~青いそよ風が吹く街角~

映画(主にミニシアター映画)の感想文を軸にマイペースで綴っていきます。

『子供の情景』・・・ ※ネタバレ有

2009-05-06 18:37:10 | 映画【アジア】

  『子供の情景』:公式サイト

紙の舟

子供達はどんな遊びでもストレートにその世界に入り込んでいるんだと思う。
“だるまさんがころんだ”“かくれんぼ”のような
ほのぼのとした遊びならば観ていて微笑ましいけど、
この地での少年達の“戦争ごっこ”は子供の遊びとしてはやりきれなさを覚える・・・。
石投げの刑を真似たり、
穴を深く掘って少女:バクタイ〔ニクバクト・ノルーズ〕を埋めようとしたり、
枝などで模造した銃を構えたりしている少年達の目は殺気立っているようにも映り、
観ていて恐怖を感じた・・・。

  学校へ行って面白い話が聞きたい
  学校へ行くには鉛筆とノートを買いたい
バクタイの望みはその二つだけなんですよね。
なのに結局はノートしか買えず、“戦争ごっこ”に興じる少年達に取り囲まれたり、
やっと女子学校にたどりついても追い出されたり苦難の連続で・・・。

川岸であったおじいさんはバクタイに女子学校を教える為に
バクタイのノートを1枚破って紙の舟を作る。
紙の舟は川の流れにそって道先案内となる。
沈むことのない紙の舟に唯一の救い(希望)を感じた。

ラストの台詞は
 自由になりたいのならば、一度自分自身の感情をリセットして、
 体制(時代)に合わせなければこの地では生きていけない・・・
という意味合いなのでしょうか?


≪『子供の情景』関連記事≫

 「子供の情景」ハナ・マフマルバフ監督に聞く〔映画の森:09.04.18〕

 
ハナ・マフマルバフ監督がシンポ 映画「子供の情景」(全4ページ)〔MSN産経ニュース:09.04.20〕

2 コメント

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Unknown (KLY)
2009-05-07 00:23:44
こんばんは^^

バクタイの小さな小さな望みさえ簡単に叶わない環境。それでも一生懸命健気に歩いてる彼女を見ていると胸が締め付けられる思いでした。
木の枝で銃を、口で銃声を発している少年たちが大人になったら本物の銃で人を殺す、それが彼の地の現実なでしょう。余りにも切ないです。

ラストのセリフですが、私は文字通り「この地で真に自由を得ようと思ったら、死ぬしかないのだ。」と受け取りました。
健気でたくましい女の子。 (BC)
2009-05-07 21:31:59
KLYさん、こんばんは。
トラックバック&コメントありがとうございました。(*^-^*

少年達が大人になり、
“ごっこ”ではなくなった時を考えると怖ろしさを感じますね・・・。

>ラストのセリフですが、私は文字通り「この地で真に自由を得ようと思ったら、死ぬしかないのだ。」と受け取りました。

ラストの台詞は衝撃的でしたね。
人としての自由を得ることが容易くはないこの地の現状がやるせないです・・・。

バクタイはどんな事に巻き込まれてもくじけずに健気ですね。
学校へ行く為に自分で考えて歩んでいくバクタイはたくましい女の子ですね。

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