しばらくの間、ベニヤやコンパネといった建築資材が著しく不足した。
ふだん邪魔者にされていたハズの単一乾電池までもが一時、きれいに姿を消した。
タバコも品薄で仕方なく外国産タバコを吸っているが、旨くない上にガンガン吸っているから喉まで痛くなる始末。 しまいには外国産タバコも品薄になりつつある。
他にもたくさんあるだろうし、うまれてくるだろう。
震災以後の『特需』ってやつ。
思えば戦後、驚異的な復興を遂げた日本。
戦争に向かわなかったとしたら『経済大国』ではなかったろう。
もっとも、もうそんな時代は陰っているし、それが決していい事とは思わない。
でも先人が汗水たらしてくれたおかげで今がある。
なんとなくだけど、アメリカなんかは争う事で国民の活性が上がっているように見える。
もう時代はだいぶ変わったんだろうけど。
『イージーライダー』は評価された。 だけどそれは一部の人達。
半数くらいはデニスホッパーを吹き飛ばすような連中。
長髪と髭が気に入らないというだけで。
歴史を見ればなんとなくそうなんじゃないかなと思えてくる。
そしてそういう血がながれている人たちが今も国を支えている。
いいさ『自由』が旗印なんだから、ぶっ放される前にぶっ放してやるってのも、いかにもあの国らしい感じだ。
聞いた事もないし、実際、きれい事なんて何1つないんだろうけどさ、西部劇なんかわりと好きでさ、どうせなら「タタタタッ」とか「パンッ」とか、なんか冷たい感じじゃなくて「ドバーン」とかいって煙を吹く銃で撃たれたい。
こっちも「やられた〜」とか「この野郎〜」とか言えそうだから。 冷たいのは無音でさ、そっちの方が現実なんだろうけどさ。
いやいや、違う違う。
雨がしとしと降り続いていて、木々の新芽が瑞々しくて、それを心地よく思いながら車を走らせてたんだわ。
そうしたら大きな木が街には無いことに気が付いた。
せいぜいビルの3階くらいといったところ。
「ああ、なんだかとてもつまらん街に思えてきた」と思った。
でも去年亡くなった職人さん(この人は戦時中、小学生で色んな当時の話を聞かせてくれた)の話を思い出した。「ああそうか、岡山大空襲があって見渡すかぎり焼け野原になったって言っとった」それから一生懸命に街をつくり今の形なんだ。
まだ途中で俺たちの世代に託されつつあるんだと思えた。
戦火に巻き込まれる事なく大きな木々があればどんなだろう。
歴史を身にまとった建物があればどれだけ人の感受性に影響を与えただろう。
この欅並木ももっともっと大きく成長してもっと大きな木陰を作り出すんだ。 きっと。
秋になれば葉っぱが落ちて道路は大変だろうけど、せっせと人間が掃除するんだ。 きっと。
新興住宅地に植えられたかわいい木々達も100年後には大きな木になり暖かく家を包むんだ。 きっと。
そうあるべきなんだ。
そういう街造りをするべきなんだ。
あるべき元の姿は、原始なのかも知れないけれど、絶望していない今はそういうのがいいかな。