シガナイ介護士は初心者かめらまん 北の四季田舎暮しブログ

医者から『こりゃ~、70歳代の体だわ。』と爆弾発言を浴びた50男は、ド田舎で日々精進。
味噌ラーメン大好きでっせ。

工場勤め開始、張り切る美也。

2017年03月07日 09時24分06秒 | 北のポエム・北海道発のエッセー
 3月15日(月曜日)今朝は、6時前に目が覚めた。
いよいよ仕事始めだ。工場での金属加工の仕事はテレビで見たことはあるが、実際は難しいのだろうか。美也の頭の中を不安がよぎった。
朝食を済ませ、寮母さんに作ってもらった弁当を持ち、7時半に寮を出た。工場に着くと、先にスクーターで来ていた1つ先輩の
山口良平が作業着を手渡してくれた。「これに着替えなよ。」気さくな感じでの笑顔が印象的だった。
少しすると、総務係長の伊藤がやってきて、美也を皆に紹介した。工場長の遠藤元は、50歳代後半でベテラン職人の風格が
顔の表情から滲み出ていた。「よろしくな。君は最初、製品管理と搬送、出荷業務をやってもらうから。」と美也の顔見て、
言って来た。「はい。」とだけ答えるしかなかった。遠藤は離れたところで、リフト車を点検していた40歳代前半の男に、
「西田主任、北石君の面倒を見てやってくれ。」と言い、美也を紹介した。真面目そうな人だったが、表情は冷たく無愛想であった。
美也は、「この人が、オレの上司?」と心で思った。「北石です。よろしくお願いします。」と挨拶すると、「あ~、よろしく。」と
だけ返してきた。8時になり、始業のチャイムが鳴り各部署に皆移動していった。3つある大きな建屋の内1つは倉庫であり、製造された
物をリフトで、高く積み上げてあった。西田主任は、美也を呼びつけた。「ここの倉庫に、出来た製品を運んで梱包し、保管管理する。
火曜日と金曜日が出荷日や、トラック積みして終わり。」と説明した。「簡単な仕事だが、種類と数をキチンと把握しないとあかんで。」と
強い口調で檄を飛ばした。「はい、解りました。」と美也は少しビビリながら答えた。「後な、リフトの運転も徐々に覚えてや。」
倉庫の奥の方では、女性工員が3名で製品を梱包していた。機械が多く使われていて、女性にでも楽に作業ができる環境であった。

西田の言葉は、関西弁が時々混じる。美也の高校時代の体育教師が奈良の天理大を出ていて、関西弁だった。
どこか威圧的で美也は嫌いだった。まず始めは西田に連れられ、2つの建物から製品を運ぶ仕事を覚えるように言われた。
リフト車の後を付いて歩き製品を回収した。各工場には、30名以上の工員が忙しそうに、機械の操作や金属部品の溶接、
製品の検品などをこなしていた。後で、工場長に説明を受けたが、1つ目の工場では、金属を大まかにカットしたり、
熱を加えて曲げたりする行程の建屋で、二つ目の工場は、その金属を更に精密に形成したり、溶接し、製品化し、検品をする建屋となっていた。
工員の数は70名ほどで、すべて男性だ。第3の建屋倉庫で梱包している女性工員はパートである。

あっという間に4時間が過ぎ、昼休みになった。各建屋に休憩室があり、そこで昼食を食べる。第3の建屋の休憩室では、西田とパートの
女性工員と美也だけの5人での昼食だ。皆弁当を持ってきており、40歳後半ぐらいのおばちゃんが皆にお茶を入れてくれた。
「お兄さんは、いくつなの。」と顔を覗き込んできた。「18歳です。」と美也が答えると「あれ~、うちの息子は17歳の高校二年生よ。」
と言って驚いていた。「えらいね。寮に入ってるの?」と聞いてきたので、「はい、北海道の高校を卒業してまだ2週間で、寮生活です。」と
答えた。「北海道~、遠いところから来たんだね。私は、20年以上前に新婚旅行で行ったけど、広くて良い所だったわ。」と懐かしそうに
話していた。美也は、笑顔でうなずいた。主任の西田は、無言で黙々と手作り弁当を食べていた。後の二人は30歳位の主婦のような感じ
の人であった。一時間後に、仕事開始のチャイムが鳴り、皆持ち場に戻った。今日は2時間の残業がある事を、工場長から聞いていたので、
午後は、4時から15分だけの小休憩をした後、7時まで働いた。

 作業着から私服に着替えて帰ろうとした時、西田が声を掛けて来た。
「晩飯、おごったるわ。何食いたい。」美也は驚いた。今まで無愛想で、あまり喋らなかった西田主任が笑顔を見せたのだ。
「何でも食べます。」美也は少し緊張して、こう言った。「焼肉でも行くか。」と言い、水心寮の近くにある焼肉「白頭山」に二人は入った。
「ここのホルモンは、やみつきになるで。自分の好きなの頼んでええで」と西田は言った。美也は、カルビが好きだったが、遠慮して
サガリとホルモンを注文した。「生ビール飲むか?」と聞かれ、首を横に振った。「そやなぁ、未成年やもなぁ。」と言い、「コーラでも
何でも頼みや」と言った。美也は、コーラを頼み、西田は大ジョッキの生ビールを頼んだ。「ご苦労さん。」と西田は言い二人は、乾杯した。
西田は、飲み始めると口数が増えた。ここの焼き肉屋は月に2回来るらしく、家もここから歩いて5分の所に母と二人暮らしをしていると、
話してくれた。以前に大阪の天王寺動物園で働いていた事があったと言っていた。この会社には13年いるらしく、最近主任になったらしい。
話を聞いていて、どこか影がある様な感じがしたので、美也はあえて質問はせず、ただ頷いていた。
何で北海道からこんな遠くまで来て、就職したのか聞かれた。「都会生活に憧れて、出て来ました。」東京が大好きな事を、西田に伝えた。
「そうか、がんばりやぁ~、ここの会社で働くと金がたまっるで。」と西田は言い、自分も最初は水心寮に入っていた事を話してくれた。
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