オーディオ彷徨録~JBL4331AからALTEC620A~

今までのオーディオの改良や音楽の遍歴に、今後の改善も紹介。いい音に繋がる方法を色々模索したことや、好きな音楽を紹介する。

オンキョウ製ミニコンポ用スピーカーの測定

2018-01-18 19:18:37 | オーディオ
 今回は、14年前に単身赴任で東京に転勤していた時に聴いていたオンキョウのミニコンポ用のスピーカーを測定してみたのでその話です。

 ■1)東京への転勤
 これは、2004年の9月に辞令を受けて、2011年3月末まで東京に転勤していましたが、現地で聴く為に購入したミニコンポのスピーカーを測定してみました。丁度、娘が小1の運動会終わってその足で伊丹空港に行ったのを覚えています。従って、娘の小学校時代は、ほぼ転勤していたことになりますので、日本の単身赴任というのも因果な制度です。東京での勤務地は、国分寺で昔の”日立武蔵”でした。日立が半導体を三菱とルネサスへ統合した時にルネサスの拠点となったものです。そこで、親しい仲間のAさんという方に大変お世話になりました。その方は、会社の私の隣の席に座っていたのですが、ある日出社してきません。前日の深夜に道路を渡るときに車に撥ねられて即死でした。合掌。昨日まで横で一緒に仕事をしていた人が突然亡くなった時の衝撃はすごかった。人の運命なんて儚いものだと痛感しまた。また、関西へ帰れと言う辞令を2011年2月末に受けたのですが、直後の3/11に東北大震災を東京で経験しました。直後の混乱で覚えているのが、スーパーに行っても飲み物や食べ物はほとんど無くなってしまっていたことです。また計画停電で東京の街が夜に光のない真っ暗の状態と言うのも経験しました。時折通る車のライトしか光るものは無い異常な世界でしたね。このスピーカーも放射能を吸っているかもしれません。95年には大阪で阪神大震災も経験しましたので地震には縁があるのかもです。

 ■2)オンキョウのDLA-WRATのスピーカー
 ミニコンポは、DLA Link(Digital rec Level Adjustment)搭載で、アンプはWRAT(WIDE RANGE AMP TECHNOLOGY)採用で型番は、X-N7FX(D)です。製品のリリース時の説明は、下記。

スピーカーD-N7TXのスペックは、2ウェイ・バスレフ型で、
 周波数特性 50Hz~100kHz  ウーファ 13cm A-OMFモノコックコーン×1   ツイータ 3cmリング×1
 最大入力 70w クロスオーバー周波数 6kHz  キャビネット内容積 8 L スピーカ-重量(1本) 3.7kg
 幅164×高さ282×奥行き258mm  音圧 83dB/W/m 周波数特性 50Hz~100kHz Z=4Ω
  当時は、ジャズはあまり聴いておらず、Aさん達とカラオケによく行っていましたので、コブクロ等の歌を聴く為にウォームトーンのこのコンポを単身赴任の後半で入手しました。6畳1間の寮では4331Aも持っていけませんでした。

 ■3)測定風景
 先ずは、マイク距離を40cmと離しました。

 次にインパルス応答を採る為に15cmと超ニアーフィールドにして、ゲインを稼ぎました。


 ■4)測定データ1 ~サインスイープのFFTとインパルス応答のFFT~
 これは、下記。

 ①は、マイク距離40cmでのサインスイープのFFTで、②は、マイク距離を200cmと通常の聴取位置にしたものです。聴感上ではマイルドな音ですが、7KHzからガクッと下がっているのが少し気になりますがミニコンポでは平均的と思います。②は、マイクをスピーカーの真ん前の2mの位置(高さは21cm)にマイクを離して高音が620Aでは離すと通常フラットになるのでそれを見たのですが、余り変わりません。低音は65Hzから下がっていますが、13cmウーハーでは仕方がないです。④ではツイーターを手で塞いでウーハー単体の特性を見たのですが、6KHzから高音が20db/Octで下がっていますのでウーハーで6Khzまで出ています。サインスイープでは、余り芳しいデータではないので、インパルス応答を見たのが、③です。超ニアーフィールドのマイク距離15cmで採ったのですが、これは聴感通りほぼフラットになっています。6.5KHzでディップしているのは、クロスオーバーの6KHzが超ニアーなので見えています。カタログでは、6KHzですが、実測では6.5KHzでした。

