その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、映画、本などなどについての個人的覚書。SINCE 2008

下北沢演劇祭参加作品 なかないで、毒きのこちゃん 『ぜんぶ水にながしたるねん』  @下北沢・OFFOFFシアター

2018-02-03 08:19:27 | 演奏会・オペラ・バレエ・演劇(2012.8~)


なぜこの芝居を見に行ったのか?と問われると、「下北沢演劇祭の参加作品だったから」ということになる。劇団(なかないで、毒きのこちゃん)も俳優さん達も演出家も全く知らず、作品が悲劇なのか喜劇なのかヒューマンドラマなのかも全く分からないまま(HPには筋書きも含めて、作品情報は全くなかった)、舞台初日に見に行ってみた。

 あまり分類分けすることに意味があるとは思えないけど、あえて言えば、コメディタッチのヒューマンドラマと言ことになるのだろうか。トイレに産み落とされ、その後揃って殺し屋となる親知らずの4名の女の子殺し屋を巡るドラマである。まあ、よくこんな状況を考え付くものだと感心する。

 観てみて思ったが、確かにこの展開なら余計な予備知識や先入観は無い方が良いのかもしれない。前半は結構舞台が騒がしく、聞き苦しい下ネタが多く出てくるので、始まって30分で退室したくなったほどだった。ただ、中盤から後半にかけて、この芝居のいろんな仕掛けが分かり始めると面白くなってくる。

 同一登場人物を時間の経過に従い複数の役者が演じるのは、時の流れを示す手法として有効だったし、同一の人物の個人の中の対話としても面白かった。最後にこの芝居どうクロージングするのかと心配だったが、しっかり落ちもついていた。若い俳優さんたちの熱演も感情移入をそそる。結局、中盤以降はあっという間に過ぎ、1時間45分程度の公演時間は長いとは感じない。

 洗練された舞台とは言えないけど、エネルギーと熱意を感じて、楽しめる作品だ。蛇足だが、フィナーレの劇中人物を人形劇風に落とし込んでクイックな紙人形劇風にしていたけど、正直、意味不明だったので、やめた方が良いんでは?



下北沢演劇祭参加作品
なかないで、毒きのこちゃん本公演
『ぜんぶ水にながしたるねん』

2018年2月2日(金)~2月7日(水)
下北沢・OFFOFFシアター

[脚本・演出]鳥皮ささみ

[出演者]
石澤希代子、森岡未帆 (以上、なかないで、毒きのこちゃん)
浅川千絵(FUKAI PRODUCE羽衣)、植田祥平
小川夏鈴、稲葉美優、工藤さや(カムヰヤッセン)、佐賀モトキ(Straw&Berry)
陣内ユウコ、中野あき(ECHOES)、福井夏(柿喰う客)、他

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