blackalisuの小説の部屋

現在連載中、「落ちこぼれ魔法使いの恋愛事情」 「俺、異世界で童貞卒業します!!」その他、夢小説や短編なども

episode.7 差

2016-12-20 17:56:39 | 落ちまほ過去編
トーラside





……イヒヒ。
そろそろ、だろう。








ワタシは、ライト神の話を聞いてから、無性に神の純血が欲しくなった。


もちろん、神の純血を持っているのは、ライト神。


モルモット2号は混合血だし、マリー君は人間。
絶対にダメだ。





ワタシは、昔、対神用魔法道具を開発していた。
とは言っても、全て未完成品で実際に使ってみないとわからない。


その中で、"神が眠くなるガス"という効果のある魔法道具を使うことにした。


そのガスを、談義していた部屋に送り込む。



そうすると、神であるライト神は寝てしまうはずなのだ。






ワタシは、茶を出しにいくという口実を使い、別の部屋からガスを送りこんだ。





………そろそろ、だ。




ライト神は、寝ているはず。


一応、対神用魔法道具である"短刀"を白衣に忍ばせて、二人がいる部屋の扉を開けた。










***










「………ど、どういうことなんだ!?」








ワタシが見ているこの状況。


ライト神は、何の苦もなく悠々と座っていた。

それに対して、マリー君は寝ていた。




……やはり、一度も試したことのない未完成品。
効果は、人間にかかってしまったらしい。





だが、ワタシは諦めない。




ライト神に短刀を突きつけた。






「…………神に刃を突きつけるなんて、いい度胸してるね。」







「……そんなに飄々としていられるのも、今の内だけだ。
……イヒヒ。これは、対神用魔法道具。
お前を殺すことが出来る。」









「………第一の作戦は、失敗かい?
催眠ガスだろう、コレ。
しかも、対神用魔法道具。」








「コレは、未完成品で失敗した。
神であるお前には効いていないし、人間のマリー君が寝ているのが、何よりの証拠だ。」
















「………へぇ。未完成品、ねぇ?」








その言葉には、裏があるように聞こえ、ワタシも訝しげに疑った。







「なかなかいい対神用魔法道具じゃあないかい。
あと、君。なんか勘違いしているだろう。
マリー・アンドーラは………
「知」の純血の神様だ。










ワタシの頭の中が……真っ白になった。




マリー君が、純血の……神様?






「君も薄々わかっていたんじゃないかい?
神について、あそこまで精密に事細かく語れるのは、彼女自身が神だからさ。
しかも、人間と神のハーフを監禁していると聞いた。
普通は、そんなハーフなんかに神は興味ないんだ。
天界にハーフの情報は無に等しいから、「知」の神様は監禁してでも、何でも知りたがるのさ。」








確かに……思う所はあったのかも知れない。

彼女の論文を見た時、天界の様子を想像が出来てしまうほどにリアルだった。






「……まぁ、話は戻るけど、俺が眠らなかった理由は簡単。
生きている年数が、はるかに違うからさ。
経験も信仰も何もかもが圧倒的に違う。」












「80年くらいなら、人間でさえ生きられる!
ワタシは、お前の血をもらう!!」







ワタシは、ライト神の心臓をめがけて短刀を突き刺した。




ライト神が信仰され始めたのは、約80年以上前。


対してワタシは、60歳近い。

20年の差なんて、簡単にうまると思った。






ワタシは、ライト神の心臓をめがけて短刀を突き刺した。










「………はァ。これだから、人間は。
いや、今ハーフになったんだっけ。」







…なんだ、コイツは!?

ワタシの全力の力を、人差し指1本で抑えている。
しかも、指には刃が当たっているのに、血すら出ていない。







「……人間の尺度で、神を語らないでくれないかな?
悪いけど…下界……人間が住んでいる世界で活動し始めたのが80年以上前ってだけで、実際は天界での生活を合わせると、
1万年以上は生きているのさ。」








……極めつけに、彼はこう言った。







「神を見くびるな。」








彼は、詠唱も無しに魔法を使ったらしい。


見えない何かによって、ワタシは壁に打ち付けられ、首を……絞められている。







「……ッ、グワッ!や……めろッ!!」







奴は、笑っていた。
非力なワタシを嘲笑うかのように。


ワタシは、とんでもないものを敵に回してしまったのかも知れない。








「…"世界のヒーロー"がッ………こんなことを…し……ても、いいと思っているのかッッ!?」










「フフッ…。人間の1人や2人を完全に消すことだって可能さ。
それ以前に、女性を監禁している罪深き博士と、"世界のヒーロー"。
世間がどっちの言葉を信じるか、なんて明白だろう?」










息が……苦しい。
ワタシは、不老。
だが、不死ではない。


死んでしまうのか……。




「…ッ!?……ゴホンッ!!」







首に伝わる感覚が消えた。
解放されたのだ。








「………ど、どうして…。」












「…君は、知らないだろう。
一定以上の信仰をされた神が対神用魔法道具に対抗するための防衛本能が、密かに働いているんだ。」









「……バリア、とは違うのか?」








「…違うさ。
心を読めるのさ。悪意を持った人間の。
ここに来る前から、いや、会った瞬間から君は悪意の塊だった。」









「……じゃあ、何でついて来たんだ?」








彼は、少し間を開けると、恐ろしいことを口にした。













「__はじめに言っただろう?
"面白いから"って。」

















背中がゾクリと、嫌な汗が伝った。








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