今日は土用の丑の日、うなぎ受難の日です。
残念ながら、私はうなぎなんて贅沢はできませんが。
もう数年、うなぎを食べていません。
うなぎ料理といえば、名古屋名物、ひつまぶしもあります。私の彼女が名古屋に来たとき、ひつまぶしをごちそうしたら、とてもおいしいと喜んでいました。
ひつまぶしのことを、間違えて“ひまつぶし”といったりすることがあります。
子供のころだと、金曜日なのに、なぜ土曜? なんて疑問がありました。
『地球最後の男――永遠の命』も今回で7回目です。
その夜、田上は店に出た。一〇時ごろ、またやさぐれ軍団の三人がやってきて、酒を飲んでいた。三人は店に出てきた田上を見て、驚いたようだった。
「私の顔に何か付いていますか?」
田上は何気ないふうを装って訊いた。
「いや、何も。あれからチンピラどもは悪さをしていないかね?」
「はい、おかげさまで、静かなものです。先週、あのチンピラたちを追い払ってくれたおかげですな」
三人は顔を見合わせた。「当分立てないように、ボコボコにボコってやった」という報告を受け、店に様子を見に来たのに、店長は痣一つない、きれいな顔をしている。まさか間違えて他人を襲ったのでは? 男たちは不安になった。三人は勘定を済ませ、早々に立ち去った。
「いつもありがとうございます。またよろしくお願いします」
田上は皮肉を込めて見送った。
その翌日のことだった。店に柄のわるい男五人がやってきて、店長を出せ、とすごんだ。
「いったい何の用ですか?」
田上はその男たちが先日自分を襲った者たちだと気がついたが、平然としていた。
「ちょっと顔貸してもらおう。そこまで来てくれや」
田上は店の中で暴れられてはたまらないと思い、ついていくことにした。心配顔で見守るバーテンやホステスたちに、「なに、心配することはない。ちょっと留守するが、店を頼んだぞ」と言いつけた。
田上はやさぐれ軍団の道場に連れていかれた。待っていたのは例の三人だった。それから、もう一人五〇歳を超えていると思われる男がいた。
「何の真似ですか? これは」
不死身の身体になった田上に恐怖はなかった。ただ、痛い目に遭うのはいやだなという思いは脳裡をよぎった。不死身でも痛いものは痛い。
「質問するのはこっちのほうだ。これから訊くことに、正直に答えてもらおう。一昨日の深夜、おまえはこいつたちに襲われたのか?」
三人のうちの兄貴格と思われる男が田上に尋ねた。
「さあ、襲われたって何のことだか?」
田上はとぼけた。
「そうだな。いくら何でも、明け方に大怪我をして、夜無傷でいるはずがない。やはりおまえら、人違いをしたな?」
兄貴格はチンピラたちを睨んだ。
「そんなことはねえ。俺たち、絶対人違いなどしてませんよ」
チンピラの一人が怯えながら言った。
「ならどうしてこの店長さんは無傷だったんだ。俺たちは次の夜、さっそく確認に行ったが、店長さんは傷一つなく、ぴんぴんしていたぞ」
「本当に間違いないですって。俺たちだってこいつの顔はよく知ってます。あのときも間違いないと確認しましたから」
「暗がりで間違えたんじゃないのか?」
「いえ、そんなことありません。俺たちみんなこいつの顔は知ってます。人違いだと大変なので、みんなで確認しました。おい、あんた、間違いなく俺たちに襲われたと言ってくれよ。間違えて別のやつをボコボコにしたとあっちゃあ、俺たち指(エンコ)詰めなくっちゃならないんだよ」
チンピラの一人が田上に泣きついた。
「そういうことか。親からもらった身体に傷をつけるのはかわいそうだ。確かに俺はそいつらに襲われた。昨日の明け方、自宅の近くでな。かなりひどくやられたがな」
