蟷螂の独白

世に背を向けた蟷螂です。´17年1月に僧帽弁閉鎖不全と診断され、2月末にニューハートで弁形成の手術を受けました。

ダ・ヴィンチの総括 その2

2017-03-06 15:08:38 | 弁膜日記

自費で高額なダ・ヴィンチによる心臓手術は保険でカバーしてもらえるのではとつい思いがちですが、先進医療も最先端医療保証もききません。それは治験による手術だからです。すべての保険はききません。だから悩ましいのです。自分の心臓は自分だけのもの、キズは最小限にとどめたいと思います。蟷螂には迷いはありませんでした。もし将来死を隣り合わせにした疾患にかかったら、最先端の治療を受ける、そう考えていたからです。心臓の弁の手術には3通りの手法があります。開胸は喉から20cm以上胸骨を切り、広げて治療する方法で、蟷螂が最初にかかった病院でも、掛かり付け医でもそういわれました。そして調べ進んでいくうちに、ポートアクセスという、小切開手術があるところまでたどり着きました。少し薄日が射した瞬間です。ただこれも一部の大学病院や、遠い施設でしか行っていませんでした。感染性が強く疑われる僧帽弁閉鎖不全症なので、一刻の猶予もありません。さっと検査し、さくっと切ることが求められるのに、じっくり構えられてはたまりません。同居人の理解は最後まで得られませんでした。保険大好き主婦なので、蟷螂の決定に横やりを入れてきました。オプションがつくのではないかという疑念です。ところがオプションどころか、最初に保険で払った検査費用まで返金されました。長期間、徒に治療費をかけて手術を回避し、結局高齢になって体力が衰え心機能も悪くなってからの手術という愚を避けなければ、後悔するでしょう。またその間にもしものことがあれば、後悔もできません。蟷螂が大学病院での手術を避けたのもそこにあります。大学病院もメジャーになればなるほど混みます。蟷螂が行ったJ大学附属病院などはその典型でしょう。確かに交通の便もよく、教授連も充実していますが、座る場所もないほどの混雑ぶりは、蟷螂の正確には合いませんでした。
血眼になって探し回ると、あるひとつのサイトが必ずヒットするようになっていることに気づきました。そこではダ・ヴィンチというサージェリーマシンを使って体に小さな穴を開けるだけで手術ができるというのです。正直半信半疑だけでなく、ポートアクセスとどこが違うのか、わかりませんでした。それでも体力をあまり奪われないで手術でき、痛みも少なく、わがままな私にぴったりの、全室完全個室であることも魅力的でした。また、病院食にも力を入れていることも謳っていました。まずメールで問い合わせるという、かつてない診察の申し込みに躊躇いましたが、蟷螂はネット歴21年、NASAのサイトしかない頃からインターネットを趣味としているので、5秒程迷って送信ボタンを押しました。あらかじめ病状はワードでまとめてあったので、そのまま送ったのです。医師は重労働、メールチェック等真夜中ではないだろうかと思っていましたが、1時間ほどで返信が来て、その後コンシェルジュの方から電話をいただき、スムーズに診察予約もできました。そして東京を東から西へ1時間移動して病院へたどり着いたのは1月16日の午後です。先生に切々とこれまでの経過をお話しすると、ダ・ヴィンチでいけるかもしれないとお返事をいただきましたが、その瞬間は複雑でした。380万円のキャッシュを用意しなければならないのです。保有株式を処分すればなんとかなる。決断するまで0.5秒。
「ダ・ヴィンチでお願いします」
しかし検査の結果、または中を覗いてみないとダ・ヴィンチが適応されるかどうかわからないと、先生はあくまで慎重でした。とりあえず経食道エコー検査の予約を入れてその日は帰宅しました。翌日はJ大学病院の初診です。ここは開胸一沢なので期待していませんでした。そして案の定混雑していました。驚いたのは精算機の前です。患者か家族かわかりませんが、しゃがみこんでいる人もいました。座る場所もないほどです。先生はパソコンとにらめっこ。
「頭がちょっといたいんですが」と訴えると、じゃあMRI撮りましょうかと親切におっしゃっていただきましたが辞退しました。深みにはまると抜き差しならない事態になりそうな気配を察したからです。
「いえ、いまはいたくありません」と強がりを言ってJ大学病院をあとにしました。なつかしい母校、M大学の前を通り神保町へ向かいましたが、途中で息苦しさを覚えて結局タクシーで帰宅しました。そのごネットでダ・ヴィンチでの心臓手術を検索すると、蟷螂の診察をなさった先生は、ダ・ヴィンチを使った心臓手術のパイオニアであり大御所で、youtubeでも公開されていました。蟷螂はJ大学病院の経食道エコーをキャンセルし、ダ・ヴィンチ一本に絞り退路を断ちました。
(つづく)
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