オーディオ彷徨録~JBL4331AからALTEC620A~

今までのオーディオの改良や音楽の遍歴に、今後の改善も紹介。いい音に繋がる方法を色々模索したことや、好きな音楽を紹介する。

パイオニアアンプA-J7の修理

2017-05-10 19:10:18 | オーディオ
 今回は、パイオニアアンプA-J7の修理についてお話します。元々、A-J7は、単身で狭いアパートに住んでいた'89年に、JBLは置けませんので、パイオニアのインプレッソというシステムコンポを買って、アンプ以外は、故障して手放しましたが、アンプは残していて、最近使い始めて、意外に音がいいので620A用に回して、マルチアンプ実験用にもう一台オークションで昨年落としたという次第です。オークションで落とした方は、最初は調子いい状態でしたが、最近電源ONしてから中々動作しないとか、動作中に突然セレクタースイッチのランプやインジケーター用LEDが消え、音も消えることが頻繁になってきたので、今回調べてみました。写真は、2台のアンプを上下に置きました。


 ■1)故障の症状
 症状は、下記です。
 ①電源ONしてから、インジケーター等が点いて音が出るまで、30分位かかることが多くなった。又、一旦電源ONして動作後は、電源をOFFしても再度ONしたら直ぐに点く。つまり、半導体か何かの素子が、暖まると、暫くは動作する。こういう現象は受動素子(抵抗・コンデンサ)というより能動素子(半導体)に多い。
 ②音楽を聴いている途中でも、突然音が消えて、インジケーター類が、消える。
 ③電源ONして、インジケーターが30分点かず、音が出ない時でも、ハニカムのヒートシンクは熱い。つまり、パワトラには、通電している。
 ということで、半導体でアンプ回路以外に障害があると判断しました。

 ■2)パイオニアへサービスマニュアルの提供・購入を打診
 それ以上は、回路図が必要ですが、先ずパイオニアにサービスマニュアル(回路図入り)を入手したいと今年の3月にサービスに連絡しました。返事は以下。

”Date: 2017/3/27, Mon 12:18
長年弊社製品をご愛用いただき、ありがとうございます。

お問い合わせ頂きましたA-J7の資料でございますが、大変恐縮ではございますが、
回路図やサービスマニュアルの販売や提供は行なっておらず、ご了承頂ければ幸いです。

※伺いました内容を考慮しますと半田クラックやリレースイッチ等の接触不良の
 可能性が考えられますが、資料の提供だけでなく、修理技術に関する相談も
 サポート外となっております。
 ご期待に沿えず、申し訳ございません。
 
パイオニアホームオーディオコールセンター
TEL:050-3388-9425
受付時間: 平日 9:30~18:00
(土・日・祝祭日・弊社指定日を除く) ”

 やはり、30年近く前の回路図は残っていない?か、あっても探すことが困難で出してくれない。パイオニアも、車用に特化して生き残りをするため、ピュアオーディオは、オンキョウと合併(実態は吸収された?)して命脈を繫げているような苦況と推察する。

 ■3)サービスマニュアルの入手
 パイオニアから入手できないとなれば、ネットで探すしかない。1ヶ月掛かったが、とある海外サイトで海外輸出版のサービスマニュアルをpdfで入手できた。この4ページに回路図があるではないか。やった!

 ■4)回路図を見ながらの調査1 (制御系)
 回路図を舐めるように眺めながら、調査をしていった。先ず、■1)で判断したように、アンプ回路ではなく、周辺の回路に原因があるということで、セレクター類(トーン切替・入力選択・ミュート)と入力インジケータのLEDの回路を探した。以下が回路。

 これは、回路図全体の右端にあるのですが、LEDは、曲がった→の付いたダイオード(黄色の○)ですので、下の方に並んでいる6個のTr(水色の○)の更に下に繋がっており、左端がLD用、その1つ右はTV用とか続いていますが、これら6つが入力インジケータのLED回路です。これらが故障時は点かなくなります。共通なのは、Vccですので、この6つのTrのエミッタ側に繋がっている線に電圧が故障時行っていない可能性がある。これは、見難くて申し訳ないですが、上図の左下のJ4コネクターのNo5の5.6Vであり、この5.6Vは、右上の3つのTr(赤色の○)のコレクタにも繋がっている。この3つのTrは、上記のセレクター類のLEDドライバーである。これはVccの5.6Vが切れて故障が発生していると推察できる。

