オートバイで行くインド・アフガニスタンの旅

写真やイラストつきのオートバイ旅行記

no.56 河川の氾濫で立ち往生

2016-11-24 17:30:04 | オートバイ旅行記
 PANNAは金持ちの別荘みたいな宿舎に泊まり、また絵に描いたような美しい湖もある
町自体が落ちつたところで、できればこんなところにひと月でも滞在、静養したいところだが、
旅はこの先まだまだ長いので、次なる目的地ベナレスを目指して出立することにした。

 それからどれほど走ったであろうか? 北に行くにつれ、空模様がだんだん怪しくなってきた。
そしてやがて道は河にさしかかった。

 流れは滔々として川幅いっぱいの濁流になっている。 橋はない。
インドではごく普通のことだ。 だが道はある。 こう書くと、ちょっと分からないだろうが、
川底にコンクリートの道路が走っているのである。

 多分今頃は上流で土砂降りの雨が降っているのだろう。 その雨で今、我々がやって来た
この渡河点が増水し、渡れなくなっているのだ。  
いつもなら、河はほとんど干上がっているので、川底のコンクリートの道路は見える。
これだと橋を架けないで済むので安上がりだ。 その代わり、今回のようにひとたび
大雨で増水すれば、水没してしまうので、渡れないということになる。

 インドは広い。 それにこの時代まだまだ経済的な発展もそれ程でないように
見受けられる。 このような方式でも何とか収まるのだろう。
その証拠にはその後、数時間我々がそこで待つ間に一台の乗り物もやった来なかった。
それも幹線道路である。

「さて、どうしたものか?」と思案にくれていると、そばに「何と言えばいいか?」
ボロ布でできたテントといえばいいのか、とにかくそんなものが建っていた。
人の気配がするので、声をかけると、人が出てきた。 どう見ても一見乞食風である。

 そこで事情を話したら、「このあたりには橋はない。 何十km下流に行けば、
橋があるが、道のりはさらに大回りしなければならないから、大変だ!」という。

 「それより、あと1,2時間もすれば、川の水は引くので待った方が良い。」
と言い、「それまでこの小屋で一服でもしていろ!」と我々を招き入れた。

 中に入ると、といっても畳3帖ほどだが、ガランとして家財道具らしきものは
ほとんどない。 それでも火鉢と鍋があり、我々二人のためにお茶を沸かしてくれた。
予期せぬ親切にことさらそれを美味しく感じたのであった。

結局、水が引くのに3時間かかったが、その間バイクを点検すると気が付かなかったが、
後輪がパンクしていた。 するとそのインド人がパンクの修理をしてくれるとのことで、
ありがたくお願いした。


 次回に続く!

  

  

  雨空の中を濡れながら、唯々黙々とデカン高原を走る。

  そして河の増水で行く手をさえぎられる。




  

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