blackalisuの小説の部屋

現在連載中、「落ちこぼれ魔法使いの恋愛事情」 「俺、異世界で童貞卒業します!!」その他、夢小説や短編なども

【48】親切な人

2017-11-15 22:12:43 | 落ちこぼれ魔法使いの恋愛事情
「あの……?家、間違えてませんか。」



フードの人はこの大樹を家だと言っている。




「まぁ、見ててよ。」




フードの人がそう言うと、なにやら魔法を唱え始めた。




「!?」




突然、大樹が発光している。
この光は……ティアラが暴走した時に放たれた光に似ている気がする。




大樹の一部、ティアラとフードの人の前に空洞が出来た。

どうやら中に入れるらしい。



(………なんだろう。この人…凄い。)





「ようこそ、我が家へ。」



ティアラはずっと抱き抱えられたまま大樹をくぐった。












***





大樹の中は別世界だった。



(……大樹の中とは思えないほど広い!)




「んー。まず、お風呂だね。」


ティアラの身体は、海水によって濡れていたので、お風呂に入りたい気分だった。





お風呂に着いたのか、自動で戸が開いた。


「………わぁ!」



木製のお風呂で、ちゃんと湯船が張っていた。
しかも、広くて豪華だ。





「…それじゃあ、ごゆっくり、ね?」



フードの人は、お風呂場から出て行った。





(…………とても親切で良い人、なんだけどなぁー。)






そう、"親切過ぎる"のだ。

ほぼ初対面の相手にここまで親切にはしないだろう。




ティアラは一抹の不安を残しつつも、フードの人のお言葉に甘えてお風呂に入ることにしたのだった。




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【47】助けてくれたのは

2017-11-15 22:09:54 | 落ちこぼれ魔法使いの恋愛事情
__地面まで残り2m


絶体絶命だった















「__よっと。」


突然、地面の感触ではなく誰かに支えられたような感覚があった。



ティアラは、何が起こっているのかわからず、目を瞑っていた。







「…………フフ。ずっと目を瞑っていると、
__キス、しちゃうよ?」





勢いよく目を開けた

そのまま目をぱちくりさせた。


そして、助けてくれた人物を見る。




(………この人…勉強合宿の時のフードの人だ…!)





「……えっと、その…あなたは……?
…あっ、ごめんなさいっ!
助けてくれてありがとうございます!!
重いと思うので、降ろして下さい……。」




「…………急に天使が降って来るから、びっくりしたよ。
…いいよ。俺の方が感謝したい気持ちだから。」





「…て、天使…??」




そう言って、フードの人はにこやかに笑った。
顔はフードに隠れていて見えないが、形の良い唇が弧を描いた。
ティアラを降ろす気はさらさらないようだ。


ティアラにとってみれば、水着の上にパーカーと半ズボンを履いているのだが
普段と違って露出が高く、そして男に姫抱きにされて距離が近いため、恥ずかしい思いをしていた。



「…………あのー」


「…おや?身体が濡れているようだね?
何があったんだい?」








「……海で泳いでいたら、急に天気が悪くなって……
それで、流されてここまで着いたんです。」




「……ふぅん…。やっぱり運命というやつか?」







フードの人が何かぼそぼそと呟いていたが、ティアラにはよく聞こえなかった。




「…うん!君……いや"ティアラ"がここに来た理由は、多分俺のせいだ。
だから、今日はひとまず俺の''家"に来ないかい?」





(………なんで私の名前を…。)






「まぁ、暗いし別にいいよね。
夜はこの森、何出るかわからないし。
とりあえず、我が"家"にようこそ!」






そして、フードの人が指差したのは、
ティアラが落下した


__大樹だった
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【46】落下

2017-11-15 21:58:09 | 落ちこぼれ魔法使いの恋愛事情
食料を求め、ティアラは大樹に向かった。





「…やっぱり大きい。」

大樹は近くで見ると、迫力がある。








(私………飛べるかなぁ…。)


以前、暴走して地面に直径10m以上の大きな穴を空けたことがあった。






(………背に腹は変えられないよね…。)




そう決意したティアラは箒を出し、またがった。




(…………いけっ!)







ゆっくりと上昇していくティアラ。
しかし大樹は60mくらいあるので、チコルの実まで、まだまだたどり着かない。






***





やっと大樹の頂上付近に辿り着いた。
チコルの実を見つけ、なんとか入手した。





(後は、戻るだけ…って、うわっ!!?)




急に突風が吹いた。
バランスを崩したティアラは、箒と共に落下していく。







(あ……コレは、本当にマズイかも)




前に穴を空けた時は、しっかりバランスがとれていたが、今回は箒を握っているだけで股がっていないので、このままいくと怪我または死亡する可能性があった。











__地面まで残り10m





(…………どうしよう…!)