 ■4)測定データ2 ~インパルス応答のオシロ~
 データは、下記。

 ⑤は、インパルス応答のオシロですが、青〇で囲んだツイータパルスと赤〇で囲んだウーハーパルスが見えます。また、試しにツイータを塞いでみたのが⑥ですが、赤〇で囲んだウーハーパルスのみになっています。⑤から青〇で囲んだツイータパルスと赤〇で囲んだウーハーパルスの時間差を計算すると、0.18msとなり、これを距離で換算すると、6.2cmとなります。つまり、ツイータを今の位置から6.2cm奥に引っ込めないとタイムアライメントが取れないことになります。

 今日は、ここまでとして、次回はツイーターをどうにかして奥に引っ込めて、タイムアライメントが取れるのかを試した結果をお話します。お楽しみに!
 

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ファビュラス・フィ二アス ~フィ二アス・ニューボーンJr~

2018-01-16 17:36:24 | ジャズ
 今回は、フィ二アス・ニューボーンJr.がRCAに残した4作の内の珠玉の2作の内の”ファビュラス・フィ二アス”についてです。もう一つの方は、”フィ二アス・レインボウ”です。ブルージーでファンキーなフィ二アスが聴けてお気に入り。

 ■1)ファビュラス の意味
 これは、「寓話的な、物語に出てきそうな」で、そこから「現実離れしているほどすばらしい」という意味になります。まさに現実離れしているほど素晴らしい演奏です。

 ■2)”ファビュラス・フィ二アス”の位置付け
 まず、いつものまとめを見てみましょう。以下は、岡崎正道さんの’78年頃のLPのライナーノーツを一部参照しました。

 これから判るように、5番目にあるのが、”ファビュラス・フィ二アス”で、’56年にNYでの”ヒア・イズ・フィ二アス”で華麗なデビューを飾ってから2年後で、デビュー時、オクターブユニゾンを含めた驚異的なテクニックでどちらかというとテクニシャンとして知られた。しかし2年後のこの作品では、テクニック偏重のようなものは薄れて、むしろテクニックを抑えたピアニスティックなプレイの中に優れた音楽性を発揮するようになった。もう一つ云うと、当時のジャズシーンが持っていたファンキーなフィーリングをフィ二アスも身に着けている。フィ二アスのプレィはあくまで優美な輝きを持っていて、決してオーバーファンクになることはないが、これも彼のプレイの小さな変化であると岡崎さんは書いているが、私はメンフィスに近いところの出身の彼は元々ファンキーさを生まれながらに持っていたと思う。それがこのアルバムを出す時に、ファンキーブームに影響されて自然に発露したのでしょう。

 ■3)”ファビュラス・フィ二アス”のアルバム
 LPのジャケットは、

 若いフィ二アスは、颯爽としています。ついでに裏も

 ’78年頃に大学のレコード・ショップ”セブン”で買ったもので、相当聴き込みました。
 パーソネル:フィ二アス・ニューボーンJrカルテット
      フィ二アス・ニューボーンJr(P)
      カルヴィン・ニューボーン  (G)フィ二アスの弟でギタリスト
      ジョージ・ジョイナー    (B)
      デンジル・ベスト      (Ds)伝説のブラッシュドラマー、彼の職人技が聴けます。
 1958年3/28、4/3 NYで録音。当時のRCAのクラシック作品でもお馴染みの" LIVING STEREO "で録音。ジャズアルバムでは異例。’58年とは思えない素晴らしい録音です。エンジニアは、Ray Hall。

 ■4)”ファビュラス・フィ二アス”の各曲
 私のお気に入りは、バラード系でA2、A3,ブルース系でB1,高速系でB2、ピアニスティック系でB3です。特に、A2、B3は、無伴奏ピアノソロが聴けて至幸の一瞬が到来します!
 
