国鉄があった時代blog版 鉄道ジャーナリスト加藤好啓

 国鉄当時を知る方に是非思い出話など教えていただければと思っています。
 国会審議議事録を掲載中です。

参議員-運輸委員会-2号 昭和五十五年十月十六日 第23話

2017-03-05 15:15:01 | 国鉄関連_国会審議
久々に更新させていただきます、今回は目黒今朝次郎(めぐろけさじろう)議員、日本社会党所属元動労所属の機関士で動労委員長を経て昭和49年(1974)の参議院選挙に出馬し当選しています。

今回の質問は、北陸トンネル火災事故の機関士に対する質問といことで、元動労の委員長らしい視点からの発言であります。
既に皆様もご存じだと思いますが、北陸トンネル火災事故は、食堂車オシ17の喫煙室付近から出火した車両がトンネル内の5km地点で停車したもので、煙にまかれて29名の乗客と指導機関士が死亡し、714名が負傷した事故でした。
このあたりのことは今後さらに私も調べてお話をさせていただきますが、ここでなされている質問は、福井地裁で審理されていた、北陸トンネル事故の裁判について検察側は機関士に対して「禁固二カ月」求刑したことに対して、当時の国鉄は当該機関士に対して2号俸の特別昇給(抜擢昇給)を行ったことに対して、国鉄としては仮に禁固刑がでても機関士を守る意思があるのかという質問をされています。
この機関士は、当時の運転取扱規程に従い、運転していたので何ら問題はなく、最終的には、福井地裁での判決は、無罪となっています。



> 北陸トンネル事故の乗務員に無罪判決 11/25
> 47年11月に北陸トンネル内で急行の〈きたぐに〉が炎上、死者30人、負傷714人(裁判所の認定は569入)を出した事故で業務上過失致死傷罪に間われていた機関士と専務車掌に対する判決公判が福井地裁で開かれ、無罪となった。

実際には1969年12月6日も青森発大阪行きの日本海で最前部電源車から出火して電源車を焼損で食い止めたという事故がありましたが、この際は機関士の機転で規則を無視したことで事なきを得たのですが、結局この乗務員は重大な規程違反を犯したとして乗務から外されることとなりました。
その後、長大トンネルの場合は速やかに脱出することの有効性が確認され、処分は撤回されています。

前置きが解説になってしまいましたが、お読みいただければ幸いです。

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国鉄があった時代 JNR-era



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引用元 第093回国会 運輸委員会 第2号

   午後一時一分開会
   〔理事桑名義治君委員長席に着く〕

○理事(桑名義治君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、運輸事情等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

○目黒今朝次郎君 大臣にちょっとお伺いしますが、私も三年ぶりぐらいで運輸委員会に帰ってまいりましたので、国鉄再建論争あるいは羽田論争、いろいろあるわけですが、少し形式的になるかもしれませんが、前の石田運輸大臣、あるいは田村運輸大臣とか、福永運輸大臣、こういう各大臣と、国鉄論争とか総合交通政策で、この委員会で十分私も議論した数々の記録があるわけでありますが、そういうことについては、大臣としてはいままでの国会における委員会の答弁というものについてはこれを尊重し、確認して行う、こういうことについて、冒頭でありますから大臣の見解を聞いておきたいと、こう思うんです。

○国務大臣(塩川正十郎君) これはもう政府の施策というものは継続性を持っております。当然私といたしましても、前、元大臣がとられました政策並びに発言に対しましては、あくまでも責任があるものと思うております。

○目黒今朝次郎君 ありがとうございます。
 国鉄に関する問題等についてはいま衆議院でやられておりますから、その際に十分また論議するとして、きょうは当面の懸案事項について数多く見解を聞きたいと思いますから、私も簡単に質問しますから、答弁の方も簡単に結論だけお願いしたいと思います。
 まず第一点、安全にかかわる問題二、三お伺いいたします。
 一つは、北陸トンネル事故の問題については、発生当時私もこの問題を取り上げて当時の運輸大臣、国鉄総裁と大分やったわけでありますが、抜てき二号昇給というのは国鉄職員としては大変なおほめの措置だと思っておったわけであります。ところが、一九七四年の十二月の二十七日、これが裁判にかけられまして、以来六年間、大分法廷で争われてまいりました。で、一応結審になりまして、十一月の二十四、五日と言われておりますが、判決が出ると報道されております。
 それで、国鉄総裁にお伺いしますが、北陸トンネル事故の辻機関士の問題については、職員として尽くすべき点は全力を尽くしてやったんだ。したがって、自分の生命をかけてやったその措置について、二号俸の抜てき措置をしたんだと。そういう立場で、起訴されても国鉄側としては辻機関士を守ると、こういう精神で戦っていくと、取り組んでいくと、こういうことを表明されておるわけであります。今日結審になって禁固二カ月という求刑がされておるわけでありますが、今日の時点でもそういう気持ちが変わりがないかどうか見解を聞きたいと、こう思います。

○説明員(高木文雄君) お説のとおりでございまして、私どもも辻運転手のことについては、あくまでりっぱな行動であったということを考えておりますので、そういうことを前提として今後対処してまいりたいと思っております。
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