オーディオ彷徨録~JBL4331AからALTEC620A~

今までのオーディオの改良や音楽の遍歴に、今後の改善も紹介。いい音に繋がる方法を色々模索したことや、好きな音楽を紹介する。

CANDY

2017-01-25 15:34:17 | ジャズ
 今回は、『CANDY』についてお話します。
 と言っても、飴のことではありません。ジャズで、『CANDY』と言えば、そう、リー・モーガンの『CANDY』です。
 先ずは、リー・モーガンについて、ウィッキぺディアを少し追加/改変して経歴を拾ってみましょう。
 ■1)リー・モーガンについて
 ”フィラデルフィア出身 1938年7月10日生れ。 子供の頃から神童と呼ばれたハード・バップの代表的トランペッター。
【第一期】1956年にディジー・ガレスピー楽団(1956年10月-1958年2月)に在籍し、その年には早くもブルーノートから『Lee Morgan indeed!』でデビューし、その艶やかな音色からクリフォード・ブラウンの再来とも呼ばれた。1957年3月24日にレコーディングされたアルバム『Lee Morgan Vol.3』の中の「アイ・リメンバー・クリフォード」の演奏で高い評価を得た。
【第二期】1958年~1961年:1960年頃はアート・ブレイキー&ザ・ジャズメッセンジャーズにも所属し、トランペット奏者として、また一部の曲の作曲を手がけた。この時代の演奏では『Moanin'』などが知られている。61年くらいから「TheSidewinder」がリリースされるまで、ドラッグ抜きのため休養していた。
【第三期】1963年~。特に有名なのは1963年12月21日にレコーディングされてBlue Noteレーベルからリリースされた 「TheSidewinder」で、ビルボード・チャートの25位までランキングした。これは、当時のジャズ界では空前のヒット作となった。「The Sidewinder」は8ビートをジャズにいち早く取り入れた楽曲の1つで、ジャズ・ロックなどと称されることもあり、現在でもカヴァーされる人気のある曲である。また、当時Blue Note レーベル創設以来の売れ行きとなった。
 1972年2月18日、リー・モーガンはニューヨークにあったジャズクラブ「スラッグス」でライブ演奏をしていたが、その2ステージ目と3ステージ目の合間の休憩時間に、愛人のヘレン (Helen More) に拳銃で撃たれ、ただちにベルビュー病院に移送されたが、ほぼ即死状態だった。死亡が確認されたのは2月19日午前2時45分だった。”

 以上が、経歴だが、最後の結末が、何とも衝撃的である。33才というのは、彼の才能を知るものにとっては本当に短いが、ある意味では、33年間の間にやるべきことを全てやってしまったともいえる。

 ■2)リー・モーガンの作品との出会い
 私が、リーモーガンを初めて聞いたのは、57年作のコルトレーンの”ブルートレイン”でのモーガンを聞いたのが最初と記憶している。特に、2曲目のモーメントノーティスには、アドリブが饒舌過ぎると言う人もいるが感動、4曲目のオールドファッションのブレイクは、最強。アドリブの構成力とか間の取り方とかが、19才とはとても考えられない程完成されており、その音色もブラウニーにも勝るとも劣らない、一瞬の閃光という意味ではモーガンの方が勝る。
 以下、「The Sidewinder」、下段に左から”ザ・クッカー”、”CANDY”、リー・モーガンVol3”と並んでいる。尚、録音は、4枚とも偉大なレジェンドエンジニアRVG:ルディ・ヴァン・ゲルダーですので、57年58年にしてはいい音で録音されています。

 「The Sidewinder」は、ロックビートを最初にジャズに持ち込んだと言う歴史的なアルバムですが、やはり私は、若い頃の才気溢れる57年~58年(年で言うと19才~20才)の丁度ディジー・ガレスピー楽団~アート・ブレイキー&ザ・ジャズメッセンジャーズに移る、彼の天才が最も輝いていた時期、若くして円熟の域に達し、自分の天才に酔っていた、そんな時期の演奏に惹きつけられる。ロリンズも同じように、54年~56年(24才~26才)が一番充実していて神が宿っていた時期に凄い作品が集中している。では、私の好きな順に紹介しましょう。


