blackalisuの小説の部屋

現在連載中、「落ちこぼれ魔法使いの恋愛事情」 「俺、異世界で童貞卒業します!!」その他、夢小説や短編なども

episode.16 賭

2016-12-24 21:12:31 | 落ちまほ過去編
マリーside






私は、人間と普通に会話が出来るようになった。
それに関しては、あの人のおかげかもしれない。






行く宛もなかったので、あの人が言っていた住所に向かった。



………なんだか、あの大きなお城に向かっていっていないか…?






予想的中。
この住所は、あそこの大きなお城らしい。


あの人……何者??







私は、門番にカードを提示すると快く門を開いてくれた。


よくわからないが、城の案内人が来て私にこう言った。







「お待ちしておりました、マリー・アンドーラ様。
ロゼス様のもとまで案内させていただきます。」







ロゼス、というのはあの人のことだろうか。
様付されているということは、相当身分が高い人なのだろう。




私は、案内人に従ってついていく。


ついたのは、書斎。

案内人は、ノックし確認すると扉を開け、私を誘導した。




中に入ると、あの人が忙しそうに書類に目を通していた。

じっと眺めていると、やっと私の視線に気づいたらしい。









「マリーさん!来てくれたんだ!
あ……ちょっと待ってて!」









「……いえ、忙しそうなので、帰ります。」










「大丈夫、大丈夫!……あとはここに判子っと…。よし、出来た。
そこに座ってくれないかな。」








……見た感じ、積み上がっている書類は数100枚ほど。
全然出来ていないと思う。


私達は、向かい合って座っている。


単刀直入に私は聞いた。







「………あなたは一体、何者なんでしょうか。
それと、ここに呼んだ理由はなんとなくわかっています。
牢屋にぶち込んで貰っても構いませんので、どうか罪を償わせて__」







「ちょ、ちょっとストップ!!」







早口すぎたのだろうか。
うまく伝わっていないのか。







「…あのさ、いやとりあえず。
オレは、ロゼス・フィーナというの者です…。一応……この国の国王やってます。」








……なるほど。納得がいった。
彼は、国王だったのか。
……って、私はそんなすごい人に助けられたのか!?









「……あの事件、世間には公開していないんだ。
もしかして、裁かれるとか思っていたらそれは間違いだ。
君は、紛れもない被害者。
そして、謝らなければいけないのはオレの方。
………親父がとんでもないことをあなたにしてしまった。本当に申し訳ない。」







綺麗なお辞儀。

トーラ博士の息子だったのか…。
それは、世間には公開できない。


あんなに酷いことをした父親なのに、なぜそこまで代わりに謝ってあげられるのか。

やはり、彼は国王の器があるな、そう素直に思った。







「………もう大丈夫です。
私の一生のうちで、国王に頭を下げられたことに誇りを持って生きるので。」









私が冗談めかして言うと、彼は頭を上げて朗らかに笑った。
太陽みたいな人だ。









「………ここに呼んだのは、ちょっとした頼みがあって。
実は、この城の研究員達に君の知識を教えて欲しいんだ。
飽きたら、この城を勝手に出ていってもいいからさ。」







「構いません。」








私は、即答した。
彼の力になりたいと思った。










「そっか。ありがとう。
部屋は、案内人についていって。
それと……本当にどうでもいいんだけど…」








「…なんでしょう。」









「………教師、似合うと思うなぁ。
研究に没頭する人生も悪くないと思うけど、子供達と笑いあっている君はもっと素敵だろうね。
……って、ごめん!やっぱりなんでもない!!」









この人……危ない。
ナチュラルに口説いてる。

危うく好きになりそうだった。
……でも、私にはもう…あの方しか見えない。














***







ロゼスside





オレは、マリーをこの城に連れてくることに成功した。


1週間も経ち、慣れてきたことだろう。







「……ちょっと、私の話聞いてた?」







「…ん?ああ、ごめん、ティナ。
マリーがここにきた時のことを思い出していたんだ。

えっーと、どうしてアンナをマリーの専属メイドにしたか、だっけ。
それは、お互いなんとなくわだかまりがあるからだ。
腹を割って話してくれるといいんだけど……。」









「……ロゼスの賭け、か。
良い方向に転がるといいわね。」






逆に喧嘩ばっかりしちゃうかもね、とティナが余計な一言を付け足した。



オレ達は、笑いあっていた。









閉め切っていたはずの窓から、暖かな風が吹いてきたのを感じた。


オレは、後ろを振り返った。







「……"世界のヒーロー"であるライト神が、不法侵入とはどういう了見かな…?」








テレビでしか見たことない、あのライト神がオレ達の前に現れた。














ジャンル:
小説
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