かわいいコケ ブログ I'm loving moss!

コケの魅力を広く知ってもらいたくて、情報発信中。
コケ、旅、山が好き。コケとコケにまつわる人やモノの記録です。

水無月の使者②―古寺のアジサイ+α―

2010-06-28 18:07:51 | コケをめぐる旅

▲「海王星」


前回と同じく、場所は鎌倉。


鎌倉には2週連続で来ている。
1回目はコケだったが今回はアジサイを見るため。


この時季はやはりアジサイ見物で大賑わいで、
私たちは混雑を見込んで朝9時すぎには長谷寺へ到着した。



▲朝からこの混みよう。さらに1時間もたつと行列ができ、整理券が配られるほどに。。



入り口で何種ものアジサイの写真が載った「長谷寺オリジナルうちわ」をいただき、
その数を数えてみること27種類。アジサイの種類ってこんなに多いのか。


ぜんぶは見つけることができなかったが、
十分その美しい世界を堪能することができた。



▲「小町」





▲「アナベル」





▲「宵の星」





▲名前わからず。でも勝手に名づけさせてもらえるなら「水彩」。
 なんか水彩画で描いたような紫陽花に見えるので。






▲仲良し地蔵さま(これも勝手に命名してます)






▲以前にも書いたが、鎌倉のお寺にはやたら生えているコバノチョウチンゴケ。



▲こちらも苔庭に定番のウマスギゴケ





長谷寺を出た後は、光則寺→お昼→鶴岡八幡宮→小町通のイワタコーヒーでホットケーキ。
おなかも落ち着いたところで、最後に杉本寺でシメ。




▲鶴岡八幡宮。倒れたと聞いてずっと気になっていた大イチョウはいまこんな姿に。
 もともと生えていた場所のよこっちょに移植されています。さらにその横にはイチョウへの応援看板が。





▲イワタコーヒー名物のホットケーキ。友人と半分こしてちょうどいいボリューム。
 おいしいことはもちろん、なによりお店の人のサービスがいき届いていて、行列ができる意味がわかった。




杉本寺は駅からちょっと距離があるせいか、
いつ行ってもすいていて、私の中では穴場的存在。

有名な階段のコケもほどよい湿気を含んで緑が美しかった。




▲杉本寺のコケ階段。建立は8世紀、奈良時代の行基によるもの。





▲階段に生えていたコバノチョウチンゴケとキノコ(マッチ棒くらいの大きさ)。

水無月の使者①―キノコの群生―

2010-06-27 13:04:33 | コケをめぐる旅

▲鎌倉・長谷寺。枝垂桜の足元にて。



最近コケを探していてよく出会うのが、キノコ。

先週、友だちと鎌倉へ行った際にも、
コケの上で、キノコが花盛り。


キノコは春・夏・秋と、種類によって
生えやすいシーズンがあるが(これはコケも同じ)、
いまは夏のキノコが勢力拡大中。


とくに雨上がりの地面を見ると、
昨日まで何もなかったところに、
これからまさに傘を広げんとする
若々しいキノコが生えていたりする。






私はキノコに詳しくないので、
分類や名前はほとんどわからないが、
コケ探しをしていて偶然、
キノコにも出会うと、
ちょっとラッキーな気分になる。

これはコケ好きの人には
けっこう多いんじゃないかな。


スナゴケのふかふかマットの上で
無邪気になわばりを広げるキノコたち。

あまりに密集しているので、
おとぎ話に出てくるキノコ型のおうちを思い出した。




▲こっちは色がちょっと濃いめ。「きのこの山」にも見える!?

モスカード vol.2

2010-06-23 12:55:01 | 文系女子のコケ目線

▲コケにおおわれた森の中でくらす動物たちをイメージ。



今日の東京は地面を
打ち付けるような激しい雨模様。

でも梅雨は梅雨らしく
しっかり雨が降ってくれると
ちょっとほっとする。



先日の雨の日こと。

コケさんぽはあきらめて、
自宅で今まで採集したコケを整理。

いろんなコケを眺めているうちに
先日の青山で購入した動物カードを使って、
「コケのグリーティングカードができるのでは!?」
とアイデアが思い浮かぶ。



作り方は、乾燥したコケ(またはキッチンペーパーなどで
水分をよくとったコケ)を、ボンドを使って好きな場所に張るだけ。


コケは数種類使ったり、
小さなシダなどコケとは異なるものも入れると、
メリハリがつき、緑色の幅も広がって、
見た目がおもしろい。


コケはもともと乾燥しても退色しにくいので
こういう装飾に使うのはぴったり!(のはず)



