たかおかくんのドーナツ大好き!

たかおかくんが音楽の話しをするブログ

新発見 黒人臭くないブルース・フィーリング

2010年03月02日 | Weblog

ピート・ジョリー
「デュオ・トリオ・カルテット」

中古LP収集に東京へ行ってきました。今回Getしたのは以下の通りです。
まず高田馬場「タイム」で購入したのが、
・ディジー・ガレスピー
    「ハブ・トランペット、ウィル・エキサイト」
・ベン・ウェブスター
    「キング・オブ・ザ・テナーズ」
・ベン・ウェブスター
    「ベン・ウエブスター・ミーツ・オスカー・ピーターソン」
・レイ・ブラウン
    「ライブ・アット・ザ・コンコード・ジャズフェスティバル」
以上、すべて400円コーナーにて購入。

新宿ディスクユニオンで買ったのは、
・コンテ・カンドリ
    「ウエスト・コースト・ウェイラーズ」1700円

御茶ノ水ディスクユニオンで買ったのが、
・ピート・ジョリー
    「デュオ・トリオ・カルテット」1000円

津田沼ディスクユニオンで買ったのは、
・クリフォード・ブラウン&マックス・ローチ
  「イン・コーポレイティッド」500円

レコードというのは結構、重いものなんですよ。
これだけの盤が入ったビニール袋を抱えて、ゼイゼイ言いながら帰宅しました。
でも、嬉しくも心地よい疲れですね。

ピート・ジョリーのが意外な掘り出し物でした。
テナー・サックスのビル・パーキンスを加えたカルテットによる「Ⅰ Got It Bad」を是非、聴いて頂きたい。
ねっとりした黒人系ミュージシャンとは一味違った「軽やかでさらっとしたブルース感覚」に溢れたテナーを聴いて頂きたい。
これは新発見でした。
こうしたブルース感覚の表出の仕方もあったのですね。
http://artist.cdjournal.com/d/duo-trio-quartet/3199070407


少年が奏でるピアノの美しさ

2010年02月16日 | Weblog

アル・ヘイグ
「ジャズ・ウィル・オー・ザ・ウィスプ」

寺島靖国さんが一時期、みずからの著書で、ひたすら褒めちぎっていたアル・ヘイグ。
わたしはと言えば、正直、アル・ヘイグの良さが全く理解できなかった。
10年ほど前、寺島さんの著書でヘイグのことを初めて知って「そこまで言うなら聴いてやろう」ということで彼のLPを4枚ほど中古で買ったはいいが、どこがいいのかさっぱり判らなかった。
情けない話しなのですが、去年あたりからヘイグの素晴らしさが、ようやく判ってきました。
10年かかって判ったことがひとつあります。
それは、ヘイグのピアノは「少年が弾くピアノである」ということです。

チャーリー・パーカーの「ナウズ・ザ・タイム」というアルバムを聴いてみてください。
このアルバムにはふたりのピアニストが参加しています。ひとりはハンク・ジョーンズ。もうひとりがヘイグ。
どちらがヘイグのピアノか皆さんには判りますか?
そうです。背筋を伸ばした大人が堂々と弾いているがハンク・ジョーンズ、伏せ目勝ちの少年が弾いてるのがアル・ヘイグです。
もちろん、この録音の時点で両者とも、すでに成人しています。でもヘイグのピアノからは、夕陽を小さな背中に集めて歩く、孤独で繊細な少年の瞳がのぞくのです。

ヘイグのピアノは、過ぎ去って初めて美しく感じられる、少年の孤独な日々を音に凝縮させたものです。
だから子供の耳では、そこから輝きを聴き取ることが出来ないのかもしれない。
まあ、だからと言って、わたしが本当に少年を卒業して大人と呼べる人々の仲間入りを果たすことが出来たのかどうか。
こればっかりは、なんともはや……

「ロマンティックじゃない」
アルバム「ジャズ・ウィル・オー・ザ・ウィスプ」からの一曲


セピア色の幸せ盤

2010年02月15日 | Weblog

トミー・ドーシー
「センチになって」

日曜日の午前中、コーヒーを淹れ、まったり寛ぎたいときに、最近よく取り出すのがトミー・ドーシーです。
1930~40年代の大昔の演奏で音質もセピア色。
まず音質で拒否反応を示すかたは多いでしょう。
でも、そんな古びたセピア色の音が不思議と胸に染み渡るのです。
http://www.neowing.co.jp/JWAVE/detailview.html?KEY=BVCJ-37164

