いまさら韓ドラ!

韓国ドラマの感想をネタバレしながら書いています。旧作メイン

【無韓系】「スノーピアサー」観たよ

2016年10月14日 | 無韓系日記
これは【無韓系】なのかどうか。
なにせポン・ジュノ監督作品。
そしてソン・ガンホ。

いや、韓国映画って言っていいだろう!

一応、原作は存在しており、フランスのバンド・デシネ(平たく言えば漫画です)

だけど中身は韓国映画だよね~。
いや、わたしもそんなに数を観ていませんけれども。

・跳び蹴り
・主人公を巡る因果
・華麗なる殺戮

もうこれだけで監督ありがとうございましたと平伏する次第。
ツッコミどころ満載?

知らんがな。

人類をのせて延々地球を回り続ける特急列車って最初の設定を
飲み込めなきゃどこ観たってツッコむとこしかないでしょうこんなの。

わたしはもう全然オッケーですんで!
面白かったです!

正直、最後の扉が開いてからが長すぎるよな~という気はしますが……。
カーティスの大詰めだからね。
いいよ、長すぎても。しょうがないや。

ソン・ガンホの次に超絶お気にいりになったグレイの役者さんを調べたら、
ドラマ「マスケティアーズ」のダルタニヤンでした!

ダルタニヤ~ン!

ドラマですごく好きだったので、自分の審美眼というか、
嗜好の確かさに納得したというか、
でも自分の中でソン・ガンホとルーク・パスカリーノが並ぶ価値観ってどうなの?と
自問自答したというか、
とにかく「好きな男性のタイプは?」って聞かれて何にも答えられないわ、
と再確認しました。

もう若くないからそんなこと聞かれる機会もほぼないけどな。

【あらすじ】

地球温暖化を防ごうと散布したクスリによって、世界は一瞬にして氷河期に突入し、
動植物は死に絶えた。
地球上に残された生物は、世界を一周するスノーピアサーに乗り込んだ乗客のみ。
彼らは半永久エンジンを搭載する超長距離列車の中で階級社会を形作っていた。
先頭車両に乗るのは、この列車を開発したウィルフォード。
最後尾には、最下層の人々が劣悪な環境で日々をしのいでいた。
抑圧された民衆は何度もクーデターを試みるが、すべて失敗に終わっている。
最後の望みは、次のリーダーと目されるカーティスの身に託されていた。
彼らの反乱は成功するのか?


と、いうわけで、いろいろ印象に残った登場人物を中心に感想をメモっておきます。

ギリアムについて

最後の最後でこの人がウィルフォードとツーツーで、
人口調整のためにわざと革命を起こさせてたという真相がウィルフォードの口から
明かされるのですが、
それを聞いているカーティスがグルグルしているのが手に取るようにわかるのは、
わたしもギリアムのことを信じたい気持ちがものすごくあったからです。

だってギリアムは、
「ウィルフォードに話すヒマを与えるな。舌を切れ」って言ったよ?

わたしがやってきたことを知るな。
お前はお前の革命を果たせ。

そういうことでしょ?

最終的にギリアムはカーティスの心情に寄り添ったんだもん。

世界システムの無理くり感なんか全然感じないどころか、
わたしゃギリアムの思想が不思議でしょうがねぇわ。

だってこの人にぜんぜん得ないんだけど?
最下層の列車に居つづけて、
暴徒化する人々を沈静化するために自らの腕を切り落とし、
なんかいい目みたか?この老人。

あの総理女史と同じでウィルフォードを神格化して
その思想に共鳴して協力していたか、
世界を裏で操るという中ニ病的権力嗜好があったのか、
自分なりの正義を貫いていたのか、
そのへん定かではありませんが、
実利益がまったくないもんね。

