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綿矢りさに会えた長い一日

2007年02月10日 | ちょっとした小噺
先日、綿矢りさ約4年半ぶりの最新作『夢を与える』を紀伊国屋に買いに行ったら、綿矢りさサイン会の告知が! 

レジの人に聞いたら、「書籍を買ったら……」と言ってたから、即買った。


あの綿矢りさに会える!


綿矢りさは憧れの人であり、一小説のファンだ。
だから、すごく胸が高ぶったと同時に、緊張感が生まれた。


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数日後、つまり今日。

サイン会場に四十分前に到着。

スタッフが10名くらいて、びっくりした。
もう作家というより、芸能人だな、と。

サイン待ちの人もすでに10人くらいが並んでいた。

ほぼサラリーマン風のおっさん。

プラス、若者数名。

やっぱアイドル作家。つくファンは男なんだね、と思った。しかも年配者が多いとは意外だった。

女の子のファンは、さらに意外と少なかった。

後からきたけど、まあそれでも2,3人って少なさ。


アンケート用紙を渡され、書いてほしい名前の欄とアンケートに答えていく。

最後に、「綿矢さんにメッセージ」


急にそんなコト言われても……。

言いたい事がめっちゃあるっちゃあるし、かといって質問書いても答えてくれないし、って考えてると、結局、応援してます的な稚拙なものになってしまった。

係りの人が、「握手、体の接触、写真、色紙へのサイン等、やった場合は即退場させます。(一時の部の)京都会場でそのような行為があったので絶対にやめてください」とアナウンスした。

そして、「夢を与える」のサインに限りますっていいたかったんだろうけど、そこを噛んで、最初、

ゆみを、、、夢を与える……


弓、与えてどうすんねん。



開始十分前くらいに、「この中にねずみが一匹紛れこんでいる」という空気になった。それがすぐに発覚した。

後の列の四十くらいのひょろっとしたおっさんが、「整理券」を持ってないのに並んでいたのだ。

係りの人「あのー、整理券がないと無理なんですが」

おっさん「係りの人に並べって言われたから並んでるんやろ」

係りの人「いやでも、ないと無理なんですよ」

おっさん「じゃあ、並べっていうなやー」

係りの人「すいません、でていただけますか」

おっさん「ったく、なんやねん」

おっさんは、仕切りを強引に跨ぎながら、出て行った。


その場の空気が悪くなる。



五時過ぎ、ついに綿矢りさ登場。

盛大な拍手とともに登場。

やっぱ芸能人だ。

オーラが違う。

そして、本人、ちっちゃ!

マイクで挨拶したのだけど、口調はやっぱインタビューを見たとおりだったので、「本物だ」という実感がそこで得られる。


それから、三人ずつ会場に入る。

徐々に緊張する。


待つ事15分くらい。

ついに僕の番が回ってきた。


会場内のイメージ図。

●=綿矢りさ
◆=僕
○=側近、スタッフ
◇=サイン待ち客


===================
○ ○    ○   ○
 |机|      
●|机| ◆
 |机|       ◇◇(待ち)
○ ○    ○ ○    
=============入り口===

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こんなん、めちゃくちゃ緊張するってー!!

ほんま、やめて!

会社の面接ちゃうねんから、この立ち位置はあかんて!


しかも、綿矢さんは一画一画丁寧に書いてくれるから、それはすごく嬉しいのだけど、その間が究極にどうしようもなくて、耐えるのに必死だった。

もう「早く書いて! お願い! 早くこの場から出たい!」って内心思ってた。


よくテレビとかで、憧れの人とご対面という企画があって、ファンだった本人は会った途端、何もできなくなる、喋れなくなるっていうのを何回も見てきたけど、あれほんまやなって思った。

でも、実物を目の当たりにしたら、めっちゃ可愛いし。普通の女の子だった。

ただ、あの空間にいる自分がものすごくちっぽけに見えてしまった。こんなに近くにいるのに、この距離感は何? ってほんまに感じた。

『ハンター×ハンター』(漫画)で念能力の凄まじい奴に近づいただけで、そいつの強さを感じるっていうのはまさにこれか、と。(知らない人すいません)

サインもらって書店を出た後も、しばらくプチ抜け殻状態やった。実感が伴わない状態というか、ぼーっとしてた。


はぁ、すごい。

でも、もうサインほしいけど、なんか行きたくないなぁ。
怖いというか、もうあんな緊張するもんじゃないもうあの感覚は嫌やなぁ。

でも、これでも僕に影響を与えてくれた伊坂さんと綿矢さんの二つが揃ったから、これからもサインコレクション増やしたいっていう気持ちも捨てきれない。


長い一日だった。

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