかく、思いつくままに、5通りの考え方を書き出してみてください。

1つ1つの考え方は、決してポジティブなものばかりでなくてもかまいません。

5つの考え方の中には、「役に立たない考え方」や「非現実的な考え方」
「ナンセンスな考え方」があってもOKです。

いろいろ挙げてみた中で、1つでも役に立つ考え方が見つかれば大成功です!

いや、役に立つ考え方が見つからない場合でも、
いつもの自分の考え方ではない、新たな考え方を探そうとすること自体に、
思考を柔軟にするトレーニング効果があるのです。

怒りっぽい上司(課長)からいつも責められる花子さんの場合、
いつもこんな考え方をしているんでしたね。

・あの人は性格が悪い。自己中心的なのだ。あの人のせいで、私は
仕事を楽しめない。あの人のせいで、私の人生ボロボロだ。悪いの
はあの人で、私は被害者だ

さて、他にどんな考え方ができ得るでしょうか?
いろいろ考えてみてください。

例も参考までに挙げておきますね。
・課長は私に期待してくれているのだ。期待がゼロならば、私を叱
ることもないはずだ。

・課長は、精神的には未熟な子どもなのだ。だから怒りっぽいのだ。
一方、私は大人だ。子どもには言いたいだけ言わせておけばいいの
よ。私は大人なんだから。

・あの課長の下で働くのは、いいトレーニングになる。怒りっぽい人
への免疫力と対処法を身につけるトレーニングだ。これを身につけ
たら、その後の人生、怖いものなしだな。

・不満ばかり募らせるのはやめて、何か行動を起こしてみよう。思い
切って課長に言ってみようかな。「いつも怒られてばかりで辛いです」
って、やんわりと言ってみようかな。このことを専務や部長に相談する
のもいいかもしれない。とにかく、何か行動を起こしてみよう。

・「人生は鏡」っていうけれど、もしかしたら、私があの課長にいつも
責められるのは、私が心で誰かを責めているからかもしれない。あの
課長は、そのことに気づかせてくれてるのだ。そう考えてみると、私は
言葉にこそ出さないが、お父さんのことを心で責めているな。この機会
に、そのことに向き合い、父親への思いを整理してみよう。


悩んでいることや、引っかかっていること、執着していること等が
あったら、ぜひ試してみてください。
1つでもピンと来る考え方が見つかると、嬉しいですね。

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