A1. Sugar Ray [Take 4] - フィ二アスのオリジナル
 私の持っているLPではどういう訳か、曲名がライナーノーツの解説も含め”スイート・ロレイン”になっているが、曲を聴いた限りでは、”シュガー・レイ”である。今販売中のCDではちゃんと”シュガー・レイ”となっている。この辺りの経緯は不明ですが、もしご存知の方居られましたら、お教えください。
 先ずは、フィ二アス兄弟のイントロからギターソロへ。これはスインギーでいかにも軽快、メンフィススタイルらしいゴツゴツだけどハッピーなフィーリング。硬質なトーンがいいですね。”ウィ・スリー”の同曲よりアフター・アワーズって感じ。そっからは、ピアノソロになるが、最初のシングルトーンから始めて後はコードを多用して盛り上がる。彼のファンキースピリットが私を楽しましてくれる。

A2. What's New? [Take 3] ボブ・ハガート、ソニー・バークによる’38年の作でスタンダードとなった。
 無伴奏ピアノソロ。イントロ後原曲のメロディを大きく崩さないアドリブでロマンティックなテーマが流れてくる。カクテルピアノに近いが、フィ二アスの音楽性というか、ジャズ・フィーリングがあるのでそうは聴こえない。甘美な世界にフィ二アスと遊ぶ気分にしてくれる。エンディングもゴージャス。

A3. Pamela [Take 4] フィ二アスのオリジナル
 ギターはお休み。マイナーキーの哀調を帯びた静かでブルージーなメロディを聴くと心が癒される。リラックスした中にも超絶テクをもつ余裕や遊び心がこの曲の表情を豊かにしている。フィ二アスの弾く1音1音が美しい。

A4. 45° Angle [Take 2] デンジル・ベストの作
 兄弟のユニゾンでミディアムテンポのスインギーなテーマが流れる。ソロはギターからスインギーに。ブレイクの後は、ピアノのソロ。ここでは、ジョイナーのベースが心地よい。フィ二アスを上手にバッキングしているいぶし銀のプレイ。フィ二アスのアドリブを聴いていると心がウキウキしてくる。

B1. No Moon at All [Take ] デイブ・マンとレッド・エヴァンスによる’49年の曲
 パルス的な2音の後、軽快なイントロでスタート。フィ二アスのシングルトーンのテーマからブリッジはカルヴィンが受け持っている。ソロは、ピアノ~ギターの順でリラックスしたプレイが聴ける。ギターはメンフィスの匂いのするスインギーなソロで、ピアノもスイング感バッチリのプレイ。エンディングも風変わり。

B2. I'll Remember April [Take 3] ドン・レイ、パトリシア・ジョンストンの詞にジーン・デポールが作曲した’49年の曲
 アップテンポのピアノイントロから。アップテンポの超絶テクは、フィ二アスの真骨頂である。爽快に疾走するフィ二アス。その後フリー・テンポになり、ミディアムテンポになってからカルヴィンが登場。しばらくピアノと併走するが、いつの間にかギター主導でスインギーなソロに。最後は、ピアノに戻って熱気を帯びたソロで終わる。

B3. Cherokee [Take 2] アメリカンインディアン・チェロキー族の踊りを描写風に作曲した、'39年のレイ・ノーブルの作
 無伴奏ピアノソロ。両手のユニゾンのダイナミックなプレイが聴きもの。スリリングでピアニスティックなフィ二アスのプレイはスインギーで素晴らしい。

B4. Back Home [Take 6] フィ二アスのオリジナル
 兄弟のユニゾンで奏でられるテーマは、フィ二アスのファンキーなオリジナル・ブルースである。先ずは、ピアノソロであるが、ギターのリズムが良い感じで絡む。その次は、ジョイナーの粘っこいベースソロもフィーチャーされている。カルヴィンのアーシーなソロを経て、フィ二アスの力強いタッチのご機嫌でファンキーなソロに戻ってお仕舞い。

 ■5)You Tube
 単曲ですが、全曲上がっています。1曲目はもちろん、”シュガー・レイ”となっています。


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JAZZ AT THE PLAZA Vol.1 マイルス・デイビス

2018-01-07 10:27:58 | ジャズ
 今回は、マイルスにとっては、ビル・エバンスをグループに招聘した1年間での僅か5枚の共演の4枚目であり、カインド・オブ・ブルーの手前半年であり、トレーンにとってはプレスティッジの最後のアルバム”スターダスト”の2ヵ月後というタイミングでコロンビア主催のパーティでの演奏を記録した貴重な1枚である”JAZZ AT THE PLAZA Vol.1”についてです。

