シガナイ介護士は初心者かめらまん 北の四季田舎暮しブログ

医者から『こりゃ~、70歳代の体だわ。』と爆弾発言を浴びた50男は、ド田舎で日々精進。
味噌ラーメン大好きでっせ。

工場長から夕食をご馳走になる。

2017年03月20日 19時46分41秒 | 北のポエム・北海道発のエッセー
5日間のゴールデンウイークも終わり美也は、倉庫での製品管理を大分覚えて、リフトの運転も
スムーズに出来るようになり、仕事に余裕が出てきた。間も無く梅雨入りなのか、ぐずついた
天候が続く5月の最後の週の金曜日に、17時に仕事が終わると工場長から「今日晩飯を食べに
行こうや。」「なんか様でもある?」と声がかかった。「いいえ、大丈夫です。」「僕だけですか」
と聞き返した。すると、「ああ、チョット話があるんだ。」と言う。工場長のお気に入りの店に
案内された。和風居酒屋で、魚料理が主体の店の様だった。工場長は生ビールとアジの開きを
焼いた物を頼んだ。「何でも遠慮せずに注文しなさい。」と美也に言って来た。「はい、それじゃ
鯖の味噌煮定食とジンジャーエール」「あとホヤ酢も下さい。」と美也が注文した。「ホヤ酢なんて
シブイもの好きなんだなぁ。」と工場長がニヤッとした表情でつぶやいた。はじめに飲物が出て来て、
2人は乾杯をした。店が混んでいて料理が出てくるまでには、時間がかかりそうな雰囲気であった。
工場長が、話を始めた。「実は、西田主任の事なんだけどな、どうだ、上手くやってるか。」「はい、
色々教えてもらっています。」と美也が言うと、「そうか、それは良かった。」と工場長は、安堵の
顔で「西田主任は、口数が少ないからな、下に付いた者が長続きしないんだよ。」「真面目で良い
人柄なんだけどな。」美也は、同調する様にうなずいた。工場長はビールを半分程、飲み干してから
「そうだ、ビール飲めるんだったら飲んで良いんだぞ、注文するか?」と美也に問いかけた。
「いいえ、結構です。あと1年ぐらいは未成年なんで、遠慮しときます。」とキッパリ美也はいった。
「そうか、エライな自分。」と工場長は言い、自分のビールのおかわりを頼んだ。少し酔いが入った
ところで、工場長は「西田主任から退職願が出ているんだわ。」「前に住んでいた大阪に母親と
一緒に帰りたいらしく、今年いっぱい12月で辞めたいと言って来た。」と美也に話してきたのだ。
「仕事に慣れた男を失うのが、今は辛いところだがな、仕方ないか。」と、うなだれ気味になり、
少し間を置いて、今度は美也の顔をしっかり見つめて「そこでだ北石君、君が西田主任の後がまに
なってくれないかね。」それを聞いて、美也は驚いた。まだ入社して間もない美也に、真剣な表情
で西田主任の後任を頼んできたのだ。工場長は、西田主任が半年で北石を一人前に育てると約束
して来た事を美也に話した。困った美也は、「あと半年で西田主任の様に仕事をこなす自信が
ありません。」と工場長に訴えた。「北石君、西田主任は君なら出来ると太鼓判を押しているんだよ。」
「大丈夫、梱包のパートさんも9月から1人増やす予定だし、西田主任は今まで以上に君にあれこれと
指示を出す事だろうし、4〜5ヶ月もあれば一通り出来る様になるはずだから安心して仕事を覚えて
欲しい。」ここまで言われると返す言葉が無い美也であった。アジの開きと鯖の味噌煮定食とホヤ酢
が出され、二人はしばらく食べる事に専念した。二杯目のビールを飲み終えた工場長は、熱燗と
おさしみ盛り合わせ二人前を注文して美也に「君も何か飲み物注文して。」と言って来た。
美也は、ウーロン茶を注文した。工場長は、「北海道なら新鮮な刺身がたくさんあるんだろう。」
「関東は、マグロが美味いぞ。中トロもいいけど、赤身も美味い。茨城沖で獲れた新鮮なマグロだ。」
美也は、「僕はホタテとホッキ貝が好きなんです、ホタテは、家のすぐ前の海で養殖ものが、
上がるんです。」と話した。5分程でお刺身盛り合わせと熱燗とウーロン茶が出てきた。マグロ赤身、
ブリ、赤貝、イカ、甘エビの五点盛りはボリュームがあり、特にマグロとブリは大きな切り身であった。
美也は迷わず、「ご飯頼んでいいですか。」と言い、中盛ご飯を頼み、関東の刺身の味を楽しんだ。
赤身は、濃厚なマグロの味であり、ブリの脂もあっさりとしている。赤貝、イカは歯ごたえが良く、
シャキシャキしている。甘エビは人差し指より太く、味が凄く濃い。美也が北海道で食べていた
刺身とは比べ物にならない味だった。工場長は、熱燗で更に酔いが増し、「北石君頼むな。」と
美也に、檄を飛ばした。とりあえず、がんばってみようと美也は、覚悟を決めた。






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