ギリアム……あんたは何を思って生き、
最後にカーティスに何を託したのか……。

カーティスはもちろん主人公だけど、
いろいろおはなししてくれてわかりやすいっちゃわかりやすい青年で、
どっちかというと今はギリアムのことを知りたいよ。

とはいえ、何を思っていたのか……と、ほんのり想像するくらいの塩梅がちょうどいいわけで。
ここ突き詰めてこの映画理解した気分になってもしょうがないというか、
そこがこの映画の楽しみどころじゃ全然ないと思うので、
こんな感じのふんわり着地でいいと思ってます。
ありがとうおじいちゃん。

カーティスの因果

どーして彼がリーダーになりたがらないのか?っていうのは、
なんか自信ないのかな……ぐらいに思っており、
エドガーを見殺しにする選択をした時点で彼が真のリーダ-として目覚めたのね、
なーんて呑気に観ていたのですが、
彼の因果を知って驚愕。

エドガーを見捨てた時の心情を考えると、ここでブルッと来ますよねぇ。

上手いのは、その直前に部下を見捨てる総理女史のシーンを入れてるところですな。
あの対比でフツーに観ちゃうじゃないですが。
自分以外は大事じゃない自己保身しか考えていない女史が、さっさと部下を見捨てる。
カーティスには葛藤があって、それでもエドガーを見捨てることを選んだんだ……
だって彼はリーダーで、革命をなんとしても成功させる強い意志があったんだもん……ぐすん
とかフツーに観てたら、実はもっと根深い因果がそこにあったというね。

よくあるパターンで魅せておいて、さらにその上をゆくってとこが策士ですなぁ、監督。

実はさー、あのプロテインバーは人肉なんじゃないかと思ってたんだよね。
死んだ人間の肉。
昔「ソイレントグリーン」という映画があって、それの印象が強烈だったんで。
そういうところで自給自足なのか、と。
でもよく考えたらそんなに毎日人間死なんわな。

ただ、それって確実に頭から離れなくて、
カーティスが赤子を喰った事実を聞いてから、
ウィルフォードが喰ってるステーキが子どもたちの肉なんじゃないか、と心配で心配で。

取りこまれそうになったカーティスが、ステーキを一口食べてペッと吐き出して、
「これは人間の肉だ!」って叫んで正気を取り戻すのかと思ってました。
それやっちゃうとパク・チャヌクの映画になっちゃうのか、
子どもたちはヨナの不思議な力で居場所が明らかになるという展開でしたね。

切り落とせなかった自分の腕を子どもたちのために捧げることがようやくできて、
カーティスは罪をあがない、安らかな気持ちで子どもたちを守って死ぬことができたようです。
よかったよかった。
でもこのカタルシスってすごく西洋的って感じがしたなぁ。

ナム・グンミン(ガンホあにぃ)が表した父性とはまた違った感覚だった気がする。

ナム・グンミンの過去

牢獄とか言って死体安置所みたいな場所に押し込められていたナム・グンミンは
いったいどうやって生きてんだよ、おい、という不思議はともかく、
この親子すごい好き。

ブツブツとつぶやく韓国語がまたいいんだなぁ~。
ちゃんと語尾には「セッキ」がついてて、まぁファッキンみたいな罵りなんですけど、
日本語だったら「クソが!」みたいなニュアンス。
どうしてあんなジャガイモみたいな顔のおっさんが好きすぎちゃうのか、自分でも不思議です。

罪悪感を抱えて鬼気迫る表情で先頭車両に突き進むカーティスの傍らで、
ほいほいとドラッグを拾い集め、娘だけは死なせるもんかと守り抜き、
大義名分なんかいらん、と、見ようによっては自分たちだけが良けりゃいいやと
同行するふたりが好きだ。

この父娘がいないと、やっぱ映画的にドラマが単調になるよね。
どんなにおもろい車両があっても電車だもん。一本道だしさぁ。

「外で生活できるはず!」って出て行ったイヌイット(エスキモーって言ってた)の女性は、
たぶんヨナの母親なんだと思う。

「俺たちは別の扉を開けてぇんだ」という自由さ。
ものすっごいバイタリティを感じる。

最後の最後に子どもたちを抱きしめたナムとカーティス。
すごい男たちだよねぇ。
仰々しくないところがナム・グンミンの凄み。
ちっ、しゃあねぇな、って感じがすごく好き。

