~青いそよ風が吹く街角~

映画(主にミニシアター映画)の感想文を軸にマイペースで綴っていきます。

『告白』・・・ ※ネタバレ有

2010-06-19 20:16:01 | 映画【日本】

  『告白』:公式サイト 

牛乳

原作は未読です。
HIV、イジメ、家庭内暴力・ひきこもり、ネットで事件予告、そして復讐・・・。
数々の題材を盛り込んでいてもプロットにつながりをもたせていたし、
スローモーションやCGを駆使した映像にもこだわっている。

ただ、クライマックスの爆破CG場面がもったいつけた為か
間延びしていたのが残念・・・。

それと、森口先生の学校は水曜日に職員会議とはいえ、
部活の生徒達は残っているだろうし、
生徒達が体調崩したり怪我したりした時に
保健室に先生が誰もいないというのはありえない気がするし・・・。

少年Aのマザコンぶりもイマイチ説得力なかったな。。。
幼い頃に母と一度でも遊んだりした楽しい思い出があるのならば、
母を恋しがるだろうけどね・・・。

あと、少年Bの部屋のポスターやテレビに映っているのがなぜA〇B48なんだろう?
と思っていたら博〇堂だったのね。
映画と曲の歌詞に関連性があるのならば相乗効果を得る場合もあるけど、
特に意味なかったし、必要なかったような気がするわ・・・。

娘を殺された森口先生役:松たか子

長台詞を抑揚つけずに教科書を読むように話していて、
声を荒げなくても充分に不気味で、先生の狂気が伝わってきました。
舞台経験豊富な女優さんだから出来た役なのでしょうね。
頭脳を駆使し、即時に致命的な手は下さない・・・。
時間をかけて相手に計り知れない恐怖心を与える緻密な復讐・・・。
ラストシーンは少年Aに憎悪をぶつけるわけでもなく、赦したわけでもなく、
森口先生は復讐に精根を消耗しつくし、ぬけがらのような表情でしたね。

森口の後任教師ウェルテル(寺田先生)役:岡田将生

岡田将生はついこの間まで高校生役を演じていたので先生役には若すぎるのでは?
と観る前は思っていたけど、彼は長身だからか意外と違和感なかったです。
素直で真っ直ぐな先生役を威勢良く演じていましたね。
他の登場人物が皆陰気なキャラクターなので
ウェルテルの爽やかさとの対比が効いていたように感じました。

少年Bの母:木村佳乃

息子可愛さあまり過保護になってしまっている母親役を怪演していましたね。
彼女の演技は少々クサイ(わざとらしい)ような気もするけど、
(↑ファンの方、すいません。m(_ _)m )
こういうアクの強い役には合っていたと思う。

登場人物の大半は自分本位で周囲が見えなくなってしまっているので共感出来ない・・・。
と言うか、道理的に共感してはいけない気がしたけど、
こういうシビアな気持ちわからなくはないな・・・。
と思ってしまう自分が怖くなってしまった・・・。

その中で同情してしまったのがウェルテルと少年Aに想いを寄せる美月〔橋本愛〕。
ウェルテルは教育への純粋な熱意を森口先生の復讐に利用され、
美月は少年Aの心を深く理解しようとした為に少年Aに殺された・・・。
この二人は森口先生の娘が殺された事件の当事者ではなかったので気の毒ですよ・・・。

この作品は海外からもリメイクのオファーがきているそうですね。
“復讐”を題材にしているから韓国映画でも合いそうな気もするけど、
韓国映画はCGがしょぼいので生々しい描写になってしまいそう・・・。
ハリウッドだとCGが優れていても開放的なお国柄なので
イジメのネチネチした陰湿さは演出しきれないだろうし・・・。
やはり、日本映画だからこそ成り立つ作品のような気もしましたよ。


6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
TBありがとです★ (mig)
2010-06-20 00:01:25
こんばんは★

BCさん、お祝いコメントありがとうでした!

なかなか面白かったですねー。
これはぜひパクチャヌク監督でリメイク観たいな!
返信する
こんばんは (KLY)
2010-06-20 00:07:20
最初に原作を読んでいたらまたイメージも変わったのかなと思いました。文字だけから受ける印象に中島監督の演出と松たか子さんの演技が上乗せされたようで、一部の方が原作以上だとおっしゃっているのも解らないではない気がします。
道理的に共感してはいけない、その通りなんですよね。ですが、修哉の叫びを効いて私はむしろ痛快ですらありました。そういう意味でも怖いです。
返信する
パク・チャヌク。 (BC)
2010-06-20 16:02:06
migさん、こんばんは。

観応えある作品でしたね☆

もしも、パク・チャヌク監督でリメイクするならば、
松たか子が演じた森口先生はイ・ヨンエ(『親切なクムジャさん』)かな?^^
返信する
内面。 (BC)
2010-06-20 16:34:02
KLYさん、こんばんは。

表には出さないけど、こういう複雑な気持ちって
誰しも少なからず秘めていたりするかもしれない・・・。
だからこそ、内面で最も触れられたくない部分を突かれているようで
恐ろしく感じたりもしました・・・。
返信する
松さん、良かった・・・ (マリー)
2010-06-27 14:06:06
こんにちは~

リメイク・・・
韓国は生々しく、ハリウッドはネチネチできない~
なるほど~。ホントそうかも~。
日本映画にぴったりの題材でした。

松さんが、こんなに演れる人だって知らなくて(ゴメンなさい)驚きました。
やはり舞台で鍛えたのかな?
木村さんは、ああいうわざとらしさが昔は好きじゃなかったけど 最近は役柄もアクの強い役が増えてきたせいか好きになってきた。

子供たちの演技も素晴らしかったです。
演じる時、彼らも色々考えただろうなぁと思うと
もっと子供の意見も聞きたい・・と思う。なのにR-15。これってどうにかならなかったのかな?
返信する
松さん、木村さん。 (BC)
2010-06-27 22:37:17
マリーさん、こんばんは。

そうそう、日本映画ならではの作品だったよね。

松さんはトレンディドラマ(古語?)を離れてから、格段に演技が良くなったよね。
近年、ご結婚された事も良い影響(プラス)になっているのかな。
梨園のお嬢さんで舞台経験が豊富なので、
この作品でも長台詞の集中力はさすがでしたね。

木村さんはクセのある演技なので、清純な役を演じても違和感あったけど
近年は自分の演技に合った役を選ぶようになってきたのが功を奏しているのでしょうね。

生徒役の少年少女達も色んな事を感じながら演じたのだろうね。

>もっと子供の意見も聞きたい・・と思う。なのにR-15。これってどうにかならなかったのかな?

こういうパターンって『バトル・ロワイヤル』以来なのかな?
一番観てほしい中学生達が観られないのは残念ですよね。。。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。