去年の「あなたにぴったりのコケは・・・」を書いた、
クリスマスのモスカード以来の第2弾。


早速、6月生まれの友人に渡したら、喜んでくれた。




▲大きさはちょうどコースターのサイズ。こっちは母用。7月の誕生日のときに渡す予定。

地衣類のオブジェ

2010-06-19 13:03:08 | 近所のコケ



前回に引き続き、青山のコケさんぽ。



青山といえば都会のど真ん中なので、
もとより自然のコケはあまり期待していなかったが、
なんといっても日本一の流行最先端をいく街である。



前回紹介した「風花」から、
表参道の交差点を抜け、
渋谷まで行く道のりのこと。

スパイラルホールの前で、
目を見張る緑のオブジェを発見!!




▲アクセサリー屋さんのショーウィンドウ。マネキンの全身が地衣類で覆われている。


とにかく見れば見るほど美しい。

しかもコケよりも、
さらにマイナーな地衣類を
使っているところが、
私としてはたまんなくツボだった。



▲バックショット。




▲アップにするとこんなかんじ。ルーペでのぞきたかったが、さすがにそれは控えた。




また、店内の陳列棚も
ハイゴケらしきコケで飾られていた。

鮮やかなコケの緑は見ているだけで気持ちが涼む。







青山「風花」

2010-06-18 12:34:34 | 東京コケスポット



梅雨に入ったせいか、
家にいるとなんとなく
気分が晴れない今日この頃。


そんな気持ちを一掃すべく、
ここはアクティブに!と思い直し、外へ。


先日の鎌倉コケ散歩でご一緒したコケ友(・・・と勝手に呼んでますが、
いいですよね!?)、よ2さんから教えていただいた、
南青山にある「風花」に行ってきた。



場所は国道246号線(いわゆる青山通り)から
一本路地に入った静かな住宅街の一角。


いままで幾度となく青山には行っていたけど、
このお店の存在は知らなかった!



路地の入り口には、看板が出ていて、
まずそれを見てびっくり。





▲コケと小さな草花で覆われた看板。もちろんすべて生きている。





▲緑が元気すぎて、一部のコケがのりきれず、落ちてしまったご様子。





期待を膨らませながらさらに道を進み、

「なにやら緑に覆われた建物が見えてきたぞ」

と思ったら、それこそが「風花」さんなのだった。





▲お店の外観。半分以上が緑が覆われている。




さらに近づいてみると・・・・


   


    
▲コケ玉、松、お店の入り口、アジサイ。






▲お店の中も緑でいっぱい。





▲ベイクドチーズケーキ。お皿にはエディブルフラワーがあしらわれていた。




ちなみにこのお店、よ2さんからも教えてもらっていたのだけど、
オーナーの石原和幸さんは英国のガーデニングショーで
3年連続入賞という快挙をなしとげたお方。



私も以前テレビで、コケの扱いに長けた彼のガーデニング技術から、
英国では「moss man」と呼ばれている男性がいるというのは知っていた。


でもまさか、その彼のお店がここだったとは!
(石原さんについては、「風花」「青山」で検索してもらうと出ると思います)




緑に囲まれた空間の中で、あれこれ難しいことは考えず、
ただただ甘いものを食べている時間は至福のひと時。


きっと季節によって出迎えてくれる
緑もちがうんだろうな。

リフレッシュした気分で店をあとにした。

鎌倉コケさんぽ

2010-06-15 17:32:35 | コケをめぐる旅

▲寿福寺の参道にて。ルーペでコケを覗き込む友人。



「なぜそんなに熱心にコケを見るの?」
と時々たずねられることがある。


なぜってコケとの対話が
楽しくて仕方ないのだ。


少なくとも私はそう。


ルーペやカメラのレンズを通して見る
彼らの本当の姿は、なんとも美しく、生気に満ちていて、
つい心の中で「おぉ。きみはおもしろい形をしているなぁ」とか、
「新芽が出てきて、お元気そうですねぇ」とか話しかけてしまう。