店の中ではないので、田上も乱暴な言葉を遣った。やくざ相手に丁寧な対応をするのがしゃくだった。そんな押し問答をするのは、自ら自分たちがやったと認めているようなものなのに、他人をわけもなく袋叩きにして、万一問題になってはさらにまずいことになると考えているのだろう。
しかし、指を詰めるということから、もし腕を切り落とされた場合、いくら不死身だといっても、腕は再生できるのか、ふと不安がよぎった。ただ、南アルプスの転落事故では頭が砕けたはずなのに、元に戻っていたので、おそらく大丈夫だろうと、あえて考えた。
「それならなぜあんたには傷一つついてなかったんだ? 俺が様子を窺いに行ったときには、襲われて一日も経っていなかったんだぞ」
「私はこう見えてもけっこうタフでしてね。それに回復も早いし。本来なら、あんたたちがやったことは傷害罪として警察に訴えてもいいんですけどね。今の話、すべてICレコーダーに録音していますよ。しかしもう用心棒の話はいっさいなしにするということで、手を打ちませんか。暴対法で、みかじめ料はもう無理ですよ」
「あんた、いい度胸してるね。俺たちを恐喝しようというのか? 傷害罪は親告罪だが、あんたの状態を見ていると、とても暴行を受けたという感じには見えないね。それじゃあ暴行を受けたといっても、警察は信じないぞ。それとも、服に隠れている部分に傷があるのかね?」
兄貴格は田上を睨んで、すごんだ。田上は自分は不死身なのかどうかは、まだ完全には確証がなかったとはいえ、一昨夜の回復力を考えると、それほど恐ろしいとは思わなかった。しばらく兄貴格との睨み合いが続いた。
「あんたにゃ負けたよ。あんたの店には、これからいっさいちょっかいは出さない。約束する」
兄貴格が負けを認めた。すると、それまで無言でいた五〇歳ぐらいの男が、「あんた、気に入ったよ。飲み屋の店長にしておくのは惜しいぐらいだ。よかったらうちの組に来ないか? それ相応の待遇はさせてもらう。俺は大杉組若頭補佐の薮原正治(やぶはらまさはる)だ」 と田上を誘った。大杉組は日本最大級の暴力団、道心会(どうしんかい)の中核をなす組織だ。
まさか暴力団からスカウトされるとは思ってもみなかった田上は、驚いた。若頭補佐といえば、かなりの大物だ。田上はやくざになる気はなかったが、あからさまに断ってもまずいと思い、「そうですね。まあ、考えてみます」と曖昧に応えておいた。
その後、ときどき大杉組の組員たちがマルミに飲みに来るようになった。とはいえ、騒ぎを起こすこともなく、田上を席に呼び、世間話などをしていった。客として対応する程度なら、暴力団員への便宜の供与には当たらない。代金はきちんと支払ってもらっている。
ときには薮原が来て、「この前の話、そろそろどうかね」と決心を促したりもした。田上の勧誘が目的の一つでもあるのだろう。最初は大杉組の組員を怖がっていたバーテンやホステスたちも、田上が「彼らは店の中では何もしやしないよ。やくざだからといって避けることはせず、ほかの客と同様に扱ってやってくれ。変な遠慮などすれば、かえってめんどうになるかもしれん」と言い聞かせ、やがて恐れなくなった。
店員たちはひょっとして田上がみかじめ料の支払いに応じたのではないかといぶかった。けれども田上はそれを頑として否定した。田上の決然たる態度にやくざたちも敬意を払ったという説明に、店長ならあるいはそんなことがあるかもしれないと、店員たちは納得した。