 ■1)トレーンのプレスティッジ時代からの流れ
 これは、前にも挙げた以下のまとめで見たら、

 神の啓示をトレーンが受けた1年2ヶ月後で、プレスティジと決別した直後で、半年前には”マイルストーン”に参加しモードの洗礼を受け、半年後にはカインド・オブ・ブルーで”モードの完成”に参加したという凄い変動期に当たります。トレーンは既に”シーツ・オブ・サウンド”でガンガン飛ばしているのが爽快です。

 ■2)”JAZZ AT THE PLAZA Vol.1”について 以下、’97年3月21日の藤本史昭さんのライナーノーツを一部引用
 このアルバムは、’58年に米コロンビア・レコードが主催したジャズ・パーティの模様を記録したものです。パーティには、マイルスの他にエリントン・オーケストラ、ジミー・ラッシング、ビリー・ホリディ等が参加し、このマイルス以外のライブが、"Jazz at The Plaza vol.2"というアルバムになりました。アルバムとしてリリースする予定はなかった為ちゃんとしたレコーディングの用意もされておらず、マイクが急に遠ざかって音が小さくなったり録音状態は良くない。お祭りと言う気持ちもあったのだろう、収録の4曲は第一次クインテットの十八番ばっかりで、”モード奏法”の曲は取り上げられていませんがその萌芽が見られます。リリースされたのが1973年というから15年間オクラ入りになっていたようです。
ジャケットは、
裏もついでに

 カインド・オブ・ブルーのようにスタジオでのコンセプト・アルバムという感じではなく、”’58年秋のジャズクラブではこんな感じでマイルスのグループは演奏していたんだろうなあ…”というのが聴ける貴重なアルバムです。ライブで火がついたコルトレーンとキャノンボールのド迫力の演奏をお楽しみくださいってとこです。これを聴いていると、村上春樹さんと同様、私もこの時代のNYのヴィレッジ・ヴァンガード やベイズンストリート等のジャズ・クラブにタイムスリップして入ってみたいですね。

 ■3)JAZZ AT THE PLAZA Vol.1”の各曲
 この中で、私のお気に入りは、”マイ・ファニー・ヴァレンタイン”と”IF I War A Bell”です。いや、やっぱり、”オレオ”や”ノーチェイサー”のトレーンやキャノンボールも凄いですね。マイルスの例の指のカウントも何度も聴けてご機嫌な気分になります。

 パーソネル:マイルス・デイビス(Tp)
       トレーン&キャノンボール(Ts&As)
       ビル・エバンス(P)
       ポール・チェンバース(B)
       ジミー・コブ(Ds)
 1958年9月9日 NY プラザホテルでのライブ

1.Straight, No Chaser 11:02 (T.Monk 作)
  マイルスの指のカウントを合図に、トレーンのイントロのテーマがスタート。ソロはマイルス。これは乗っている。快演だ。”聖者が町に…”も引用している時は大概乗っている。時にハーフテンポのフレーズを織り交ぜ、曲線的に自由に空間をうねっていく。次はトレーン。シーツ全開でライブならではの長尺ソロで場面を転換。続くはキャノンボール。アーシーで変化に富んだソロを回す。これもマイルスに負けず劣らずスピーディーなアドリブラインで乗っている。峠を次々にクリアーしていくバイクレーサーって感じだ。次はエバンス。この曲では、リリカルさは横に仕舞って、トリスターノ流のストイックなプレイ。最後はお約束の、マイルスのテーマでお仕舞い。

2.My Funny Valentine 10:13 (L.Hart、R.Rogers 作)
 マイルスのクールさとエバンスのリリカルさが真っ向勝負した”カインド・オブ・ブルー”の前哨戦という感じ。サックスは邪魔だ、というマイルスが思ったのだろう、Ts&Asは居ない。互いに最高のプレイで対峙している。最初は、ミュートのシックでクールなソロ。ドゥエンデな世界へ連れて行く。後年のリンカーンホール版より荒削りだが叙情的。続くエバンスは、まさにリリカル。でも少し醒めているように私は感じる。続くチェンバースのピチカートソロは、珍しく唸り声を伴って重厚なメロディを奏でる。ミュートに戻って、安らぎのあるメロディの中チェンバースも寄り添い、最後はドラムフォローで粋に終わる。

