blackalisuの小説の部屋

現在連載中、「落ちこぼれ魔法使いの恋愛事情」 「俺、異世界で童貞卒業します!!」その他、夢小説や短編なども

episode.8 憎

2016-12-20 22:43:30 | 落ちまほ過去編
ライトside





今日は、なかなか楽しかった。


俺を崇める人間は、腐るほどいるが、殺そうとした奴は初めての経験だったのかも知れない。


まぁ……人間は、弱すぎる。







マリー・アンドーラが言っていた、監禁されている女性を見たいと思った俺は、この研究所を立ち去る前に無断で行くことにした。


トーラ博士とかいう奴は、あの場に残して来た。

奴は、ずっと放心状態で動かなかった。






それはさておき、人の気配を感じられる扉の前に立った。



一応、ノックしたが、返事がなかったので、そのまま入ることにした。












***








これは……トーラ博士の趣味か?



檻とか鎖とか……。



まぁ、そんなことはどうでもいい。


モルモット2号と呼ばれていた、この女性。




……ふむ。気は強そうな感じはするが、もはや生気を感じられない。



かろうじて息はしているが、心はもう死んでいる感じか。






俺は、この檻も鎖も全部ぶっ壊して、この女性を自由にしてあげることが出来る。




だが、俺はそんなことをする気がさらさらなかった。












✲✲✲








アンナside







一体、何なのだろうか、この人は。


やけに整った顔をしている。





彼なら……私を……







「………タ……タスケテ……?」






私は、言葉を知らない。
話すことが出来ない。
幼いころから監禁され、教養がないのだ。

でも、手探り手探りで言葉を繋ぐ。



タスケテホシイ…。












「嫌だね。」







その言葉の意味をはっきりとは分からなかったが、多分……拒絶されている。








「……どうして?、って言っているような顔だね。
悪いけど……ハーフとか、中途半端な奴は嫌いなのさ。」









…ハーフ?
確か私は前に、人間と神のハーフと言われた気がする。








「__まぁ、せいぜいあがいてみなよ。
"落ちこぼれ"








"落ちこぼれ"




意味なんか、全然知らない。


でも、何故だろうか。



私の胸に深く突き刺さった。





それっきり、彼は体の向きを180度回転させて、去っていった。










………なんだ、この感情。


私は、初めて涙を流した。


クヤシイ、クヤシイ、クヤシイ、クヤシイ、クヤシイ、クヤシイ、クヤシイ!!




もしかしたら、私は彼をトーラ博士よりも嫌いかも知れない。




また、助けてくれなかった。


鳥籠の外へ羽ばたけなかった。






……憎い。

私は、彼をコロシタイ。


次、会ったら必ず。














***






トーラside





震えが止まらない。






圧倒的な神の実力差を見せつけられたことでもあるが、
マリー君が純血の神だったことに驚きを隠せない。






恐怖と高揚感。







マリー君は、まだ寝ている。

ライト神は、いつの間にか居なくなっていた。






ワタシは、モルモット2号の隣の部屋まで、マリー君を引きずった。





そして檻に入れ、首、手、足に鎖を繋いだ。





懐から、注射器を取り出し、マリー君の肌に針を差し込む。








「………ッ!?」






痛さに目が覚めたらしい。
マリー君は、目覚め状況がわからないまま、黙っている。








「………な、何を!?」








「………君、純血の神様だったんだな。」







マリー君が体をこわばらせる。
丁度、血も抜き終わった。







「どこでそれを!?」







「……ライト神が言っていた。
……イヒヒッ!!純血の神は、不老不死なんだろ!?
楽しい人体実験の始まりだ!…イヒヒ!」









……マリー君の顔が、恐怖を示していた。




罪悪感?
そんなものはない。

ワタシを不老にしてくれたことには感謝しているが、ワタシは神を目指す。

たとえ……何を犠牲にしても!





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