そんなある日のこと、事件が起こった。薮原は田上を横に侍らせ、酒を飲んでいた。すると、慌ただしく入ってきた若い男が、いきなり拳銃を取り出し、薮原に向け、何発も発射した。大きな銃声が鳴り響いた。悲鳴が店内を飛び交った。薮原の近くには、何人もの用心棒がいたが、とっさのことで、なすすべがなかった。だが、異変を感じた田上は、若い男が拳銃を振りかざした刹那(せつな)、薮原をかばって、前に躍り出た。弾丸は三発田上に命中した。一発は心臓を貫いていた。拳銃を発射した若い男は、そのあと、逃げることを忘れたかのように、放心してその場に座り込んでしまった。用心棒たちはその男を取り押さえ、殴る蹴るの暴行を加えた。
「だめだ。田上さんは心臓を撃ち抜かれている。それ以外にも胸や腹部の急所に当たっている」
何度も修羅場をくぐり抜けてきた薮原は、さすがに落ち着きを取り戻し、倒れている田上を見た。
「田上さんは俺を守ってくれたんだ。用心棒どもは役に立たなかったのに」
薮原は、若く見えるが、自分より年上の田上には、さん付けで呼んでいた。薮原は田上に瞑目した。すると、わずかに田上が動いた。
「まさか、まだ生きている? 心臓を撃ち抜かれているのに。それとも、わずかに心臓を逸れているのか?」
薮原は驚いた。田上はさらにうなり声を上げ、そして目を覚ました。
「ば、ばかな。心臓を貫通されて生きているだと?」
「やはり俺、不死身なのですかね。弾は心臓に当たっているはずなのに、もう傷は治ってしまったようです」
田上はゆっくり立ち上がった。薮原は驚愕のあまり、何も言えなかった。
「薮原さん、俺が不死身だということは、内緒にしておいてください。あくまでも弾は当たってなかったということに」
田上は小声で薮原に頼んだ。薮原は頷くしかなかった。
まもなく警官と救急車がやってきた。救急隊員は薮原の用心棒たちに袋叩きにされた男だけを救急車に搬入した。暴力団員同士の抗争として、大杉組の組員たちは警察に連行された。また、田上も目撃者として、同行を依頼された。田上は警官が到着する前に、銃撃により、血で汚れた服を着替えておいた。
残念ながら、私はうなぎなんて贅沢はできませんが。
もう数年、うなぎを食べていません。
うなぎ料理といえば、名古屋名物、ひつまぶしもあります。私の彼女が名古屋に来たとき、ひつまぶしをごちそうしたら、とてもおいしいと喜んでいました。
ひつまぶしのことを、間違えて“ひまつぶし”といったりすることがあります。
子供のころだと、金曜日なのに、なぜ土曜? なんて疑問がありました。
『地球最後の男――永遠の命』も今回で7回目です。
その夜、田上は店に出た。一〇時ごろ、またやさぐれ軍団の三人がやってきて、酒を飲んでいた。三人は店に出てきた田上を見て、驚いたようだった。
「私の顔に何か付いていますか?」
田上は何気ないふうを装って訊いた。
「いや、何も。あれからチンピラどもは悪さをしていないかね?」
「はい、おかげさまで、静かなものです。先週、あのチンピラたちを追い払ってくれたおかげですな」
三人は顔を見合わせた。「当分立てないように、ボコボコにボコってやった」という報告を受け、店に様子を見に来たのに、店長は痣一つない、きれいな顔をしている。まさか間違えて他人を襲ったのでは? 男たちは不安になった。三人は勘定を済ませ、早々に立ち去った。
「いつもありがとうございます。またよろしくお願いします」
田上は皮肉を込めて見送った。
その翌日のことだった。店に柄のわるい男五人がやってきて、店長を出せ、とすごんだ。
「いったい何の用ですか?」
田上はその男たちが先日自分を襲った者たちだと気がついたが、平然としていた。
「ちょっと顔貸してもらおう。そこまで来てくれや」
田上は店の中で暴れられてはたまらないと思い、ついていくことにした。心配顔で見守るバーテンやホステスたちに、「なに、心配することはない。ちょっと留守するが、店を頼んだぞ」と言いつけた。