3.If I Were A Bell 8:30 (F.Loesser 作)
 この曲ではキャノンボールはお休み。マイルスの指のカウントを合図に、エバンスをバックにミュートで快調にソロをとるが、マイクが急に遠くになって音が引っ込んだりするのが唯一残念。でもマイルスのアドリブがご機嫌でリズミカルにスイングし充実している。リラキシン’より進化している。次はトレーン。マイクの不安定さはあるが、広い音域を上に下に猛スピードで駆け巡り、シーツ炸裂である。乗っている。続くエバンスは、リリカルさを少し抑えてスインギーにプレイするが、エバンス節も随所に見せる。最後はミュートに戻ってトレーンが絡んでエンド。

4.Oleo 10:45 (Sonny Rollins 作)
 メンバーの個性的なソロがせめぎ合う。 ミュートのテーマより、トレーンが少し吹いた後、マイルスの指のカウントを合図にまたトレーンが少し吹いた後、ミュートソロが軽快にアイデア豊かに始まる。お次はトレーン。ここでもシーツ爆発のプレイ。高速フレーズも随所に散りばめ快走する。音符をどこまで細かく刻めるか挑戦している。次はアダレー。トレーンとは打って変わって変化球を交えたアーシーでアップテンポでスピーディーなプレイで私を楽しましてくれる。変化に富んだアドリブラインで飽きない。この頃の彼は、自然にアドリブが湧いてくる。次に来るのはエバンス。同年の"Everybody Digs Bill Evans" の同曲からのフレーズ引用もあってスインギーでシングルトーンでのラインのアドリブを聴かせてくれる。その後はチェンバースのソロ後、ミュートが割って入ってトレーンとエバンスの交換の後エンディング。

■4)You Tube
 フル・アルバムが上がっています。”If I Were A Bell ”から始まるバージョンです。その方がライブ通りの曲順と言われておりライブでの曲順は、上記Noで言うと、3.⇒4.⇒2.⇒1.となると思う。
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2405のタイムアライメント評価3~高調波歪~

2018-01-04 09:41:35 | オーディオ
 前回のアップで、JBLの採用してきた磁石の解説でフェライトを導入する際に歪が問題になって、これをクリアーする為にSFG磁気回路を開発したということであったので、2405と2405Hの高調波歪を測ってみました。

 ■1)測定条件
 これは、通常の聴取位置にマイクを置いて、My Spsekerの高調波歪の測定プログラムを使った。

上の写真は、2405Hを測定した写真ですが、右端の三脚上にあるマイクで左側のスピーカーの音を拾いました。2405の場合も同様。

 ■2)測定結果
 これは以下です。尚、グラフの中の説明中の左上の⑤の中の②③は、前回アップ分の②③で、右上⑥の②③も同じですので、最終選択とは違います。

 上段が2405で下段が2405Hです。左側は、サインスイープのFFTで、右側が高調波歪です。青線は2次高調波、緑線は3次高調波です。高調波歪は、40dbかさ上げされています。左側で青い〇で囲んでいるのは低音で2405Hは2231Aを付ける前ですので、20Hzで13db位40Hzに対して落ちていますが、上段の2405は2231Aを付けていますので9db落ち位に改善されています。右側が高調波歪ですが、差はありません。FFTで見ると、6KHz辺りから2405の音が混じっていますのでその辺りからの歪で判断しています。2405のみになる13KHz以上は残念ながら線がありません。SFG磁気回路を使ってアルニコと同じレベルには仕上げたと思います。

 ■3)2405での試聴
 前にも書きましたが、一言でいうと雑味が全く無くなった音になったと言うことです。必要な音は全て吐き出すが不要な音が全くでない。ソースにある音は全て出ている。よく言いますが、スピーカーから音が離れて空間に飛び出して、プレーヤーがそこに現れるという感じです。定位について云うと、例えば定位感がきっちりしているトレーンの”スタンダード・コルトレーン”の”アイル・ゲット・バイ”では、トレーンは、左側の4331Aと620Aの境界点に見え、ジミー(Ds)は、逆の右側の4331Aと620Aの境界点に、またチェンバース(B)は、右の620Aの位置で、途中からプレイするハーデン(Tp)は、トレーンの居た位置に入れ替わっています。ガーランド(P)は、両スピーカーの丁度中央に居てプレイしています。正にRVGが録音した’58年7月11日NJハッケンサックの自宅リビングルームのスタジオが再現します。昨夜、”君の名は。”をこのシステムで見ていたんですが、映画館で見ている以上に臨場感がありました。特に彗星が衝突する際の衝撃が凄い!音響効果も良く出来ていますね。