 ■3)『CANDY』
 『CANDY』 1957年11月・1958年2月録音。BlueNoteレーベル。RVG:ルディ・ヴァン・ゲルダー録音なので57年というステレオ初期の録音ですが、トランペットのオーディオチェックには、最適です。
 リー・モーガン(tp)、ソニー・クラーク(p)、ダグ・ワトキンス(b)、アート・テイラー(ds)。リーの唯一のワン・ホーン・アルバム(ワン・ホーンは実力がないと、難しい。18才~19才でやれるのは天才)上の写真の、下の中央です。表紙の顔がナイナイの岡村さんに似ていますね。これは、全曲凄いですが、毎朝聴かないと1日が始まりません。私が最も好きなのは、ワンホーンだからです。
 (1曲目)キャンディ
 アート・テイラーのブラシによるイントロからいきなり軽やかな洒落た感じのテーマ。この小気味よいテンポは絶妙で楽しい。次にソニー・クラークのアドリブに移るが、フィーリングやスタイルはワン・パターンかも知れないけれど燻し銀のプレイと思う。Vol.3でピアノを弾いているウィントン・ケリーならもっと歌ものにフィットしていたかもしれないが、地味ながら華麗で品があるアドリブである。次にリーの爽快なアドリブに戻るが、ブラウニーにも勝るとも劣らない、一瞬の閃光ではそれを凌駕する輝きを持った音色と恐れを知らずに進む若者の勢いが素晴らしい。 
 ところで、ずっと前から疑問になっていたことがある。この曲だけだが、1分15秒あたり位からキュイッキュイッて高音の金属音みたいなのがする。マスターテープのノイズかなんかと思っていたが、これはハイハット(ソックシンバル。二枚貝のように対になったシンバルを脚のペダルを使って開閉する)ペダルの軋み音だそうである。当時の録音には比較的こう云うノイズが多い。特にアートテイラー(この録音のドラム奏者)はこのノイズが多いとのこと。そうだったのか、それで、長年のモヤモヤが解消した。
 (2曲目)Since I Fell For You
 スローバラードは非常に難しいと思うが、上手くアドリブを進めている。彼のプレイは、特にふくよかな音色は本当に素晴らしい。またブルースフィーリングもある。
 (3曲目)C.T.A
 アップテンポのナンバー。リーの軽快なアドリブは益々輝きを放っている。ソニーのアドリブも上手く乗っている。
 (4曲目)All The Way
 バラード好きの私にとっても、ジャズトランペットのバラードのベスト3に入る。『リー・モーガンVol.』3の"I Remember Clifford"のプレイたるや、ジャズ・トランペッターのすべてのバラード演奏の頂点に君臨する決定的な演奏であると思っているが、それに互角に勝負できる作品。リーの音色は本当に惚れ惚れするように美しく温かみがあり、他を包み込むようにふくよかである。
 (5曲目)Who Do You Love, I Hope
 青空が眼前に広がるような爽やかなアップテンポのリーのテーマからのアドリブが素晴らしい。ソニーのプレイも軽快で珍しく乗りに乗っている。明日への英気が思わず湧き上がってくるような曲と演奏である。
 (6曲目)Personality
 ミディアムテンポのリラックスした雰囲気は、アルバムの最後を飾るにふさわしい。ところで、このアルバム、このラストの曲とA面2曲目以外は、1958年の2月にニュー・ジャージーのヴァン・ゲルダーのスタジオで録音されたものであるが、同じスタジオで1月にはソニー・クラークのクール・ストラッティンが録音され、3月にはキャノンボールとマイルスがサムシングエルスの枯葉を録音しているのである。まさにモダン・ジャズの最盛期だ。

