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リ言って碌な絵面が浮

2017-07-13 12:02:16 | 日記

 全くもって悔やまずにはいられない。
 いや別に無駄骨をおる結果になった事を嘆くつもりはないさ。というか寧ろ人的被害がなかった事を悦ばしく思っているくらいだ。ただ、平穏な学園生活を送るため妖怪との距離を置くべく奔走していた身としては、自ら下手を打った形となった事に対し悲観せずにはいられないのである。
 ともあれ―――今はそんな一時的感情に構ってはいられないので、実際に落ち込むのは後回しにしなければならない。何故なら俺は目下のところ、可及的速やかに対処せねばならない事態に直面しているからだ支付寶
 一体それは何かって? 
 そりゃあ勿論―――――未だ俺の顔をじっと凝視し続けている黒靄の一つ目妖怪の事に決っているだろ。本来出くわす筈のなかった人間、しかも妖怪の事を認識できる俺という存在と対峙したこの一つ目が、この後一体どういった行動を起こすのか、って事さ。
 俺は長年の経験から容易にそれが想像出来てしまう。ハッキかばない。
 そんなわけで、俺は冷汗が噴き出すのを全身で感じながらゆっくりと体勢を整え、逃げる準備に取り掛かる。無論、一つ目妖怪からは一時も目を離さない。よく言うだろ、山で熊と遭遇したら絶対に目を逸らすなとか、なんとか。アレと一緒だ。もっとも相手は熊でもなければ、そもそも動物と分類していいのかもよくわからない存在なので、効果の程が如何ばかりあるのか、甚だ疑わしかったが。まあでも、やらんよりやっといた方がマシならば、やっておいて損はない。それ程までに退っ引きならない状況と言えなくもなかったからな。
 実際、俺のその判断は間違っていなかったと思實德環球金業。この時、一つ目妖怪のギョロリと飛び出た眼球は黒目部分が俺の動きを追尾するように動いており、明らかにロックオン状態であると認識できたからだ。獲物を狙う狩人のような目を向けられて能天気に楽観視するのは愚の骨頂に他ならないだろ。
 ともあれ、こうして俺は次なる行動、即ち逃走の機会を覗っていた。
 しかしながら狩る者と狩られる者、主導権がどちらにあるのかと言ったら、やはり前者の場合が殆どである。そして本件もその例に漏れずの結果だった。
 先んじて逃走行動に移りたい俺の思惑に反して、一つ目妖怪に先手を打たれたということだ。
 一つ目妖怪は唐突に目を細めてニンマリと笑うと、再び擦れた声でボソリと呟いた。
「見つけた……」
 それが狩の始まりを告げる合図なのは明白だった。怪奇案件の経験豊富な俺の本能がこの場に留まる事を強烈に拒絶したのだからな。
 直ぐ様駆け出しその場を退散する。元々そのつもりだったので準備は出来ていし、イメージも完璧だった。実際、四肢への伝達も完璧だったと思う。現に俺の脚には、確かに床を蹴った感触がはっきりと残っていたのだからな。
 だがその思惑に反して、俺の身体はその場から離れる事を許されなかった。正確に言えば、左腕を基点に引き戻されたと言うべきか。
 俺は慌てて自分の左腕を見る。すると腕にはいつの間にか、紐のように細長い黒い靄が幾重にも重なり絡みついていた。それは一つ目妖怪から綱のように伸ばされた黒靄だった。やつの方が一足早く、逃走防止に俺の腕を捕まえていたというわけだ實德
 俺は足を踏ん張り強引に自身の左腕を引き寄せ黒靄を引き剥がそうと試みる。しかしこの靄、見た目こそ綿菓子の様に脆そうなのに、幾ら引っ張ろうともワイヤーで絡め取られたようにビクともせず、引き千切れそうにもなかった。

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