そうしてしばらく眺めていると、
コケのほうからも返事が
かえってきそうな気がしてくる。



さて、今回はどんな対話ができるのやら・・・。










先週末は「岡山コケの会」関東支部主催のイベントへ。

  ※岡山コケの会・・・コケを愛する人たちが集う全国規模の愛好会。



北鎌倉に朝9時集合。


アジサイの時季でもあるため、
この時間でもすでに駅のホームは
人・人・人であふれんばかりの超満員。


「さすが鎌倉」と、着いて早々うなる。




今回の参加者は10数名。


私たちの目的はもちろん100%コケなので、
アジサイで有名な明月院とは反対側の浄智寺方面へ。



地元在住のおひと方の
立派なお庭を訪問し、各自コケを愛でる。




コケ好きというのは、
一度コケを眺めだすと止まらない。


半径10メートル範囲でも、
2時間くらい余裕で居座れる。


そこに、コケがあるのなら (キリッ)。



ましてや今回はコケ好きばかりが
集まっているため、だれも時間は気にしない。

声をかけられなければ
いつまでだってコケを見ている。


案内役の世話人さんも懐の深い方で、
私たちが心ゆくまでコケを観察させてくれて、
早くも訪問第1ポイントで11時過ぎを迎え、
そのままランチタイムに。



喫茶店でごはんを食べつつも、
やはりコケ好きばかりが集まっているので、
ここでもみんなでコケトーク。


自己紹介もそこそこに、
普段どんな風にコケを見ているか、コケ歴何年か、
お気に入りのコケスポットは?・・・などの話で盛り上がる。



午後からはさすがにちょっとスピードアップして、
長寿寺→亀ケ谷切通し→海蔵寺駐車場→寿福寺→東慶寺を巡る。
解散は16時過ぎとなった。




▲長寿寺にて。ウマスギゴケがしきつめられた苔庭を愛でる。





▲切通しにて。壁一面にシダのカーテン。





▲正面の石垣にご注目。「エビゴケ」が群生。今回、私は初めて見たコケだ。





▲もちろんエビに姿が似ているところから「エビゴケ」という名があるわけで。
 近づいてみると、ひげのついたちっちゃな小エビがたくさんいるように見えませんか。




▲さらに近づいてみると、茶色い朔(胞子を入れている袋)も見えた。まるでエビの目のよう。








▲寿福寺にて。門の軒にある銅製の雨どいの下を眺めてみると・・・




▲ホンモンジゴケだ!銅を含んだ水が流れる場所に生息するという、
 極めて珍しい、コケ界の〝異端児〟だ!