田上はやさぐれ軍団の道場に連れていかれた。待っていたのは例の三人だった。それから、もう一人五〇歳を超えていると思われる男がいた。
「何の真似ですか? これは」
不死身の身体になった田上に恐怖はなかった。ただ、痛い目に遭うのはいやだなという思いは脳裡をよぎった。不死身でも痛いものは痛い。
「質問するのはこっちのほうだ。これから訊くことに、正直に答えてもらおう。一昨日の深夜、おまえはこいつたちに襲われたのか?」
三人のうちの兄貴格と思われる男が田上に尋ねた。
「さあ、襲われたって何のことだか?」
田上はとぼけた。
「そうだな。いくら何でも、明け方に大怪我をして、夜無傷でいるはずがない。やはりおまえら、人違いをしたな?」
兄貴格はチンピラたちを睨んだ。
「そんなことはねえ。俺たち、絶対人違いなどしてませんよ」
チンピラの一人が怯えながら言った。
「ならどうしてこの店長さんは無傷だったんだ。俺たちは次の夜、さっそく確認に行ったが、店長さんは傷一つなく、ぴんぴんしていたぞ」
「本当に間違いないですって。俺たちだってこいつの顔はよく知ってます。あのときも間違いないと確認しましたから」
「暗がりで間違えたんじゃないのか?」
「いえ、そんなことありません。俺たちみんなこいつの顔は知ってます。人違いだと大変なので、みんなで確認しました。おい、あんた、間違いなく俺たちに襲われたと言ってくれよ。間違えて別のやつをボコボコにしたとあっちゃあ、俺たち指(エンコ)詰めなくっちゃならないんだよ」
チンピラの一人が田上に泣きついた。
「そういうことか。親からもらった身体に傷をつけるのはかわいそうだ。確かに俺はそいつらに襲われた。昨日の明け方、自宅の近くでな。かなりひどくやられたがな」
店の中ではないので、田上も乱暴な言葉を遣った。やくざ相手に丁寧な対応をするのがしゃくだった。そんな押し問答をするのは、自ら自分たちがやったと認めているようなものなのに、他人をわけもなく袋叩きにして、万一問題になってはさらにまずいことになると考えているのだろう。
しかし、指を詰めるということから、もし腕を切り落とされた場合、いくら不死身だといっても、腕は再生できるのか、ふと不安がよぎった。ただ、南アルプスの転落事故では頭が砕けたはずなのに、元に戻っていたので、おそらく大丈夫だろうと、あえて考えた。
「それならなぜあんたには傷一つついてなかったんだ? 俺が様子を窺いに行ったときには、襲われて一日も経っていなかったんだぞ」
「私はこう見えてもけっこうタフでしてね。それに回復も早いし。本来なら、あんたたちがやったことは傷害罪として警察に訴えてもいいんですけどね。今の話、すべてICレコーダーに録音していますよ。しかしもう用心棒の話はいっさいなしにするということで、手を打ちませんか。暴対法で、みかじめ料はもう無理ですよ」
「あんた、いい度胸してるね。俺たちを恐喝しようというのか? 傷害罪は親告罪だが、あんたの状態を見ていると、とても暴行を受けたという感じには見えないね。それじゃあ暴行を受けたといっても、警察は信じないぞ。それとも、服に隠れている部分に傷があるのかね?」
兄貴格は田上を睨んで、すごんだ。田上は自分は不死身なのかどうかは、まだ完全には確証がなかったとはいえ、一昨夜の回復力を考えると、それほど恐ろしいとは思わなかった。しばらく兄貴格との睨み合いが続いた。
「あんたにゃ負けたよ。あんたの店には、これからいっさいちょっかいは出さない。約束する」