ちなみに、わたしが愛聴しているのは1978年にリリースされた、アナログのベスト盤。油井正一さんが解説のやつです。
こちらには、CDのほうに収録されていない、コ二ー・へインズのボーカルをフィーチャーした「ウィル・ユー・スティル・ビー・マイン」が収められております。
これがいいんですよ。
ちょっとやんちゃで可愛い、さばけた下町娘のような風情で、アルバム全体にとって最高のアクセントになっています。
これがなぜかCDのほうには収録されていないんですよね。
気になるかたは、アナログ盤を中古で探すべし。ちなみにわたしは、ディスクユニオンにて300円でゲットしました。
これだけの幸せに満ちた歌唱が300円で手に入るなんて!
まさに、セピア色の幸せです。

「ウィル・ユー・スティル・ビー・マイン」

こちらはタイトル曲「センチになって」
ドーシーの代表曲です


ひとり湯を浴びる妙齢な婦人が奏でるピアノ

2010年01月26日 | Weblog

ハービー・ハンコック
「スピーク・ライク・ア・チャイルド」

ハンコックの官能的なアコースティック・ピアノを味わうのに、もっともうってつけな一作。
誰も居ない温泉宿で、ひとり湯を浴びる妙齢の婦人といった趣きのピアノです。バックのアンサンブルも怪しげな空気を上手く演出しています。

ちなみにジャック・ウイルソンは男を知らない処女が弾くピアノといったところかな。
チック・コリアは女子中学生のプールでの水遊び。
まあ、わたしはどれも大好きですけどね。
http://www.neowing.co.jp/JWAVE/detailview.html?KEY=TOCJ-8519

こちらはハンコックの近年のピアノ
曲はクラブシーンでも大人気の「カンタロープ・アイランド」
こうして聴くと、なにかと比べられることの多いチック・コリアなどより、遙かにブラックな、黒人臭の強いピアノであることがわかります


ジャズは「血」が成立させる音楽なのか

2010年01月25日 | Weblog

キース・ジャレット
「フェイシング・ユー」

ジャズにもっとも必要なものはなにか。
そう問われたならば、五分ほど悩んだ末、
「リズミックなもの」
と、答えるかもしれません。
なぜ、そういう結論に達したかと言うと、少しまえにラジオで、ナット・キング・コールが日本語でジャズのスタンダード(ジャズの世界では多くの歌手に歌われたり、演奏される曲をそういいます)を歌うCDがかかったのですが、それがメチャメチャ格好よかったのです。
キング・コールが日本語で歌を歌うこと自体、ちょっとした事件ですが、皮肉なことに日本人の、どのジャズ・シンガーが歌うより遙かに格好よく、見事にジャズの世界を表現しきってました。
「日本語のボーカルではジャズにならない」と以前、誰かが言ってましたが、それは間違いであることを、キング・コールの歌声は図らずも証明してくれたのです。

キング・コールの歌声による日本語はジャズになるのに、なぜ日本人の歌声はジャズに成り得ないのか。
結局のところ「血」だと思うのです。
専門的なことは、わたしも分かりませんが、キング・コールの「間」の取り方、リズム感覚は日本人には絶対に真似のできない絶妙さでした。
ジャズの国アメリカ人の「血」がジャズになるはずのない日本語を、ジャズとして成立させてしまったのでしょう。

妙に思われるかもしれませんが、ナット・キング・コールの歌声を聴いて、わたしが真っ先に思い起こしたのは、キース・ジャレットの「フェイシング・ユー」でした。
このアルバムが持つ、ゴスペルのフィーリング。これはアメリカ人以外の「血」が流れるミュージシャンには絶対に表現不可能の世界でしょう。
これを聴いたら「ジャズは結局はリズムに尽きるんだな」という結論に、皆さんも達するかもしれませんよ。
http://www.neowing.co.jp/JWAVE/detailview.html?KEY=UCCE-9137