ドラッグを吸うためだけに集めてたんじゃねぇ!ってとこも好き。
そりゃ爆破物を作るために集めてたんだけど、
でもやっぱ吸うんじゃん。
その緩さが好きだ。

タバコはマールボロ。
世界で最後のタバコはアメリカタバコかぁ。
あのシーンは最高にカッコイイ。
ブックマッチっていいよね。

ソン・ガンホが出ている「グッド・バッド・ウィアード」という映画で、
冒頭に列車強盗のシーンがあるんですよ。
彼が人々をバンバン殺しながら機関車の先頭を目指して車内を進んでいくという。
今回ガンホさんは扉を開けるだけで先頭に立ったりしないんですが、
なんかふわっとアレを思いだしてしまった。

グレイのこと

もうっ!彼は最高っ!
デカいえものをふりまわす大男を瞬殺した時点で惚れずにはいられないよね。
美しき野獣って感じ。
「降伏か、死か」のタトゥーも演出過剰な気もするけど好きっ。
イタリア系美男、恐るべし。

そして死んでゆく時の本当に美しくて哀しそうな横顔……。
名前はグレイハウンド(猟犬)から由来しているような気がする。

もっと彼の戦闘シーン観たかったな。

総理女史のこと

あの女、ほんとに狂信者で怖い。
でも自分だけは生き残りたいってとこがゲスくていい。
プロテインバーをむしゃりと食べるシーンはちょっと面白かった。

自分でも不気味だな、と思ったのが、入れ歯を外すシーン。
「わたしを信じて。生きたいの」と言ってあの前歯をパカリと外すんですけどねぇ。
あれ、何のメッセージ?
老人なのよ、いたわって、といいたいわけ?
それよりさぁ、なんか老女の性的奉仕のイメージがぶわっと来ちゃったんだけど。

それもこれも昔読んだ書物で最高の口中奉仕は歯茎での尺八というくだりがあったせいです。
何で読んだのかは覚えてないが……。

なりふりかまわず生きたいと願う老醜の表現かと思いますが、
監督の思惑がなんにせよ、わたしの脳内にはすっごく醜悪でグロテスクに映ったので大成功です。

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けっこう批判的というか、面白くなかった!っていう感想も読みました。
でもなんていうか、みんな「自分が想像してたのと違った」という感じだったのかな。
SFだと期待してたら、あんまり世界観びっちり作り込んでなかった、とかさぁ。
ポン・ジュノ作品だと思って期待してたらテイスト違った、とか。

チャーリーとチョコレート工場だったら許すのにスノーピアサーじゃだめなのかよ?

わたしは好きな映画だったので、全然いいんですけどね。

がっかり派のみなさんの感想を読んで、自分の体験を思いだしました。
「レオン」観て好きだったのでリュック・ベンソン監督作品だ、わーいって
「フィフスエレメント」観たらがっかりした感じ。
みんなあんな気持ちだったのかな……って。
違う?違うかな~、う~ん……。

確かに、監獄に入ってたナムがなんで毎年飛行機観てるのかとか、
一周しただけじゃ「アレ?何?」みたいなとこもあるんだけど、
まぁまたゆっくり観てみますよ。

実はパク・チャヌク監督の「イノセントガーデン」もまだ観てないんだけど、
自分がどういう感想を書くことになるのか、ちょっと楽しみです。

なんか……感想ブログ巡っててだんだんさみしくなってきたんだけど、
ほんと映画の好みや楽しみは人それぞれなので……。

わたしは好きですよ!

※ 宮藤官九郎さんとポン・ジュノ監督の対談とはいえスノーピアサーが話の主題ではない。
※ わたしがすごく好きな映画ブログ 「三角締めでつかまえて」カミヤマさんのレビュー 
※ まぁ、うん、そうだよね……と感じる厳しいレビュー 「韓国映画☆サテライツ!(β版)」さるすべりさん

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