町山智浩がサム・ライミに映画監督になった理由を聞いた時の話。
「電気屋以外ならなんでもよかった」
サム・ライミのお父さんは冷蔵庫とクーラーを売っていた。
で、サム・ライミも継ぐつもりで仕事を手伝っていた。
ある日、赤ちゃんを連れて黒人夫婦が店に来た。
「暑くて汗びっしょりになるので赤ちゃんが寝られない。家にあるお金を全部持ってきた。どうかクーラーを売ってほしい」
出されたお金では全然足りなかったが、サム・ライミは
「絶対、売る」
と思って、自分の貯金と給料で補填する形で書類を作っていた。
もうちょっとでできあがり、というところにお父さんが帰ってきて
「そんな条件では絶対売らない」
と言う。
結局、クーラーを売ることができず、サム・ライミは
「電気屋にはならない」
と思って、映画監督になったという。
最後まで話を聞いてホッとした。
というのは、その前にサム・ライミの新作が
上昇志向のOLが
「家賃が払えないからお金を貸してくれ」
という老人の頼みを断ったら、その老人が
「呪ってやる」
と捨てゼリフを吐き、以来、OLに次々と不幸が起こる
という内容だと聞いたので、
クーラーを買えなかった夫婦が呪いの言葉を吐いて、悲惨な目にあった
とか、
クーラーの代わりに冷蔵庫を買って、そこに赤ちゃんを入れた
とか、なんしかとんでもなく恐ろしいオチを聞かされるのではないかとビビりながら聞いていたから。
あー怖かった(´Д`)