blackalisuの小説の部屋

現在連載中、「落ちこぼれ魔法使いの恋愛事情」 「俺、異世界で童貞卒業します!!」その他、夢小説や短編なども

episode.15 夢

2016-12-24 14:17:35 | 落ちまほ過去編
アンナside






どうか、夢であって欲しい。



あるいは、人違い。





まさか………
新しいご主人が昔、私を監禁した博士の助手とか……


……マリー・アンドーラとか…。







「………今日、新しいメイドがつくって話があったのですが…。」






「………奇遇ですねぇ〜。
実は私、今日新しいご主人に仕えることになったんですよぉー。」










………マジか。
本気と書いて、マジと読むやつか、コレ。





二人の間に気まずい空気が流れる。










「……ごめんなさいっ!」








先に口を開いたのは、マリー・アンドーラの方だった。

急に謝られて私も訳がわからない。







「………昔のこと、忘れろなんて言わない。
私は、あなたのことを見捨ててしまった。
あなたを"モルモット2号"と呼び、欲望のままにあなたを実験対象としてしまった……。
本当に……ごめんなさい。」










「………あ〜、あんまり昔のことをほじくり返さないでくださいよぉー?
……イライラしますからねぇ〜。」






私の殺気を感じたのか、マリー・アンドーラは怯んだ。







「………それに、今はアンナ・ピアルっていう名前がありますしぃー?
そっちで呼んでくださいねぇ〜、ご主人様?」







「………あ……はい…。」







私は、空気が悪くなってしまったこともあったため、ティーセットを持って来ようと、マリー・アンドーラの部屋を無言で出た。














***








ロゼスside








「……アンナをマリー・アンドーラの専属メイドにして、大丈夫なの?」










ティナがオレにそう言った。



アンナをマリー・アンドーラの専属メイドにしたのは、紛れもないオレ。






………少し、時は遡る。










✼✼







オレは、マリー・アンドーラが入院している病院に来ていた。


病室の前、ノックをすると中で何やら騒ぎがあったらしかった。

オレは、急いで中に入った。









「__お願いしますっ!
私に……私にっ!触れないでください!!」









点滴をしようと、看護師達はマリー・アンドーラを必死に押さえつけている。





………きっと、トラウマだろう。





あんなことがあったのだ。
トーラ博士に様々な人体実験をさせられた。
もう、触れられることさえ苦痛になってしまった。



研究所からたくさんの資料を押収したが、その中にマリー・アンドーラの実験についても書かれていた。

………酷いものだった。


彼女は、不老不死だから何度でも生き返ってしまう。


だから、何度も殺された。









看護師は、睡眠薬を無理矢理彼女に飲ませ、落ち着かせていた。
彼女は、パタリとベッドに倒れ込んだ。











こりぁ、精神科行きかもね、と看護師達が去り際に呟いた。














✲✲







マリーside







私は、"また"夢を見ていた。






薄暗い、真っ赤な部屋。

手、足、首に繋がれた鎖。

頑丈な鉄格子。

鉄の匂い。




鳴り響く……チェンソーの音。






返り血のついた白衣をまとった、奴が近づいてくる。








やめて…!来ないで…!






声すら届かない。





奴が、チェンソーを振り上げる。



私は、目を閉じる。



………まだ生きている。




私は、ゆっくり目を開ける。







奴は、殺された。
ライト神が奴を殺してくれた。



__ああ、ライト神
助けてくれた。


やっぱり、好き。









「___マリー・ア……ド…ラ。」







なんということ。
ライト神が私の名前を呼んでくれている。

もっと呼んで欲しい。

あなたの声が聞きたい!






さぁ___










「…マリー・アンドーラ!」









ハッ、と私は我に返った。
………また眠らされたのか。


そんなことは、どうでもいい。
今、重要なのは目の前の人。

確か、研究所で助けてくれたんだっけ。






「………だいぶうなされていたけど、大丈夫?」









………最悪だ。
うなされている所を見られた。








「………大丈夫です。
大丈夫なので、もう帰っていただけないでしょうか。
…人間の顔は見たくすらありません。」









「………そっか。ごめん。
もし、調子が良くなったらこの住所に来てくれないかな。このカードも持って。」








そう言って、彼は私の部屋から出ていった。






私は、手渡された紙切れとカードを見つめた。

紙切れの隅に小さく、
"早く元気になるといいね"
と書かれていた。






初めて、人間の優しさに触れたのかもしれない。


私は、もう一度人間を信じてみようという気になった。















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