オーディオ彷徨録~JBL4331AからALTEC620A~

今までのオーディオの改良や音楽の遍歴に、今後の改善も紹介。いい音に繋がる方法を色々模索したことや、好きな音楽を紹介する。

”ハーレム・ブルース” ~フィ二アス・ニューボーンJr~

2017-09-26 22:53:59 | ジャズ
 今回は、前回の続きというか、同一セッションから後でアルバム化された”ハーレム・ブルース”についてお話します。これも学生時代、一時、嵌っていました。

 ■1)これが、日本で最初に発売された経緯
 これは、’75年の発売時に、本LPのライナーノーツを、コンテンポラリーレコードの社長のレスター・ケーニッヒ自身が書いていて、その中で説明している文章を引用します。
 ”この”ハーレム・ブルース”と題されたアルバムは、どの一曲もこれまで外に出したことのない、完全な未発表作品であり全世界に先駆けて、特に日本のジャズ・ファンのために発表を先行するレコードであるということだ。
 この未発表セッションを、私の倉庫から見つけ出してきてアルバム化したイキサツや録音当時の模様について、これから書くことの一部は私が先にスイングジャーナル誌に寄稿した文章と、重複せざるを得ないことを予めおことわりしておくが、私がアメリカのジャズ・ファン、いや世界中のジャズ・ファンを差し置いて、日本の皆さんに何にも先駆けて聴いていただきたいという理由はお世辞抜きに、日本のジャズ・ファンは世界一のジャズ・ファンだという事実を知っているからなのだ。日本に居る私の幾人かの友人、日本へ渡ったことのあるミュージシャン達から、口伝えにしか聞いてはいなくとも、私の制作したアルバムに対する反応を海の彼方で聞くしかなくとも、その熱心で、真剣な鑑賞ぶりは手に取るように判っている。
 そんな良質なジャズ・ファンに、まずこのアルバムを聴いて貰えるということは、プロデューサーである私にとっても、プレイヤーであるフィ二アス・ニューボーンJrにとっても、誠に喜ばしい、有意義なことと考えているのだ。”

 ケーニッヒの日本のジャズ・ファンに対する評価というか世界一とまで言ってくれる心に、大学時代 心の底から嬉しくなったのを思い出す。
 尚、日本側ではキングレコードの岡山ディレクターの尽力により、本アルバムが我が国で世界初で日の目をみることになったことを付記しておきます。

 ■2)”ハーレム・ブルース” が誕生した経緯とその選曲について (2つのアルバムの曲順・録音の様子・サイドメン人選等は昨日アップ分参照)
 これについても、ライナーノーツに、ケーニッヒが書いているのを端折って引用させて頂く。
 ”ハーレム・ブルースのセッションが行われたのは、’69年2月12日と13日の2日間で、場所は私のLAのスタジオ。サイドメンは、ベースのレイ・ブラウンとエルビン・ジョーンズのドラムスである。
 こう書くだけで、フィ二アスの熱心なファンなら、このセッションは、先に私が”プリーズ・センド・ミー・サムワン・トゥー・ラブ”(邦タイトル<ブラック・コーヒー>)として発売されたアルバムと同じセッションだと気がつくかもしれない。実に、両者は同じセッションなのだが、両者の間には一曲のダブりもない。このセッションを企画した時に、予め2、3枚のアルバムを作るつもりで、録音時間も十分にとり、曲数も多く採っているのだ。更に、最初からそのつもりなので、このセッションから、出来の良いものばかりを”プリーズ・センド・ミー・ー”に選んでしまって、残りはクズばかりという、所謂”残りテープ”ではない。この事は、このアルバムに一曲でも針を下ろしてみれば明らかになる筈である。”

 ■3)”ハーレム・ブルース”
 前回載せたリストで言うと、全23作の15番目の作品。表は、

 いいですね。SJゴールドディスクのシールも付いています。ついでに裏も、

 ”プリーズ・センド・ミー・ー”の表の写真のモノクロ版です。 ”プリーズ・センド・ミー・ー”は少し構えたところがあるが、”ハーレム・ブルース”は、アフター・アワーズ的な乗りの曲が多く、こちらの方が良く聴きます。

 ■4)”ハーレム・ブルース”の各曲
 残念ながら、各曲の紹介は、ライナーノーツにはありません。まあ、社長であるケーニッヒにそんなことをさせてはいけません。簡単に感想を記載します。

A-1.ハーレム・ブルース (フィ二アスのオリジナルですが、’58のビリー・グラマーのカントリーの代表作”GOTTA TRAVEL ON ”を元歌にしたアドリブ曲のように思います。)
 イントロから彼特有の力強いタッチでブギウギ風のテーマを弾く。いかにも、教会のゴスペル風の、天使にラブソング、に出て来るようなフィーリングを感じる。ゴツゴツだけど、ハッピー。きっと、フィ二アスも子供の頃は、ゴスペルの流れる教会へ行ったんだろうなと思わせる曲。和音のカッコ良さ、最後のバーンもお約束的だが、カッコいい。

A-2. スウィート・アンド・ラヴリー
 こういうバラードも、実は超絶テクだけではなく、彼は上手い。心に深く突き刺さるフレーズを重ねて聴くものに迫ってくる。色を重ねて、深い味わいを出す。エルビンのバックのブラシが小気味良く踊る。ドラムとポリリズムを対比させながら。

A-3. リトル・ガール・ブルー
 これと、B-2がお気に入り。ゆったりとしたゴージャスなバラード。華麗で繊細でセンシティブなアドリブ、リラックスした中にも余裕綽綽のフレーズを弾く。色んなカラーでキラキラ輝くアドリブの数々、ゆっくり、また、さりげなく。レイのベースが渋いです。超絶テクだけがフィ二アスではないと判るナンバー。

B-1. レイズ・アイディア (レイ・ブラウンのオリジナル)
 名手3人が渾然一体となったインタープレイ。アグレッシブなテーマをアドリブしていくフィ二アスに対して、バックも対等にバトルしていく。まさにインタープレイ。フィ二アスも楽しくて仕方がないという感じで乗っている。

B-2. ステラ・バイ・スターライト
 これが一番好きかな。ソロ・イントロの導入部から独特の崩し方、美しいだけではなく、力強さと絶妙の味がある。超絶のソロプレイ、この部分だけでも十分。途中、エルビンのドラム、レイのベースも、絶頂期の二人なので、入った瞬間に、ゾクッとする。また、解れる。フィ二アスのアドリブアイデアは多彩で、決めるところでのリズムセクションの寄り添い方も絶妙。

B-3. テンダリー
 珍しく、ベースの重厚なソロからスタート。非常にパワフルで、歌心溢れる長めのアドリブ。途中からフィ二アスが華麗なアドリブで加わり、曲はアグレッシブに変化する。重厚なレイのベースに支えられて、フィ二アスは自由に飛翔する。

B-4. クッキン・アット・ザ・コンチネンタル
 速いテーマでスタートする。エルビンが、シンバルを強調したドラムワークを見せ、レイは堅実にそれに応える。その中をフィ二アスが疾走する。

 ■5)You Tube
 今は、 A-2.とB-3.以外は、上がっています。

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