MOSSANの気紛れ日記

ゲームブック、レトロゲーム、マクロスが大好きです。
記事のテキストの改行は、PC準拠で行っています。

《恐怖の幻影》 第1話 始まりは夢の中…

2017年05月06日 11時39分45秒 | 恐怖の幻影(完結)
あたしは今、夢の中でアフェン森を歩いている。
この森は、馴染み深くあるようで、そうでもないような、
不思議な感じのする場所だ。

木々は普段より活力に満ちていることがわかる。
研ぎ澄まされたエルフの感覚に、その生気が伝わってくる。
小枝や茂みからの微かな音でさえ、増幅して耳に届く。
幹の表面はメーラ(エルフ語で生命力を意味する)に溢れていた。
ゆっくりと地面から吸い上げられた精気が、枝の先まで広がっている。

リアン(この光景こそが、メーラを表す…)

万物に生命を与えるメーラの小さな欠片があたしの夢を見る力となり、
魔法力を生む源になっている。

アフェン森は、確かに広大だわ。
だけど、古代タイタンの全盛期に存在したものに比べれば、
それほど大した広さじゃない。
そう、三つの大陸が一つだった頃の時代に栄えた森に比べれば…













リ(あら?)

いつしかあたしは、見覚えのない一画に来てしまっていた。

リ(多分…)

現実には存在せず、あたしの夢の中だけに見える場所だわ。
もしかすると、現実世界とは対になる場所なのかもしれない。

リ(これは…)

目の前の異様な光景に、あたしは息を呑んだ。
木々の枝が曲がりくねって、それらが一本の小道を指している。
まるであたしを導くような感じで…

あたしは導かれるがままに小道を辿ることにした。
すると…

ガサッ… ガサッ…

リ(…! な、何よ?)

枝が急き立てるように身体にぶつかってきた。
何だか強引に押されてるみたいだ。なぜ? 何の為に?

リ(どこへ行かせるつもりだろう…?)

そんな疑問が浮かんだ時…











木々の動きが弱まり、いつしかあたしはT字路に立っている。
そのうちの一本はあたしが辿ってきた道だ。
残りの二本は、まるで蛇の舌のように分かれていて、
それぞれが別の方向へと続いていた。

リ(…!)

木々が急き立てるのをやめた。ここが終点なの…?

このT字路には、三本の道が合流すること以上の意味がある。
あたしが辿ってきた道は、あたし自身の過去と現在を象徴している。

心臓の鼓動が高まる。だけど、あたしの頭の中は冷静だった。
自分でも恐ろしいほどに…

あたしは二本の道をそれぞれ調べてみる。

リ(果てしなく続いてる…)

見た感じでは、どちらも単なる芝道にしか思えない。
だけど、その先に何があるんだろう…?

リ「アッ!」

それは突然のことだった。
三本の道の合流地点に、いつの間にか石像が立っている!

その石像は美しい姿をしていた… わかりやすく言うなら、正に女神…
だけど、こんな神の名前も、何を司るのかさえもわからない。

石像は完璧なまでに無表情で、胸の前に腕を組み、ローブを纏っている。
その目は、あたしの心を見透かしているように感じた。

リ(こんな得体の知れない物に構ってる時間は無い)

どんな理由で現れたのか知らないけど、あたしには関係の無いことだ。
とりあえずの問題は、ここからどちらに進むかということよ。

その時…

?「キャンキャンッ!」

リ「うわッ!?」

石像が少しだけ腕組みを解き、袖の中から黒い小犬が飛び出してきた。

小犬「キャンキャンッ!」

小犬は鳴きながらあたしの脇を通り抜けて、後ろの木立へ走っていく。

リ(あの小犬が案内役…? まさか…)

あたしはジッと女神像を見つめ続ける。今度は何が出てくるの?
この像は敵なのか? それとも…

リ「えっ?」

またもや女神像が腕組みを解き始める。異常なほどにゆっくりと…











その動作はあまりに鈍く、永遠に続くかと思うぐらいだった。
彼女が腕を解く間、その身に纏ったローブが青白く輝いていた。

リ(ああ…!?)

女神像の表情が優しい感じになり、口元に笑みが浮かんでくる。

女神像は二本の腕をゆっくりと伸ばすと、二つの道を指差した。
それは、これからあたしが選ばなければならない分かれ道…

あたしは最初に左手の道を見る。
平坦な森の小道ではなく、何の変哲もない街道がある。
あたしの期待とは逆に、ずっと遠くまで続いているみたいだ。
終点はハッキリとしないけど、遥か先から健全で幸運な気配を感じる。
見ているだけで心が和む…
遠くに行くにつれて木々は少なくなり、樹木らしさは失われていく。
それでも生命力の本質だけは漂わせていた。

右手の道にも木が生い茂っている。
しかし、進むにつれてそれらはグロテスクな形骸に姿を変えていく…
この道からは、生命の鼓動は感じられない。

リ(明らかに邪悪な力で支えられてる…)

その力から感じ取れる悪意は、恐ろしく強烈なものだった。
思わず吐き気を催すほどの腐った臭い…

リ「────ッ!」

恐怖が心に焼きついた途端、あたしは腐敗の源を見た。
森の広い部分が、底が見えないほどの深い穴に陥没している…

リ(あの底にある何かこそが…)

きっとアフェン森の枯死の原因に違いない。けれど、あの穴はどこに…?

リ「あっ…!」

ふと女神像を振り返ったあたしは、思わず目を丸くした。
その両手にあたしの愛剣テレッサが握られている。

リ(この世に二つと無いはずなのに…)

夢の中だから、別におかしくもない…か。

リ「えっ!?」

女神像の姿が次第に薄れていく… あまりに突然に…

リ「き、消えてく…?」











最後に不思議な笑みであたしを見つめながら、女神像は両手の剣を放す。
そして完全に消えてしまった…

☆グサッ☆ ☆グサッ☆

二本の剣がブルンと震えて芝生に突き刺さる。











不思議な出来事だったけど、気にしても仕方ない。

リ(さあ、どちらに進もうかな)

・健全な感じのする左手の道を辿っていこう

・右手の道を辿って、アフェン森を脅かす元凶を突き止めたい

イシュトラを倒すだけの力を、あたしは得なければならない。
こっちに進んでみよう。


★ステータス
技術点 12/12  体力点 17/17  運点 11/11  魔力点 14/14

★持ち物
愛剣テレッサ
革の鎧
背負い袋
幸運の飲み薬
ジャンル:
レトロ
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