 ■4)ザ・クッカー

 ザ・クッカー1957年9月29日録音。BlueNoteレーベル。
 リー・モーガン(tp)ペッパー・アダムス(bs)ボビー・ティモンズ(p)ポール・チェンバース(b)フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)
 (1曲目)チュニジアの夜
 フィリー・ジョー・ジョーンズが奏でるラテン・リズムから、期待が膨らみ、その後のメロディを奏でるアダムスの重厚なbsと、ブリラントな音質で、声高らかに吹くリーのアドリブ・ソロにいきなり圧倒されます。リーのハイ・スピードで次々繰り出されるアドリブの上手さとテクニックの素晴らしさは特筆に値します。この演奏の素晴らしさの魅力を倍増させているのが、バリトン・サックスです。この二人の抜群の出来のソロを受けて、ティモンズも軽やかなアドリブで疾走をします。 最後は、リーとアダムスが〆てフィニッシュ。
 (2曲目)ヘヴィー・ディッパー (リー・モーガン作)
 序奏のリーとアダムスの掛け合いから、リーのアイデア溢れるブリリアントなソロへ。その後、アダムス~ティモンズのソロを経てチェンバースのベースの後にリーが抜群のソロを吹けば、アダムスもイマジネーション豊かに、しかし原曲のメロディを活かしたアドリブで4バース風に応えてくれます。ティモンズは、ここでも控えめで、サイド・メン的な伴奏から発展させたソロで受けます。リーは、ライトなナンバーをやっても正真正銘ハードバップのいい香りがします。
 (3曲目)ジャスト・ワン・オブ・ゾーズ・ソングス
 アップテンポの軽快な曲で疾走していくようなイメージの大好きな演奏。序奏のリーとアダムスの掛け合いから、華麗なアドリブが展開。その後、アダムスが、スピードに乗った演奏を展開します。負けずと、リーも早いフレーズを機関銃のように打ち出します。溢れるようなブリリアントな高射砲のようなアドリブで圧倒します。ティモンズも負けじと超速のピアノで、疾風のソロを駆け抜けます。終盤には、フィリー・ジョーも高速ドラミングで、4バース風に参加してくれ、天才同士がバトルで演り合うベスト演奏です。まあ、テナーでいうと、ロリンズとコルトレーンが一生で1回バトルした、テナーマッドネスに匹敵します。その時もチェンバースとフィリー・ジョーがメンバーだった。彼らは、天才同士のバトル請負リズムセクションだな!
 (4曲目)ラヴァー・マン
 バラード好きの私にとっても、ジャズトランペットのバラードで『CANDY』の4曲目All The Wayとほぼ互角のベスト3に入る。リーのアドリブも美しく時に閃光を放って、歌っている。ティモンズも抑制されたアドリブを展開し、アダムスのソロも情感豊かに歌う。途中、フィリー・ジョーのブラッシュ・ワークも見事にサポート。最後のリーとアダムスの掛け合いも寄り添うようなやさしい交換です。
 (5曲目)ニュー・マ(リー・モーガン作)
 ミディアムテンポのブルーズ。序奏のリーとアダムスのユニゾンからティモンズが、ブルースフィーリングタップリのソロを。その後、チェンバースがお馴染みのゆったりとしたテンポで彼独特のソロを取って、アダムスも渋くブルース調のアドリブを決める。その後、リーのソロになって、またまた情感タップリの歌心を見せ付けます。フィリー・ジョーのドラムソロもお約束で見せます。そして最後は、リーとアダムスがユニゾンで、最高のフィニッシュを見せてくれて、カッコ良く決めてくれます。

 ■5)リー・モーガンVol.3 
 リー・モーガンVol.3 1957年録音。BlueNoteレーベル。アルバムの表紙は、ブルー・トレインで撮った物との事。
 リー・モーガン(tp)、ジジ・グライス(as)、ベニー・ゴルソン(ts)、ウィントン・ケリー(p)、ポール・チェンバース(b)、チャーリー・パーシップ(ds)。
 カーティスフラーのブルースエットで多くの楽曲を提供していたサックスプレイヤーにして希代のソングメーカーであったベニー・ゴルソン(リーの音楽の兄貴分)が曲を提供し、Tsで参加したBlueNote3枚目のリーダーアルバム。

 (1曲目)ハサーンズ・ドリーム
 この曲は、アラビアの架空の少年がスルタンの宮殿で素晴らしいものをたくさん見て、家に帰ってきた夜にその夢をみるというものだ。最初から、アラブの宮殿に迷い込んだような雰囲気をかもし出す。ジジ・グライスのフルートが一層エキゾティックな中近東のメロディを奏でる。リーのソロは、シャープな中にも歌心満載である。
 (2曲目)ドミンゴ
 アップテンポの魅力的なテーマに、ゴルソン、リーと切れ込みのいいソロが続くが、その冒頭のトリル・フレーズがブリリアント。
 (3曲目)クリフォードの想い出
  極論すると、3曲目の"I Remember Clifford"のプレイに尽きる。これが、私にとっての、ジャズトランペットのバラードのベスト1に入る。18才(日本なら高3!!)にしてこれほど成熟したバラードを聴かせるプレーヤーはいないのではないかと思う。憎らしいほどの情感・表現の深さと余裕さえ感じられる。まさに神童。バラードでロリンズのような情感に過度に訴える(むせび泣く)こともなく、コルトレーンのような硬質(太いトーンでぐいぐい来る)なでもなく、マイルスのように、ミュートに逃げたり、知的で抑制されたと言えば聞こえは良いが、あまりに精神的客観的になることもなく。リーのバラードはトランペットの美しさで情感タップリに心を打つ歌心を持った正統派のバラード。
 (4曲目)メサビ・チャント
 リー⇒グライス⇒ゴルソンと快調にソロが回された後、リズムセッションの人たちもソロを取っている。
 (5曲目)ティップ・トーイング
 ミディアムテンポのファンキーなブルース。テーマの後、チェンバースのソロが来るのも洒落た趣向である。グライスとゴルソンのソロの後、リーがアイデア豊かなアドリブを展開する。