 ■5)回路図を見ながらの調査2 (電源系)
 5.6Vがどこから来ているかを調べた。その回路(電源回路)が、下記。

 左上のREG.Assemblyという3端子の素子(水色の○)が、3端子レギュレーターというもので、交流を降圧して整流する素子です。出力が5.6Vと□枠内に記載しています。その3端子レギュレーターは、下記写真のハニカムヒートシンクの中央上にネジ止めされている黒四角の素子です。灰色の3線ケーブルが左に通っています。尚、その下の緑の2素子が最終段のPNP型パワーTr(2SA1264N)とその外側2素子がNPN型の2SC3181Nです。

 そこで、3端子レギュレーターの出力が、3つのリードの右とデータシートにあるので、右のリード電圧を測ろうとして、3端子レギュレーターを触った瞬間に電源ONしても点かなかったインジケータが点いて音が出ました。これは、この素子が怪しいと思って、右のリードにテスターリードをタッチした時に煙が漂って、1Aのヒューズが切れました。このヒューズは、上の回路図の3端子レギュレーターの右にある7つのダイオードの更に右にある、赤色の○で囲んだFU3(記号は、サイン波の1パルスの両側に○)です。ここに1A以上流れたということは、その先にある3端子レギュレーターは、往ってしまった可能性があります。

 ■6)修理案
 上記結果から原因は、3端子レギュレーターの劣化と推定した。今日、日本橋に5.6Vの3端子レギュレーターと1Aのヒューズを買いに行った。以下写真

 しかし、5.6Vの3端子レギュレーターは、ネットで調べても今は売っていない。正確に言うと、中華マーケットには売っていたが、中華マーケットは少し怖いのでまだ手を出していない。従って、規格品を買うことになるが、これが、5.6Vに近いのとなると5Vと6Vがある。
 実機についていた3端子:JRC製78M56A    5.6V
 代替製品1      :NewJRC製7805A    5V    
 代替製品2      :NewJRC製7806A    6V 

 【作戦】
  とりあえず、@50円と安いので5Vと6Vを1個づつ買って、まず、①5Vを付けて、NGなら、②6Vを付ける。それでもNGなら、③5VのGNDリードにダイオードをかませて、5.6Vに出力をもっていってトライ。  

 ■7)実修理 
 とりあえず、3端子レギュレーターを半田ゴテで半田を溶かして外したのが、下記。

 そして、買ってきた5Vの3端子レギュレーターを半田付けして、右のリードの電圧を測ったのが、下記。

 リードが、長いままで切っていないので、従来より基板が下になっています。電圧も4.98Vと正常です。これで直りました。セレクターランプと、下のLEDも黄色に光っていますし、音も出ます。

 アンプの前にあるのは、外した故障品の78M56Aです。下は、右から1Aヒューズ(新品)、同(故障)、3端子レギュレーター(新品)、同(故障)です。


 ■8)海外からの情報
 今回、海外からの情報に非常に助けられました。海外の方にも感謝です。助けられた情報を挙げます。
 ①サービスマニュアルをフリーでD/Lできた。
 ②78M56Aを探している外人の質問コーナー(Mystery Regulator)があり、これが5.6Vのレギュレーターであり、5Vしか手に入らないときは、GNDにダイオードをはさめと、外人がアドバイスしていた。2004年10月11日のもので、彼のパイオニアのレシーバーが死んだ(Went Dead)ということで、78M56Aが故障原因と判断して、探していた。言い方が、日本でも故障したら”死んだ”というので同じですね。しかし、パイオニアより海外のサイトの方が頼りになるとは、パイオニアの昔を知っている者としては隔世の感がある。
 Discussion in 'Electronic Repair' started by Kevin, VE1TV, Oct 11, 2004.
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