▲キツネのしっぽみたいに垂れ下がって生えるコバノチョウチンゴケ。
 今回巡った中でも各所にいちばん多く生えていた。鎌倉が住みやすいのかな。





▲ジャゴケのすきまからキノコが。鬼太郎に出てくる〝傘お化け〟みたい。



私は都内のわりと街中に住んでいるのだが、
今回、鎌倉で見たコケはいつも見ないコケばかりでとても刺激的だった。


やはり鎌倉は社寺仏閣が多いことはもちろん、
海あり山ありで自然も豊か。巨木も多い。
車もうちの周りに比べて少ないので、空気もきれいだろう。


その土地、その土地、好みの場所を選んで、
コケたちは住み分けをしているんだなぁと改めて実感した。



ちなみにアジサイは場所にもよるが、
この日は五部咲きくらいだった。

きっと今週末くらいが見ごろのピークだろう。



▲なんて鮮やかな青。バックにちゃっかりコケも収めました。


アップリケ。

2010-06-13 19:04:22 | コケをめぐる旅

▲手持ちのアップリケ。チョコレートの空き箱に入れている。




先日、ジーパンを買いに行った。


その帰りにふと思いつき、
久々にアップリケを買った。


私は服を買うとときどき、
アップリケも買いたくなる。


Tシャツや薄手のニット、ジーパンなど、
無地のものを買ったときはとくに。


最近は巷で廉価な服をリメイク&デコレイションするのが
流行っているということもあるせいか、
売っている種類も豊富で、選ぶのも楽しい。




なにをどこに張ろうかと
いろいろイメージを膨らませながら、
10枚くらいを購入。



そして家に帰ってアイロンを出して、
ジーパンに貼ったのがこれ。





▲シンプルにおしりにイニシャルのアルファベット。




さらに、さらに。


翌日のコケ観察会をひかえ、
テンションが上がり、
こんなものも作ってしまった。





▲「moss」のアップリケを張った「モスバッグ」。




袋の中にはコケ観察用グッズを入れる。





▲ルーペ2種、カメラ、ピンセット(手の届かない所のコケがつまめる)、
霧吹き、採集袋、ハンカチ、コケノート。さらにこれに図鑑も入る。




アイロンで貼るだけなので、本当に簡単。
こんなに簡単ながら、オリジナルな服やバッグが
できるのだから、なんともありがたい。



ちなみにアルファベットのアップリケはa~zまであるのだが、
ほとんどはジーパンに張ったhのようなグレーがベースの書体。


にもかかわらず、たまたま「o」と「s」だけがグリーンで、
偶然とはいえ、そこがなんともこのモスバッグにぴったりで気に入っている。




『アーバンライフ・メトロ』

2010-06-03 20:20:29 | 東京コケスポット




いま、東京メトロで配布されている
フリーペーパー『アーバンライフ・メトロ』の
特集は「緑を楽しむ幸せライフ」。










私はたまたま手にとって(というか「堤真一」の文字にひかれて。。)、
読んでみたのだが、内容にけっこうコケのことが出ている。



読み進めていくと、なんとアドバイザーの一人として、
4月のブログに書いた「和草(にこぐさ)」さんが出ているではないか。


●吉祥寺の「和草」さんにて、コケ育て指南をうける。
http://blog.goo.ne.jp/bird0707/e/111b7b5c5de54da8079de5847d37e52e



「わぁ~、がんばってらっしゃるんだぁ」となんだかとても嬉しくなった。



そして帰宅してみると、
当ブログになんとその和草さん本人から
コメントが届いているではないか!


これって以心伝心!?


なんか一人でドキドキしていたのだった。



もし東京メトロに乗られるときは、
「アーバンメトロライフ」を
ぜひ手にとってみてください。


コケ育てのアドバイスとか、
堤真一のインタビューとか載ってます。

研究者の遊び心

2010-06-02 12:44:04 | 山登りとコケ

富士山のコケ観察会の続き。


今回、富士山でいろんなコケを見ることができ、
それはもう刺激を受けたわけだが、
もっとも新鮮だなと感じたのは、
参加している小中学生たちが
コケや地衣類にめちゃめちゃ興味をもっていたことだ。


とかくこの時期の少年たちというのは、
ひとつのことにハマルととことん!という節がある。
さらに記憶・吸収する能力も、大人とちがって速い速い。


先生方の説明も一番前で熱心に聴いているし、
私が「このコケ・・・なんだっけ?」と首をひねっていると、
「それは○○ゴケだよ」と教えてくれる。


また誰が○○ゴケを一番先に見つけるかみたいな競技が
彼らのあいだで流行っていたらしく、
大人たちがじっとひと所にルーペを当てている間も、
森を駆け回って「見つけた!」「いや、オレが先だ!」
「先生、これ○○コケだよね!?」・・・と、なんともにぎやか。


また、子どもからの質問を受ける先生も
いつも笑顔で、なんだかうれしそう。


「コケや地衣に興味があるなら、どんな質問にも答えてあげたい!」

という心意気が伝わってくる。



私は今まで研究者の方というのは、
とても頭がかたそうなイメージをもっていたのだが、
今回の先生がたは、いつまでも少年の心を忘れない
遊び心のあふれるお二人で、このことも実は驚きだった。



たとえば、配られた教材には
コケをキャラクター化したイラストが入っていたり、
某アニメ発祥のゲームを生かした(!?)グッズがあったり。





▲折りたたみ式コケブック。見つけたコケをペタッと貼れば、即席標本のできあがり。
 各コケの特徴も書いてあるので、復習にも最適だ。





▲アップ。タマゴケの「たまちゃん」。






▲裏には忘れちゃいけないコケの基本情報も。






▲ポケモンカードならぬ「コケモンカード」。講義の後のクイズ大会でもらった景品。
 高得点者にもらえる権利があると聞き、私も子どもたちに負けじと本気で勝負した!




「このカード、先生が作られたんですか?」


とコケ専門の樋口先生にたずねたところ、



「え、えぇ。ちょっとおもしろいかなーと思って」


と照れ笑いされていた(正直、この柔軟な遊び心とはにかみに私は萌えた!)。




子どもが理解できて楽しいと感じられるものは、
大人にとっても、やはりわかりやすいし、楽しい。


学びってこういう楽しい経験があってこそ、
真に身につくものなのだなーと思う。



「私もまだまだ。もっといっぱい楽しもう」


若いコケ友たちと大先輩のコケ友、
両者を見てそう思った。