映画鑑賞検定3級blog

コメント無しのTBだけでも大歓迎です♪
B級大好きアクション大好きテキトー映画感想blogです。

「ディパーデッド」

2007-01-29 | アメリカ映画
言わずと知れた「インファナル・アフェア」のリメイク。オリジナル版はDVDBOXを買うほど好き。と、言うわけで、見に行くことに大決定。でも、実はスコセッシ監督作品デビューだったりもする。



警察学校にいたビリー・コスティガン。彼は育った家庭から潜入捜査官としてマフィアに潜入させられることになる。一方そのころ、マフィアの大ボス、フランク・コステロに育てられたコリン・サリバンは、彼に情報を提供するために警察へと送り込まれることとなる。二匹のネズミ交わるとき、事件は起きる・・・。



オリジナルが大好きなので、べた褒めする気はありませんが、これはこれで面白かったと思いました。

と、いうか、こちらの方は本当に怖いんです。
ビビリの私は全然余裕がない。
それは、ジャック・ニコルソンのせいなのはもちろんです。
どんなに怖かろうが、ボスだろうが、妙にコミカルな雰囲気も見え、愛嬌すら感じさせるエリック・ツァン(全部良い意味)とはかなり違います。
シャレを言えば言うほど怖いんだから、どうしょうもありません。
ヘビににらまれたネズミです。

しかし、アメリカのマフィアの怖さはそれだけではありません。
マフィアの人々はえらく汚い言葉を使い、恐ろしいまでに暴力的で、洒落を言ってても私なんかではとてもじゃないけれど笑えない。
さらに、死に様もとにかくあっけないほどで、恐ろしいまでに乾いた銃声とともにどろどろとした血が飛び散る姿は、正視するのが辛いほど。
なんか、人がとても小さな存在に見えるというか。

こんな中に潜入しなければならないとあっては、それこそちびります。
どんなに美形なディカプリオだって、必死になります。

こんなに必死なのでは疑われるのも無理はないんじゃないか?と、こちらは余計に心配してしまいます。
こいつ一人殺されてもぜんぜん困らないもん。

だって、この人まだ潜入して日も浅いし、正直たいした手柄も立ててない。
トニー・レオン演じるヤンには、どこか何かをあきらめたような雰囲気があり、だまされてもこいつならしょうがねぇと思えるそんな雰囲気があったのですが、ディカプリオにはそこまでのものはなかった。正直、若造に見えました。
ビリーはとてもギラギラしてました。死にたくない、って。そんな感じで。
でも、そこがあるからこそのドキドキ感があり、そこは意外と楽しめました。
アメリカンにはこちらの方が受けるかもです。

こう設定が変わってくると、オリジナルと同じシーンを使っていても、
「身分を返してほしい」
このセリフがかなり違って聞こえてくるから不思議ですね。

映画館のシーンも同じような印象を受けました。
同じようなシーンなのに、環境が違うことでまったくといって印象が違う。
これって、かなりすごい。

正直前半の部分は、オリジナルとの差別化を計るためなのか、延々セリフが続き、ちょっと疲れてきてしまった部分もありました。

しかし、オリジナルの出来がいいだけに、差別化、そしてアメリカらしさを出さなければならないのでしょうから、それは致し方なし、といったところでしょうか。

アイルランド系だ、イタリア系だ、なんだかんだとえらくまくし立て続けますが、正直”F○○K”の言葉とともにぜんぜん耳に入ってこなくて、ものすごく眠くなってしまい、もしかしたら一瞬寝ていたかもしれません(最低)
そこを聞き逃してしまっては、この映画の言いたい部分を全部聞かなかったといっても過言じゃないのかもしれませんが・・・

ディカプリオ扮するビリーの人となりの設定などは非常に面白かったのですが、それに比べ、やはりマフィアに育てられたマット扮するコリンの方は、ちょっぴり薄かったかな、とは思いますが、心の中ではもはやマフィアを裏切っていたラウとは違い、最後まで彼はマフィアだ、というところの差別化も良い方にいっていたと思う。

ラストも面白かった。ラス前のエレベーターのところの黒人さんの使い方もすごく好感。

こちらでのオリジナルキャラクターにあたるフランクやディグナムもすごくいい味を出してました。

アカデミー作品賞にはならなくても、アカデミー監督賞になるのはものすごく理解できるような出来だったと思う。

でも猛烈に気に入らない部分が・・・。
そう、女関係ですよ。これだからハリウッドは・・・。

マリー役のサミー・チェンは正直チョイ役だと思っていたけれど、これほどまでに大きな存在だったとは、という感じです。
ケリー・チャン演じるリー医師の、本編中それほどヤンと話さないにもかかわらず、何かとても一緒にいるだけで癒されるような雰囲気と、彼女の存在でさらにトニーの魅力が倍増するような大きい存在なのにもかかわらず、本編の邪魔にならないという絶妙な使われ方だったのをとても気に入っていたのですが、ハリウッドになるとそこら辺はまったくない。
それどころか、三角関係となるけど、その意味もあまりない。
それに、これじゃあ精神科医の意味もほとんどない。
精神科医だからこその”守秘義務”という名目とともに、戦友的な雰囲気も見えたリーとの関係は、到底見えない。
とりあえず、あの女医さんにまったく魅力を感じることができなかったのが猛烈に大きい。

最後、覚悟を決めたように女医さんと話す時のディカプリオの表情がものすごくよかっただけに、猛烈に残念に思いました。

正直、これを先に見てたらどうだっただろう?
もしかしたら、「インファナル・アフェア」を今ほど好きじゃなかったかもしれない。
それくらい妙な力を持った作品だな、と思いました。

マフィアを観るというより、静かにいろいろなものが溶けていくような不思議な感覚を味わい、”出来る男たち”が魅せるドラマを楽しむ「インファナル・アフェア」。
マフィアと対峙する恐怖感と、あっさりと壊れていく何かを、”前途ある若者”達が魅せる犯罪ドラマにおののく「ディパーデッド」という感じかな?

