ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

焼失の八月

2017-08-04 21:26:51 | 日記



                     焼失の八月



                  八月は
                  蝉しぐれ
                  青空の中で
                  蝉の声があふれている




                  緑の葉が
                  かさかさと
                  落ちていくのは
                  夏の陽に焼かれてしまったから



                  陽は火になって
                  すべてを焦がして
                  写真も焼け落ちて
                  何もかも壊れて
                  失った



                  八月に
                  いのりをささげるが
                  薄目をして
                  確かめている
                  焔の
                  においが
                  近づいているから




                  八月の
                  蝉は
                  ぬけがらだけを残して
                  姿を消した


         
                  蝉しぐれの
                  あのけたたましい
                  声を
                  消し去る
                  空の
                  轟音


                  朝やけに
                  夕やけに


                  
                                    
                

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