「家路」……そして「禁じられた遊び」

2010年01月06日 | Weblog

LA4
「家路」

LA4はローリンド・アルメイダのクラシック・ギターを楽しむためのグループです。
アルメイダの音色は美しいんですけど、なにしろクラシック・ギター。ジャズに必要不可欠の「汚れ」が皆無なので、ずっと聴いていると、ジャズ・ファンなら確実に飽きる。
そこで、アクセントとしてバド・シャンクを加えたのだと思う。やはりシャンクの存在が効いてます。彼がいなかったら、このアルバムがわたしの心を打つことはなかったと思う。

聴きどころは一曲目、ドヴォルザークの「家路」
アルメイダがソロで美しくイントロを奏で、ほどなくしてシェリー・マンのブラシが「シュクッ…」と秘めやかな音を立てて入ってくる瞬間。
これぞ、ジャズの醍醐味のひとつだと思うのです。
六曲目に箸休め的に収録されている「禁じられた遊び」のクラシック・ギターソロも新鮮。思わず釘付けになってしまいました。
おれもギターをやってた頃、よく弾いたなぁ。いやはや懐かしい一曲です。
http://www.amazon.co.jp/%E5%AE%B6%E8%B7%AF-L-%E3%83%95%E3%82%A9%E3%82%A2/dp/B00000GBFG

こちらは、アルメイダとMJQの共演。60年頃でしょうか。

サーフ&スノー復活

2010年01月03日 | Weblog

新年あけましておめでとうございます。
今朝は遅く起きて、新聞のラジオ番組欄を見たら、なんと「サーフ&スノー 時代を築いたあのDJ復活」の文字が!
すでに午前10時から始まっていて、11時をまわっていましたが、あわててラジオのスイッチを入れました。
DJは小林豊でしたが、懐かしいあのジングルが聞こえるではないですか。

The東南西北「内心、サンキュー」で、ラジオにしがみ付いていた10代~20代の頃の感覚が一挙に蘇えります。
後半では亡くなられた松宮一彦さんも降臨。
やはり格が違います。これだけ喋れるDJが現在いますか?
もちろん否でしょう。
ハイテンションなのに落ち着きと余裕たっぷりで、一日の終わりは松宮アナの声に癒されたものでした。

小林アナは「番組復活に向け努力します」みたいなことを言ってましたが、わたしとしては微妙な気持ちです。
職人DJ松宮一彦の喋りあっての番組だったんだなと、今日は思い知らされた部分もあります。
小林アナをDJとした音楽番組を新たに立ち上げるのは良いと思うのですが、「サーフ&スノー」は松宮さんと共に地下に眠らせてあげるべきではないか。正直、そんな思いはあります。

「サーフ&スノー」は、わたしにとっては聖域と言っても良いほどの特別な番組でした。松宮さんの喋りの記憶は、わたしの青春の証しなのです。
それだけに、なんと言いましょうか、複雑な思いにとらわれた本日の放送でした。


西部劇映画のBGMにジミー・スミスを是非

2009年12月30日 | Weblog

ジミー・スミス
「ホーム・クッキン」

高田馬場~新宿にかけて中古盤漁りに行ってきました。
寒かろうと思い厚着をしてきたら、それほどでもなく、店内はどこも過剰な暖房で頭はクラクラ。目に入るレコードが全て名盤に見えて困りました。
危うく持ってきた、お金、全て使い果たすところでした。気を引き締めて厳選し直し、今回ゲットしたのは以下の8枚です。

・LA4「家路」
・シェリー・マン「ジェミニ・スリー」
・ルー・ドナルドソン「ライト・フット」
・ジュニア・マンス「ジュニア」
・エロール・ガーナー「ミスティ」
・ミルト・ジャクソン「ナイトミスト」

以上、すべて高田馬場「タイム」で購入。ルー・ドナルドソンが1300円。あとは全て400円コーナーにてゲット。安い!
いやはや有り難い。しめしめ、という感じです。
以下の2枚は新宿ディスクユニオンで購入しました。