とはいえ、やはりトニーとアンディはスゴイ。
特にトニー。
リメイクにあたり、誰もが演じたがる役でしょうけれど、誰が演じたとしても、あのオリジナルのヤンと同じ雰囲気は絶対に無理でしょう。
唯一無二のすばらしい俳優さんですね。

マットがいつも口開けっ放しなのが気になりました(笑)

ディパーテッド - goo 映画
公式サイト


最新の画像もっと見る

8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
無間道 (カブ)
2007-01-30 00:07:15
ハリウッド版はまだ見ていませんが、私も「インファナル・アフェア」シリーズ大好きです。
怖いんですか~友人からは無間地獄な感じはあまりなくてマフィア映画として見た方が良いって聞きました。
オリジナルで、警視の遺品の携帯をトントンして主演2人が初めて接触するシーンが大好きなんですけど、リメイク版でもあるのかな?
時間があれば映画の日にでも見てきます。ではでは。
返信する
ディパーデッドって死人の意味なのですって。 (微妙)
2007-01-30 17:33:05
こんにちはー。
私にはとっても怖かったです。
リメイク版は好きか嫌いかっていえばあまり好きではないんですが、比べてみると土地が違うとこんなに違うか・・・といった感じで楽しめましたよ。
インファナルは渋いですが、こちらには渋みはまったくないので、その辺は期待しないほうがいいです。
モールスの有無は・・・私の予想通りでしたが、カブさんはどう思われていますかしら?
ご覧になったら、また感想聞かせてくださいね♪
返信する
こんばんは (はらやん)
2007-01-30 20:51:12
微妙さん、こんばんは!

ジャック・ニコルソンは怖かったですねー。
笑っていてもおっかない、不思議な人です。
香港版未見の僕はこの映画、楽しめてたのですが、オリジナルを観た方はそちらのほうが評価高いですねー。
これは観なくてはいけないかな・・・。

先日映画検定の募集があったので、勢いで4級と3級をとりあえず応募してみました。
たくさん映画観て勉強しなくては!
返信する
どもです♪ (微妙)
2007-01-31 18:51:24
こんばんは♪
オリジナルの方が好きですが、ぜんぜんテイストが違うので、こちらを見てからオリジナルを観るとどう見えるのかな、と、とても興味津々ですので、もしご覧になったらぜひ感想聞かせてくださいね♪

私、こんなタイトルのblogをやってるくせに映画検定は持ってないんです。
だって・・・タイトルつけたときはそんな存在知らなかったから・・・(最悪)

検定、がんばってくださいね♪
返信する
TBありがとうございました (sakurai)
2007-02-07 11:05:32
ものすごく同感です。
ヤンのどこかあきらめたような、悟ったようなやるせなさ、それがビリーにはなかったんですよね。
そして、やけに説明調のせりふがだらだら続いて、私も不覚を取ってしまいました。スコセッシに潔さがなかったかも。
スコセッシ・デビューだったのですか。スコセッシの女性の描き方はいまいちといつも感じます。知性を感じさせない。その辺が不満なのですが、いつものことなので、またスコセッシだと感じました。
返信する
コメントありがとうございます。 (微妙)
2007-02-07 17:51:10
ありがとうございます。
スコセッシ監督のものは見ようと思っていてもなんだか凹みそうなのでいつもやめてしまうという悪循環で・・・。
あの悟ったようなやるせなさ、彼らの表情こそが「無間道」なので、この映画はまったく「無間道」ではないですよね。これはこれでいいとは思うんですけど、ね。
女性の扱いはいつもこんななのですか・・・。それも含めてスコセッシ節といったところなのですかね。もういくつか見てみたいです、スコセッシ作品。貴重なご意見をありがとうございます。
返信する
マットって? (kayamariyon)
2007-02-19 20:19:16
微妙さま
たしかに、マット、いつも半開きの口。
出始めの頃、目元がレオ君に似てると話題でしたよね。いっそ、マットとレオの役を反対でやってくれれば・・。インファナ~を思うと、やはりこの映画いまひとつですが、この映画だけを観ていたら、面白かったと思います。ラストがちょっと・・・。
3部作の内容を少し盛り込んで欲しかったかなぁ?
返信する
>kayamariyon様 (微妙)
2007-02-20 17:42:14
似てますよね、レオとマット。
でも今回は、レオは見直しましたが、マットは別に見直しませんでした(笑)
つーか、見せ場少なかったですよね(^^;
楽しめましたが「インファナル~~」の方がやっぱり好きだわ。
こちらも3部作になるとのうわさもあるので、だとすると、2,3の要素を入れるわけにはいかなかったのでしょうかね?
って・・・どう作るんだ!?って感じですけど(笑)
返信する