オイラは、ボイラ 寒がりボイラ

6月から9月まで迄の4か月間は、失業状態ですが、冬期間はボイラーマンとして出身高校を暖めています。

暑さ本番、工場内は35度以上

2017年04月08日 07時02分55秒 | 北のポエム・北海道発のエッセー
 八月に入り暑い日が続く中、美也は工場の製品管理をしていた。
出荷の時は、リフトで製品を積み込み、在庫確認などの仕事があり、結構忙しい。パソコンで在庫管理している
ので、実際の製品の数合わせをしなければならないので、工場の機械が止まった後も残業をしなければならない。
工場内は、一部冷房も効いているところもあるが、殆どの場所は、気温が30度以上ある。美也が働いている倉庫は
熱がこもっていて、35度になる時もある。工業用扇風機で風を廻してはいるがいつも汗でべとべな状態だ。
6月は65時間の残業で7万円の手当てが付いた。休みの日と水曜日の夕方からは自動車学校に行くので、殆ど、
自分の自由になる日がなく、彩夏とはしばらく逢っていない。電話で、現状を伝えると「美也君、急がしそうで大変ね
バイクの免許がんばってね。」と言ってくれた。「免許証が来たら、中古のスクーターが届くんだ。乗り慣れたら、
鎌倉までツーリングに行くよ。」と彩夏に伝えると、「うそ~、バイク買ったの?すごいね。乗るの楽しみでしょう。」
と言われ、少し自慢げになる美也だった。

 浦嶋製作所は、自動車部品の他に新規契約で、アルミ製のボートの製作を始めることになった。
災害用で使用する15フィートタイプのボートで、湖や沼、川で釣りにも使用で来るタイプであった。
長さ4.5m、巾1.5mで、深さ60cm程で軽自動車ぐらいの大きさだ。4人乗りの小型ボートだ。
社長の知り合いの造船所から頼まれ、受注生産するらしい。船舶専門の技師が出向して来て、浦嶋製作所の
職人を指導しながら製造する様だ。アルミ加工は得意分野の会社だけにボート製作を依頼してきたのだろ。
美也には直接関係のないところで仕事が進むので、負担はない。近々、工員を数名採用するらしい。
多角経営に乗り出した理由は、自動車業界も新車が売れず、受注が減って来た様だ。更に自動車メーカーが
製造部品の単価を3パーセント値引くように要求してきたらしい。孫会社の様な存在だけに、立場は小さい。
大手自動車企業の要求は呑まずにはいられないのだ。今後、浦嶋製作所は、積極的に多角経営に乗り出すだろう。

 美也は自分は、倉庫の製品管理だけでは終らないと強く思っていた。
いずれは、専門性の高い金属加工の仕事に就きたいと考えていた。物を作る楽しみを実感したい美也であった。
出世こそは望んでいなかったが、会社に認められるような仕事をして、給料も人より多く欲しいと思っていた。

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