兄貴格が負けを認めた。すると、それまで無言でいた五〇歳ぐらいの男が、「あんた、気に入ったよ。飲み屋の店長にしておくのは惜しいぐらいだ。よかったらうちの組に来ないか? それ相応の待遇はさせてもらう。俺は大杉組若頭補佐の薮原正治(やぶはらまさはる)だ」 と田上を誘った。大杉組は日本最大級の暴力団、道心会(どうしんかい)の中核をなす組織だ。
まさか暴力団からスカウトされるとは思ってもみなかった田上は、驚いた。若頭補佐といえば、かなりの大物だ。田上はやくざになる気はなかったが、あからさまに断ってもまずいと思い、「そうですね。まあ、考えてみます」と曖昧に応えておいた。
その後、ときどき大杉組の組員たちがマルミに飲みに来るようになった。とはいえ、騒ぎを起こすこともなく、田上を席に呼び、世間話などをしていった。客として対応する程度なら、暴力団員への便宜の供与には当たらない。代金はきちんと支払ってもらっている。
ときには薮原が来て、「この前の話、そろそろどうかね」と決心を促したりもした。田上の勧誘が目的の一つでもあるのだろう。最初は大杉組の組員を怖がっていたバーテンやホステスたちも、田上が「彼らは店の中では何もしやしないよ。やくざだからといって避けることはせず、ほかの客と同様に扱ってやってくれ。変な遠慮などすれば、かえってめんどうになるかもしれん」と言い聞かせ、やがて恐れなくなった。
店員たちはひょっとして田上がみかじめ料の支払いに応じたのではないかといぶかった。けれども田上はそれを頑として否定した。田上の決然たる態度にやくざたちも敬意を払ったという説明に、店長ならあるいはそんなことがあるかもしれないと、店員たちは納得した。
そんなある日のこと、事件が起こった。薮原は田上を横に侍らせ、酒を飲んでいた。すると、慌ただしく入ってきた若い男が、いきなり拳銃を取り出し、薮原に向け、何発も発射した。大きな銃声が鳴り響いた。悲鳴が店内を飛び交った。薮原の近くには、何人もの用心棒がいたが、とっさのことで、なすすべがなかった。だが、異変を感じた田上は、若い男が拳銃を振りかざした刹那(せつな)、薮原をかばって、前に躍り出た。弾丸は三発田上に命中した。一発は心臓を貫いていた。拳銃を発射した若い男は、そのあと、逃げることを忘れたかのように、放心してその場に座り込んでしまった。用心棒たちはその男を取り押さえ、殴る蹴るの暴行を加えた。
「だめだ。田上さんは心臓を撃ち抜かれている。それ以外にも胸や腹部の急所に当たっている」
何度も修羅場をくぐり抜けてきた薮原は、さすがに落ち着きを取り戻し、倒れている田上を見た。
「田上さんは俺を守ってくれたんだ。用心棒どもは役に立たなかったのに」
薮原は、若く見えるが、自分より年上の田上には、さん付けで呼んでいた。薮原は田上に瞑目した。すると、わずかに田上が動いた。
「まさか、まだ生きている? 心臓を撃ち抜かれているのに。それとも、わずかに心臓を逸れているのか?」
薮原は驚いた。田上はさらにうなり声を上げ、そして目を覚ました。
「ば、ばかな。心臓を貫通されて生きているだと?」
「やはり俺、不死身なのですかね。弾は心臓に当たっているはずなのに、もう傷は治ってしまったようです」
田上はゆっくり立ち上がった。薮原は驚愕のあまり、何も言えなかった。
「薮原さん、俺が不死身だということは、内緒にしておいてください。あくまでも弾は当たってなかったということに」
田上は小声で薮原に頼んだ。薮原は頷くしかなかった。
まもなく警官と救急車がやってきた。救急隊員は薮原の用心棒たちに袋叩きにされた男だけを救急車に搬入した。暴力団員同士の抗争として、大杉組の組員たちは警察に連行された。また、田上も目撃者として、同行を依頼された。田上は警官が到着する前に、銃撃により、血で汚れた服を着替えておいた。