蟷螂の独白

世に背を向けた蟷螂です。´17年1月に僧帽弁閉鎖不全と診断され、2月末にニューハートで弁形成の手術を受けました。

明日の診察

2017-01-03 20:18:04 | 弁膜日記

明日、地下鉄で3つ目のところにある、250床ほどの病院へ診察を受けに行く。正直、心は千々に乱れている。妻と話し合いをしながら、互いに少し感情的になる。

「結局その病院であなたの納得のいく診断が出なかったらどうするの?」

「・・・B先生にC病院への紹介状をもらって・・・」

「そんなドクターショッピングみたいなことしてどうなるの」

「心臓は一つしかない。それも俺の心臓だ」

正直、元旦から蟷螂家は暗かった。唯一笑わせてくれたのは、「ローカル路線バスの旅」くらいか。

「満足のいく治療をしてもらいたいんだ」

72歳で急逝したオヤジの年は超えたい。オヤジは結核で右上葉部切除、輸血でC型肝炎、男性の乳がんに緑内障、網膜剥離に糖尿、痛風と病のデパートだったが、72歳の昼、無痛性の心不全で、病院から帰って5階まで階段を上ってこと切れた。

「少し頭でっかちになりすぎなんじゃないの」

「心臓は理論武装の必要がある」

確かに心内膜炎は命にかかわる割には、誤診も多いようだ。開業医レベルで見つかったのはラッキーだった。いまは聴診もしない町医者が多いと聞く。ならばと、今使っている、ヒューマンボディのおまけについてきた、かわいい色の聴診器では不十分だ。すかさずAmazonを頼ったら、仰々しいやつは「あなたは医療関係者ですか」と聞いてくる。医療関係者とは、どの程度の関係性があれば売ってくれるのか?

「明日はバーバリのトランクスで行く」

「入院する気満々じゃない」

妻が少し涙ぐむ。築いてきた平和な年金暮らしが崩壊寸前だからか。

蟷螂も胸が詰まる。いや、動悸がする。ヒューマンボディの心内膜症の項目は熟読した。熱発は必須ではないが見られ、爪に線状の出血痕が出るというが、どれも必発ではないそうだ。だが、所詮素人では理解は不能だ。

「下駄を預けるに適した医者であればいいんだけど」

「あなたの心ひとつよ」

そう、心は一つしかない。東京2020を見ることができるかどうかの瀬戸際なのだ。今年の夏には小学校のクラス会をやる気満々の友からも賀状が届いている。今日、お不動様に電話を入れ、お札を送っていただく手配もした。事情をお話したら、「ご事情がご事情なので、送料は結構です」といわれた。神仏のご意思を感じた。

もし入院したら、お不動様のお札へのお参りを妻はするだろうか。オヤジの遺影へのお茶などしてくれるだろうか。大相撲初場所をオヤジに見せてくれるだろうか。祖母の命日は、、、幸いなことにひとり息子は安泰のようだ。余計な心配はかけたくない。

「早いうちがいい」

そう、病に対して先手は大事だ。心配に過剰という修飾語は似つかわしくない。明日、名医に出会うことを祈る。

「一人で行こうか」

「ついてきてほしいんでしょ」

「少し貸しがある」

妻が網膜静脈分枝閉そく症の時、毎回病院へ付き添った。レーザーの日も不安がる妻に付き添った。

「言われると思った」

恩着せがましいことは言いたくなかった。妻とは幼稚園以来の付き合いだ。阿吽の呼吸もある。

「言いたくなかったんだ」

ふかさんのコメントが脳裏をよぎる。

『一度、深呼吸です』

 

 

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