・ステファン・グラッペリ「インプロビゼイション」1200円
・ジミー・スミス「ホーム・クッキン」1600円

今回、ジミー・スミスのLPを初めて購入しました。
「ホーム・クッキン」昨日、聴いたところなんですが、いや、実にいいです。
オルガン・ジャズにしては地味な内容ですが、聴くほどに味が出てきそうな逸品です。
取りあえずは一曲目「C・C・ライダー」
なんと長閑なジャズなのでしょうか。牧歌的と言ってもいいくらいの雰囲気です。
誰だったか「ジミー・スミスのオルガンは伸びきったゴムひものようだ」とイチャモンを付けていましたが、なるほど、ここまで緊張感の欠片もない演奏も珍しい。
でも、このアルバムに関しては緊張感の無さが良い方向に作用しています。
西部劇映画で、カウボーイが腰にウイスキーの瓶をぶら下げ、馬をポクリ、ポクリと歩かせるシーンを作るとしたら、BGMは「C・C・ライダー」で決まりでしょうか。そんな雰囲気の演奏です。
なんだか、ジミー・スミスのレコード、集めたくなってきました。
http://www.neowing.co.jp/JWAVE/detailview.html?KEY=TOCJ-7133


バター醤油かけ御飯の法悦

2009年12月08日 | Weblog
モダン・ジャズ・カルテット
「ラスト・コンサート」

東海林さだおの「バター醤油かけ御飯讃」(ホットドッグの丸かじり収録)は東海林さんの丸かじりシリーズのなかでも10指に入る名エッセーではないでしょうか。
あまりに美味しそうだったので実際に試してみました。
熱い御飯を茶碗によそい、バターの欠片(なるべく大きめ)を御飯の中間あたりに沈め、御飯でふたをします。
しばし間をおいて、ふたをあけるとバターは跡形もなく溶けているはずです。
そこへすかさず醤油を数滴。いきなりかけ過ぎは禁物。すると御飯とバターと醤油の合体した、心地よい香りが立ち上がってきます。
かき混ぜてはいけません。かき混ぜると、せっかくの香りが飛んでしまうらしい。
美味しいです。正直、馬鹿にしていたんですが、こんなに旨いとは知らなかった。驚愕と言ってもいいくらいの味です。是非、皆さんもお試しあれ。

醤油+バター+あったか御飯は、1+1+1が3以上になる不思議な組み合わせです。
ジャズでもこういう組み合わせは存在するんですよね。
バター醤油かけ御飯を食べていて、わたしが真っ先に思い出したのはMJQです。
ジョン・ルイス+ミルト・ジャクソン+パーシー・ヒース+コニー・ケイの四者が絡み合い、立ち上がらせる香りは、まさにMJQとしか言いようのない独特な芳香です。

本日、紹介いたしますのはMJQの解散コンサートの模様を収録した、ライブ盤ですが、これが凄まじい香りを発散させております。
これが最後なんだという強い思いが、四人のジャズマンから鬼気迫るテンションを引き出したのでしょう。
http://www.neowing.co.jp/JWAVE/detailview.html?KEY=WPCR-75349

うるさいドラムを奥に引っ込ませた音録り

2009年12月03日 | Weblog

ジョン・バランタイン
「トリオ・ライブ」

ビリー・ハートというドラマーがあまり好きではありません。
ピアノ・トリオにも関わらず、スティックで無駄にガチャガチャ叩きまくって、どうも騒々しい。
グレート・ジャズ・トリオの「グレート・スタンダーズ VOL2」など折角のハンク・ジョーンズのピアノを殺してしまっている印象すら受けます。
同じグレート・ジャズ・トリオでも「フラワーズ・フォー・レディデイ」のロイ・へインズは、曲に気持ちを煉りこむように弾く、ハンクのピアノの本質を理解して、ブラシに徹しているというのに、ビリー・ハートときたら無神経すぎます。
無邪気で良く言えば、けれん味のないプレイが、ビリー・ハートの特徴なのかもしれない。

そんなビリーの無邪気さが良い方向に活かされたCDを発見。
カナダ出身のピアニストでジョン・バランタインの「トリオ・ライブ」です。
これは音録りの勝利だと、わたしは考えています。ライブのステージの奥行きを感じさせる音録りです。
聴いていると少し手前にカナダの澄み切った青空を思わせる爽やかな音を紡ぐピアニストが佇んでいて、奥のほうでビリーが野放図に叩きまくっている姿が目に浮かんでくる、そんな音録りです。
エンジニアも「ビリーのドラム、うるせーな」と思ったのかもしれません。ここでのビリーは実にいい塩梅に、ピアニストと鬩ぎ合っており見事な名演に仕上がりました。
http://diskunion.net/punk/ct/detail/JZ080310-27