 ■4)他のサイトでの2405と2405Hの音の比較
 これは、あまり見当たらないのですが、1件以下がありました。
”フェライトの2405Hと比べ、2405は同じ系列のものかと思わせるほど違うのです。16Ωの2405はリジッドながらナチュラルですが、2405Hはリジッドでタイトです。”
 なるほど、何となく判ります。このナチュラルというのが凄く判ります。上手く言えませんが、ストレスなく音がすーーと出てくるのです。ライブのオケの音がそういう感じですね。2405Hでジャズのシンバルを聴いていると余韻があるので少し耳に刺さりますが、これはこれで如何にもJAZZらしいのですが、2405は全く刺さらないのに済みきったシンバル音が分離して聴こえます。分離するというのは、もやっとした霞が消えてシンバルが見えてくるという感じかでしょうか。URLは下記。
 http://www.jupiteraudio.com/2068/2068.html

 ■5)2405のインピーダンスにつて
 2405のインピーダンスは、定格上は16Ωである。従って購入前は、16Ωの抵抗を買って2405とは並列にし8Ωにして3db低下した所から2dbアッテネートして使おうと考えていた。しかしDC抵抗をテスターで測ると6Ω台であったので、これに16Ωをかますのも精神衛生上良くないし、交流的にはともかく2405Hの8Ωで使っていた5.2dbの8Ω系のアッテネータをそのまま使っている。特にインピーダンスの不整合起因の変な反射に伴うようなノイズも聴感上聴こえない。
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2405のタイムアライメント評価2~ウイーン・フィル・N.Y.C.

2018-01-01 19:54:11 | オーディオ
明けましておめでとうございます。前回は、2405のタイムアライメント評価1として、4マトリックスのインパルス応答によるタイムアライメント結果を載せました。今回は、そのデータからどういうセッティングに決めたかの話です。

 ■1)最終結果のまとめ
 これは以下になります。尚、評価は、マイクを聴取位置に置いての、WaveGene.のサインスイープのFFTで行いました。

 上段は、左側の620Aについてで、①は個体B、②は個体Aです。下段は同様右側の620Aについてで、③は個体B、④は、個体Aです。相性があるようで、②では特に個体Aがハイ落ち気味ですが、個体Aでも④はハイ落ちが少ないので、①と④の条件を採用しました。つまり、右側は個体A,左側は個体Bを採用したわけです。

 ■2)このセッティングの状況
 これは写真のようなセッティングになります。

 ■3)オール・アルニコについて
 アルニコマグネットのスピーカーが他のマグネット(フェライトやネオジム)を使ったスピーカーより音が良いということが言われる(これは異論(最適化後は同じとか、音色の差がある等)もあるようなのですが)こともあるので、オール・アルニコ化してみたいと長年思っていました。これについて少し調べてみました。判りやすく説明しているのが、以下URLです。
 http://blog.goo.ne.jp/parc-audio/e/201e4b136af18900c0ddbb905a3a26f3
 ここでアルニコの特徴を記載されているので少し引用させて頂くと、(マグネットについて 5)の章では、少し加筆もしてますが、
 3)アルニコマグネット
 長所
*特性的に内磁型に向いており、音質的にも最も評価が高い。
 私見ではありますが、経験的には同じ内磁型でもネオジムよりも音質的に良いと思います。
*低温、高温ともに温度特性は非常に優れており、精度を要求される測定器等にも使用される。
*内磁型を使うことでフェライトよりも外径を抑えることができ、ウーファー等での背面のエアーフロー処理に有利。
 (これについては、内磁型でのネオジムも同じ)
*機械強度が強く、取り扱いが楽。
*大きな着磁パワーを必要としないので、小型の着磁機でも簡単に着磁が可能。

 短所
*パワー減磁に弱く、パーミアンスを高くする必要がある。⇒ハイパワーの長期間使用で減磁する。減磁後の対策は、再着磁がある。
*大型のものは使用例が激減していることもあり、以前にも増して高コストとなっており、
 磁気回路全体としてはネオジム以上に高価なマグネットである。

