売れない作家 高村裕樹の部屋

まだ駆け出しの作家ですが、作品の情報や、内容に関連する写真(作品の舞台)など、掲載していきたいと思います

自作御三家

2012-01-31 18:21:33 | 日記
 新作『幻影2 荒原の墓標』で、主人公の美奈を、作家に転進させました。

 美奈は山と共に、星にも興味を持ち、高校時代は星をテーマにした作品を書いていたようです。

 私も小学生のころから天文に興味を持ち、中学、高校時代にはスリービーチ、ダウエル(成東商会)という、当時お金がない天文ファンの味方? といわれたメーカーのカタログを毎日見て、いろいろな夢を描いていました。

 スリービーチ、ダウエルはパノップと共に、自作御三家といわれていたようです。

 当時一流メーカーといえば、ニコン、五藤、高橋製作所などがあげられ、それに次いでアストロ、ミザール、カートン、ビクセンなどが続きました。

 私もタカハシのセミアポクロマートやアポクロマート、堅牢な赤道儀には憧れていましたが、けっこう値段が高く、とても買えませんでした。ニコン、五藤はさらに高嶺の花でした。アスコ(旭精光)の16センチ反射経緯台を持っている友人をうらやましく思いました。

 天文班の先輩が、資金が貯まり、さあ、憧れのニコン8センチ赤道儀望遠鏡を買おうとした矢先、89,500円から168,000円に一気に値上がりし、五藤光学に変更したという逸話があります。

 『幻影』 207ページで、そのエピソードを使わせてもらいました。天文ガイドの広告を見て、ニコンの望遠鏡の値段が変わっていましたが、一気に2倍近く値上がりしていたので、最初は誤植だと思っていました。

 私は安いスリービーチやダウエルの製品をよく買いました。

 スリービーチ

 4センチ反射経緯台 初めて買った天体望遠鏡でした。これはまさにおもちゃでしたが、40ミリという小さな口径で500ミリという長い焦点距離だったため、意外とよく見えました。倍率は40倍です。架台が貧弱で、目標の天体を導入するのに苦労しました。

 6センチ屈折経緯台 当時は高倍率がほしかったので、ファインダーがなく、160倍になる接眼鏡が付いている機種を選んでしまいました。微動装置もなく、160倍は使い物になりませんでした。60ミリの口径で焦点距離が800ミリだったため、色収差はあまり気になりませんでした。木星の縞模様や衛星、土星のリングがそこそこ見え、感激でした。ただ、架台が弱く、視野の中を星が縦横に駆け巡っていたのは言うまでもありません

 スリコールスーパーオルソという低価格のアイピース(接眼鏡)6ミリ12.5ミリを買いましたが、意外とよく見えて、当たりを射止めたように感じました(笑)。

 前にも書きましたが、スリービーチの一眼レフ用交換レンズ(確かスリコールリライアンスレンズという名称でした)、ペンタックスKマウント用の35mm、135mm、200mmも買いました。それらは安い割にはそこそこ使え、重宝しました

 次はダウエルです。

 初めてのダウエルは、試しに4センチシングルレンズを買い、塩ビ管につけて自作しました。シングルでしたが、焦点距離が長かったため、4センチとしてはそこそこ見えました。焦点距離が何ミリだったかは記憶していませんが、600ミリぐらいはあったでしょうか。

 9センチ反射経緯台 当時、よく売れていたエイコーのものと外見がそっくりでした。
しかし性能はかなり違っていました。月はきれいに見えましたが、木星や土星は9センチにしてはやや不満でした。コマ収差がかなりあり、恒星が歪んで見えました。当時、高校に古いニコンの6.5センチ屈折赤道儀があり、口径ではずっと小さいのに、ダウエル9センチよりはるかによく見え、失望を感じました。しかし当時は天文ガイドの広告のページを飾っていたダウエルの12センチや15センチ反射赤道儀に憧れていました(笑)。「本邦最古の専門メーカー、素晴らしい製品だと益々大好評です」なんていう宣伝につられていました。まあ、ダウエルには夢を与えられました。

 その後はミザールニューアポロ型(68mm屈折赤道儀)、H100型(100mm反射赤道儀)、80mmフローライト、タカハシ65mmV-1、MT130、MT160などを買いましたが、それらは期待以上にいい望遠鏡でした

 残念ながら、御三家のうち、パノップ光学は買ったことがありません。

 しかし最近のホームセンターなどで売っている激安の望遠鏡は、月さえ満足に見えないと聞いたことがあります。スリービーチ、ダウエルは月はきれいに見えたので、それよりはずっとよかったようです。

 またいつかは天体写真の撮影をしてみたいと思います。
 

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2 コメント

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始めまして (ケルナー)
2016-04-05 11:42:12
こんにちわ。3Bリライアンスで辿り着きました。
いや~懐かしいですね!
僕もダウエル・スリービチなどの宣伝文句を鵜呑みにして部品など購入していました。望遠鏡は買わなかったですけど・・・
悪の御三家?「スリービーチ・ダウエル・パノップ」はそう呼ばれているようですが当たりはずれが大きいメーカーでしょうか?!当たりを引いた方はそんなに低評価ではありません。はずれ>当たりの差が大きかったんでしょう。

やはりニコン・五藤は別格でしたね(^_-)-☆高値の華でとても子供では買えませんでした。

貧乏な?天文少年たちが夢中になっていたよき昭和の時代でしたね~

そうそう、最近は銀塩写真に回顧しようと機材整備をしています。デジタルの良さは認めますがクラシカルなカメラでスローな撮影も一興かと思っています。
写真の腕はフィルムカメラで覚えましたから。
で、スリコールリライアンス135mmF2.8が出て来ました。中学の時、購入したものです。

当然、押し入れの中に入ってましたがカビは表面のみ、後ろ玉のコーティングが剥がれ気味ですが使用は大丈夫でしょう~
カメラ雑誌でスリコールの200mmのレポート評価でよかったんで購入した記憶があります。

天体写真も随分やりましたが今はベランダ観望です。
8cmF15と5cmF16屈折鏡筒の小口径屈折のみ手元に残し月・惑星・二重星観望です。

火星接近では初のスケッチに挑戦しようと思っています。

最後に眼底出血、無理をせずに労わってくださいね。
ながながすみませんでした。
懐かしいですね (高村裕樹)
2016-06-24 01:22:16
 古い投稿だったので、コメントに気づかず、遅くなりました。
 今は天体望遠鏡メーカーが高橋、ビクセンの2強のみとなった感があります。ミザールやケンコーもそこそこ頑張っているようですが。大きな反射望遠鏡を生産しているメーカーもありますが、ハイアマチュア以上が対象のようですし。それ以外はミードやセレステロンなど、海外のメーカーですね。
 以前はニコン、五藤のほか、アストロやカートン、エイコーなど懐かしいメーカーが群雄割拠していましたが。
 その中で、ダウエル、スリービーチ、パノップの御三家は異彩を放っていました(笑)。
 私は今はなかなかのんびりと天体撮影などをする余裕がありませんが、またいつか空のきれいな場所で、望遠鏡を担いで星を見てみたいと思っています。

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