 リーダーアルバムではないが、ブルートレインでのリーは、①に互角の演奏をしている。また、ブレイキー率いるジャズ・メッセンジャーズのモーニンでも同様である。

 ■6)おまけ

 【質問】以下に、ネットで見た噂レベルの話を記載します。真偽は不明ですが、真偽をご存知なら教えて下さい。

 1)キャンディの3曲目のC.T.A(ジミー・ヒースの曲)は、何の名前?

 どなたかが、「シカゴ陸運局」の略らしいと話されました。Chicago Transit Authority

 又日本のジャズファンのブログにこう書かれていました。
 マイルス・デイヴィスもブルーノートでレコーディングした”C.T.A.”C.T.A.とはマイルス・デイヴィスの「Vol.1」のライナーノーツによると作曲者のジミーヒースのガールフレンド、コニー・テレサ・アンの頭文字だそうです。アメリカの方のブログにこう書いてありました。

Jimmy Heath, brother of drummer, Albert, and bassist, Percy. The tune, C.T.A. had been recorded a few years earlier by Miles Davis and, according to Davis, the title takes its name from the initials of a young Chinese-American woman Heath was dating at the time.

若い中国系のアメリカ人の名前で、当時ヒースが付き合っていた人? ここに、コニー テレサ アンと書いてあれば、完璧なのですが、正確な名前が、書いてありません。この、コニー テレサ アンの出所は、どこだったのでしょう。

また、色々検索してみましたら、アメリカのヤフー知恵袋みたいなのに行き当たりました。

Resolved Question:In Jimmy Heath's compostition, what does C.T.A. stand for ??
The Jazz standard by Jimmy Heath

Asked by felipe123 5 years agoReport Abuse
Best Answer

Miles Davis said that Jimmy named it after the best parts of a woman or for name for the train line that ran between his hometown of Philly and either NY or NJ.

Answer by Dom F 5 years agoReport Abuse

ベストアンサーに選ばれた答えを妹に訳しもらいました。

マイルスデイビスはジミーは女性の一番のパートから名前をつけた。さもなければ自分のホームタウンのフィリーとニュヨーク間を走っている電車の路線名からとったと言っている。

うん?一番のパートってどういう意味?パートナーっていいう意味?と妹に聞きましたら、もっと、「意味深」だと思う。女性のベストパートって書いてあるから…と言われf^_^;答えそのものが、ジョークだったのかしらね…って言いましたら、妹なりに、C.T.Aの意味を考えてくれました。さすがですね。私たち、姉妹、こういうのに、真剣に取り組むのです。(=´∀`)人(´∀`=)妹の考えは、こうです。
C chin, T tits, A assあご、おっぱい、お尻?
♪(v^_^)v出来ました。新たな解釈です
ご無礼仕りましたm(_ _)m

 2)マイルスがファットリップには敵わないと言った。
  マイルスが、そういったのは、サッチモや、ブラウニーのように、厚い唇に、劣等感を持っていた。厚い唇はトランペットを吹くには、適しており、マイルスのような薄い唇の人が逆立ちしても吹けないようないい音が苦も無く出る。それで彼は、ミュートに逃げたりした。福山雅治さんは高校時代にブラバンに入った時に、トランペットは薄い唇が向いており自分は希望しても吹けなかったと言っていた。⇒ジャズトランペットの奏法で、シン・リップ( Thin Lip)と、ファット・リップ(Fat Lip)があるのですが、それのことなのか、関係ないのか?又、ブラバンとジャズでは奏法が違うのか?
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