 他のマグネットについても解説されているので、興味ある方は訪問してみて下さい。また以下のURL(マグネットについて 2)では、断面図を用いて、内磁型のアルニコの場合は、アンプから見た時ボイスコイルのインダクタンスがボイスコイルの位置によってあまり変化しないということを上手に説明しています。コイルのインダクタンスはそのコア材の透磁率に比例し、ボイスコイルのインダクタンスもその芯材にあたるボイス内部の部材の影響を大きく受けます。ここでポール材の鉄はリコイル比透磁率が高く影響が大きいのですが、アルニコは鉄に比べれば圧倒的に小さく(鉄が5000に対し、アルニコ3.6、ネオジム/フェライト~1.05)、影響は非常に少ないのです。上記URLの図を見れば明らかですが、アルニコの場合は、内磁型でボイスコイルが動いても横切る鉄の面積はほぼ一定で小さいですが、フェライトのような外磁型は、ボイスコイルの中に鉄があるためボイスコイルが動く時に横切る鉄の面積が変動する(ボイスコイルが上がった時にアルニコと同じになる)ためインダクタンスが変動します。つまり動作点が一定しないふらふらした状態になる、これはアンプから見ると非常にいやらしい負荷となるということです。その他に、内磁型は磁気漏洩が無いためネットワーク等への影響が無い、エアーフローに有利等の外的影響も指摘されていますが、本質的にはインダクタンスの変動が少ないことが音質に効いていると思います。ネオジムでも内磁型の場合は、インダクタンス変動はアルニコと同じですが音色が違うという意見もあります。
 http://blog.goo.ne.jp/parc-audio/e/5bfd93d7eabb7cf6f6af99e2433889ec?fm=entry_awp

 ■4)JBLの磁石の変遷
 JBLの説明でもアルニコにまつわる変遷が以下URLで載っています。’70年代後半から、アルニコの原料であるコバルトの入手が難しくなり、その代用素材として注目されたのがフェライトですが、歪みの問題がありこれをクリアーする為にSFG磁気回路を開発。’88年には新しいマグネット素材、ネオジムを高音用ドライバーに使用します。しかし高温に弱い弱点を持ち、発熱の大きなウーハーへの使用は不可能とされていたがボイスコイル冷却機構等でマグネットの温度上昇を食い止めることで世界で初めてこのネオジムをウーファーの磁気回路に使用することに成功。そして、2001年には再びアルニコに注目。アルニコマグネット特有の躍動的なサウンドを現代に呼び覚ますために、大入力時の減磁というアルニコの欠点を克服する斬新な磁気回路を完成させ、フラッグシップ機Project K2 S9800に搭載した。やっぱり、JBLもアルニコは音が躍動的と思っているんだ。

 http://jbl.harman-japan.co.jp/about/tech.php?id=3

 ■5)2405のタイムアライメント後の試聴
 まだ、それほど聴いていませんが、2405Hの場合よりより雑味が無くなったと言う感じです。不要な音が一切出ないような気がします。2405Hでも演奏者がそこに現れるような存在感の音が再現されていましたが、2405ではそれに更に2405Hでは感じた余韻のような雑味すら無くなったような感じです。オール・アルニコ化の意義はありました。
 今、ウイーン・フィルのニュー・イヤー・コンサートをNHK教育で見ていますが、2231A+620A+2405で聴いています。最初のシーンは、
 ”ジプシー男爵から入場行進曲”です。リッカルド・ムーティが指揮をスタート
 ”マリアのワルツ”から”ウィリアム・テル・ギャロップ”では、ホールの豊かな響き、またトライアングルの音も凄くリアルに収録されています。ムーティも頑張っています。
 プレ番組で、このホールは、人が入っていないときは高橋克典さんの声も割に大きく反響しているが、人が満員になると反響が減って丁度良い具合の響きになると解説していましたが、今聴いていると残響が少なく録音状況は素晴らしいです。"美しく青きドナウ" の前の曲のシンバルやバスドラもリアルです。不思議なのは拍手を除いてライブ特有の観客のノイズが全く無いことです。観客のレベルも高いが、録音技術も優秀。観客の中に日本人の方々も結構見受けられますね。また、バレーは夏場に収録するんですね、知らなかった。どうりで、画面が初夏の雰囲気でしたね。
 来年の指揮は、クリスティアン・ティーレマンだそうです。
 

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