映画鑑賞検定3級blog

コメント無しのTBだけでも大歓迎です♪
B級大好きアクション大好きテキトー映画感想blogです。

「SAYURI」

2005-12-21 | アメリカ映画
お友達に行こうって言われたので、せっかくだから観て来る事にしました。

昭和初期、貧しい漁村に生まれた千代は、9歳の時に置屋へ売られてしまう。姉の佐津と逃げることもかなわず、孤独な”端女”としての生活をしていた。しかしある日、橋の袂で”会長さん”にカキ氷をご馳走になる。置屋へ来てから初めてといっていいくらいの優しさを受け、千代は”芸者になってもう一度会長さんにお会いすること”を心の支えに生きていくことになる。そこから、千代の芸者としての人生が始まる・・・。

なかなか楽しかったです。

ただ、どうしても日本人がこの映画を観てしまうと、着物の着方、動作、髪型、そのあたりの違和感のようなものを感じずにはいられなかったです。

着物の着方や、髪型などは、アメリカ人が作っているんだから、まんま作るよりもこのくらいの方が面白いな、なんて思ったので、ま、いいか・・・って感じだったんですが、着物を着ているときの動作ってのは、一朝一夕で仕込めるもんじゃないんだなぁ・・・なんて。
日本人がドレスを着たときとかも、なんかおかしかったりするのかもだなぁ、とか思ったりして。

タランティーノが「キルビル」のメイキングで、”動作に現れる日本人の心みたいなものを教えてほしい”と言うようなことを、千葉真一に言っていました。

「タラちゃん、この映画にそれが必要なのかい?」
と、笑い飛ばしていましたが、彼の言っている意味がよく分かった気がする。

座るときに、裾を気にしながら座る、っていうのが、出来ないんだなぁ・・・。
12歳の大後寿々花ちゃんでさえも出来る、なぜか分からないけれど知っている、”着物を着たときの身のこなし”みたいなものって、やっぱり日本人だからのモノなのかなぁ・・・と、感心したりして。

タランティーノはそういう”動作”的な部分の違和感のようなものを感じている人だった、と思ったら、彼がどんなに日本に詳しかったのか、というのを理解した気がする。その上であんな”コラコラ、それは全然違うだろうに!”という作品を作っていたんだから、確信犯だったんだなぁ・・・なんて思って、これを観て、なぜかタランティーノの株が上がりました。

花火の時に大量発生するにわか浴衣の人(私含む)とか見ると、着物の着方も分からんのだ、最近の日本人は・・・なんて、自分もそうなくせに悲観してましたが、やっぱり”血”って、あるのかもですね。

と、ずいぶん話から外れてしまった

私が思うに、妙に心の狭い人に書かれているサユリ。
自分と、自分の好きな人は美しく、周りの人はみな美しくなく、というようなテイストのあるストーリーでした。

自分が幸せになったとたん”あの人もかわいそうな人だったんだわ”みたいなことを言い出すあたりや、”謝ったのに”とか、”好きじゃないわ”と、言い切れてしまったり、という感じが、芸者という狭い世界で生きてきた女の醜さみたいな部分を出していて、面白いものを見たな、っていう感じでした。そこが好き。

素直ないい子っていう雰囲気の大後寿々花ちゃんが急に、妙に強い顔をしている(いい意味で)チャン・ツィイーに変わるところには違和感がありましたが、それ以外は、まるで2人の人物を見ているようで面白く見ることができました。

ところで、サユリの一人で踊る舞、あれでいいんでしょうか?
私はあまり踊りに見えず、今にも吹き出しそうだったんですが・・・。

ミシェル・ヨーと、コン・リーと、桃井かおり。この三人の素晴らしいこと。
私達の中にある規制の芸者という形にとらわれてはいけない。
そう思うくらい、この三人は、間違いなく素晴らしかったです。

凛とした芸者、豆葉こと、ミシェル姉さん。
妖艶なおぼれる芸者、初桃こと、コン・リー。
商人として生きる置屋のおかあさん、桃井かおり。

いや~~、この三人の共演を見られただけでも収穫でした。

工藤夕貴は年齢不詳(笑)若く見えたわ~~。顔ちっちゃいね。一番着物似合ってましたかな?日本人だからか?

ともかく、日本人だからこそ楽しめる部分がいっぱいあるので、粗探ししたい人も見に行ってみてはいかがでしょうか。コーンで、さくらんぼシロップのかき氷を食べる、なんて、日本人では絶対作れないセンスですから。

映像は、「ラスト・サムライ」よりキレイでしたよ

http://www.movies.co.jp/sayuri/



最新の画像もっと見る