__5m

__3m






(…………母上…。ごめんなさい…。)






ティアラはこれまでの人生の歩みを思い返していた。













_____残り2m
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【45】漂流先は

2017-11-15 21:49:57 | 落ちこぼれ魔法使いの恋愛事情
ザァーン、ザァーン…










波打つ音が聞こえる。
ティアラはぐったりと海岸に倒れていた




「…………ここは……。」




どうやらどこかに漂流したらしい



しばらくぼーっとしていると、状況を把握した。




(えっと……。
水泳対決してたら急に天気が悪くなって、波に流されて、この島に着いたって訳か。)





ティアラは立ち上がると異変に気付く




「………ない!?」




ティアラの頭の上にあるはずの物が、なくなっていた。





(………ウィッグ……外れちゃった!)



ティアラの美しい金の髪が風に揺れた。
どうやら激しい荒波に耐え切れなかったらしい






(……でも、今は髪どころじゃないな。
早く帰らないとっ!)





しかしすぐには助けが来るはずがないので、島の探索をすることにした。















***







「…………あっ!!」





海岸からしばらく歩き、着いた場所は見覚えのある洞窟だった。





(……ここ…リーヌ洞窟だ…。
前に勉強合宿で訪れたし…。)




ティアラは辺りを見回すと、大きな大樹が見えた。
つまりここは__







「"迷いの森"」







迷いの森とは、以前ティアラ達が勉強合宿で訪れた場所である。

ちなみに、なぜここで勉強合宿を毎年行っているのかというと
魔力を安定して供給できるからだ。

魔力を使いすぎると魔力不足になり、気を失ってしまう可能性がある。
安定して供給できる理由は、未だにわかっていない。






(………迷いの森はアルタリア王国から少し離れた所にある島だったから、それほど遠くに流されていなくて良かった……。
でも、助けが来るかなぁ。
勉強合宿の時は、船で行ったしなぁー。)





ティアラは、いわゆる"無人島"に漂流してしまった。








「………お腹空いた。」




空は暗くなりかけていた。


(食料は……あっ!
チコルの実にしよう!)





チコルの実とは、大樹になっている実だ。
一応、食べられる。
ただし味の保証は出来ない。








ティアラは大樹へ向かった
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【44】赤く染まる海

2017-11-13 17:37:28 | 落ちこぼれ魔法使いの恋愛事情
水泳対決は今、チェルシーとブルーノで争っている。




チェルシーは、そんなに速く泳げないらしく、じわじわとブルーノに追いつかれて来た。







「ブルーノ君ー!!チェルシーを追い越さないと、後で痛い目を見ますよー!!」





アンナがブルーノに向かってそう叫んだ。





直後、ブルーノは一気に加速し、折り返し地点の旗まで泳いだ。








しかし、アンナに恐れたブルーノは何も考えていなかった。





___折り返して来たチェルシーと衝突してしまうことに。






案の定、ブルーノはチェルシーと衝突した





「「……………。」」



今、チェルシーはブルーノに覆い被さっている。
しかも、ブルーノの顔にはチェルシーの(小さな)胸が、完全に当たっていた。






「__キァァァァァ!?!?」





チェルシーはブルーノをビンタした。

突如、ブルーノの周りの海が赤く染まった。
ビンタの衝撃で鼻血が出たのか、チェルシーの(小さな)胸で鼻血が出たのかわからない。




チェルシーは光の速さで海岸まで泳ぎ切った。






チェルシー→ティアラ(ティーザ)




「…うぅ。グスン。」


ティアラの後ろの方で、涙をすするチェルシーがいた。




(………ご愁傷様です…。
それよりも、私はパーカー着てるし、ウィッグ被ってるし。泳げないなぁー。)



「……?ティーザさん??
水着になって泳がないの?」




「えっと……その_」


「__実は!ティーザ君は肌が弱いんですよ~。それで、"パーカー型の水着"なんです。」





「………そう…なんだ。」





(……パーカー型の水着。
アンナ、ナイスフォロー!)




とりあえず、ウィッグも簡単に取れないと思い、ティアラは泳ぎ始めた。





ティアラの泳ぐスピードは、チェルシーよりも遅い。



ブルーノは強制的に回収された。





ブルーノ(回収)→シャディー







シャディーがティアラを追い越しにかかる。

シャディーは、泳ぐのが得意なのか、ティアラを追い越すまであと数メートルだった。



(………おかしいなぁー。あんなに差があったのに……。)








先にティアラが、折り返しをした所で異変が起きた。


「…………ぇ…。」




空がどんどん曇り、波も荒波に変わってきている。


(アレ?天気は、一日中晴れだったと予報してたけど……?)





どんどん高波に変わり、ティアラは徐々に流されていく。



「………わっ!」




少々、海水を飲んでしまった。
少し血の味がした気がしたが、気にしなかった。





「掴まれッッ!!」




シャディーが、手を差しのべてくれた。

しかし、波はティアラを遠くへと追いやろうとしている。
体の自由がきかなくなった。





「………ティアラッ!」







遠ざかる意識の中で、そう聞こえた気がした。
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