くるちゃん

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人生激情1517(とびます、とびます)

2012-03-31 07:02:45 | Weblog
 二郎さんの「とびます、とびます」はまさに発想の飛躍を意味してた。 
 絵でも陶芸でも、まずは人真似から始まる。
真似から始まるが、そのうちにありきたりのものではつまらなくなる。
そこで、人真似からはずれて自分独自のことをやってみたくなる。
一見ムダに見えるものを含んだ面白さとか楽しさを求めたくなる。
人が思いもよらない創造の世界を思索するようになる。
それが楽しくなって、一人であれこれ追いつめて、迷路に入ったり
して、抜け出せない自分がとっても大事に思えたりする。

人生は短いのだから、折角与えられた時間を充分楽しみたいと思う。
自身陶芸や絵を趣味にしているが、いつも「なんじゃこれは?」
という作品ばかり手にしている。ほとんどが失敗作だがこれがまた楽しい。
陶芸はがらくたばかりだし、絵は漫画チックなものばかりだ。
自分のもので言えば、すべてが未完成の作品といっていい。
 いつ完成品が出来上がるか分からないが、未完のままもまた楽しい。
誰かが言ってた、「飛躍するところに表現が生まれる」はまったくそうだ。
 今も目の前の棚には不思議な淘作品が陳列されてるが、誰かに
見てもらうためのものではない。作者自身の楽しみが置かれている。
 かって、芥川龍之介の句に表現の飛躍を教えられた記憶がある。

 青蛙お前もペンキ塗りたてか
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人生激情1516(結果栄養失調)

2012-03-30 07:18:32 | Weblog
 プラス温度が3日も続くと家の周りの雪が目に見えて溶ける。
昨日は10℃で面白いように溶けるから、暇にまかせての雪割りが楽しい。
 昨日もスコップ使っていたら、町内の友人が通りかかった。
「精出しているね」
 それほどでもないが「まあね。散歩ですか?」と応えると、
「うん、久しぶりにね」
 彼、ちょっと痩せた印象だった。
「しばらく見かけなかったけど、旅行でもしてたの?」
「いやいや、一週間ばかり入院してたのさ」
「あれ、まあ、なんで?」
「恥ずかしながら、栄養失調になってね」
 戦後の食糧不足に大流行の症状だ。
「今どき、栄養失調とは珍しいですね」
「うん、実は高血圧、コレステロールの過剰とかで、減塩、減甘味、
減たんぱく質、禁酒の食事管理を1年も続けてたら、結果的に痩せて、
血圧、コレステロール、体脂肪も平常値になったのはいいとして、
なんと栄養失調になったってわけ。そのあとが大変でした」

 突然めまいがして倒れ、意識ないまま即病院に担ぎ込まれた。
精密検査の結果が、栄養を抑えたことで栄養失調症になっていた。
 一週間入院はその体調のバランスを取るためだった。
それで医者のアドバイスが栄養のあるもの食べて、体重を増やし、
軽めの運動に心がけよと言われたので、食後はこうして散歩に精出すの。
 そう言い残して去って行った彼のうしろ姿が、
心なしか、優しい春風にも吹き飛ばされそうでふわふわ浮いて見えた。
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人生激情1515(似顔描き独言)

2012-03-29 06:53:22 | Weblog
「先生、若く美人に描いてくださいな」
 先生と言われるほどの馬鹿でなし、と思っているが、相手がちびっ子で
あろうと、おばさんであろうと、気楽に返事をすることにしている。
余生にどっぷり浸かりながら、たまには似顔絵描きのお呼びがかかる。
前に坐わった被写体も名前の呼びようがないので、「先生」と言ってれば
無難だと思ってるだけだ。ちびっ子にならおじさんと呼ばれてもどうって
ことはないが、同年輩のおばさんにおじさん呼ばわりされるのは如何なものか。
やっぱりここはたとえ似つかわしくなくても「先生」が無難だろう。
最初はこそばい感じだったがもう慣れた。

 若く描くにはなんのことはない。皺の数を減らすだけのことだ。
若すぎと思ったら、あとは邪魔にならない程度に皺の数を増やせばいい。
ところが、美人に描けという注文は難しい。地顔が邪魔をする。
細い目元をぱっちり開け、大きい口元を小ぶりに描く。
頬にほんのり紅付けて、白髪交じりの髪をブラウンに染めてやる。
美人になり過ぎて現物に似てないのだが、当の本人はそれが
自分の顔だと納得の笑顔を見せる。本当は誤解なのだが。
「ほほほほ、わたしこんな顔かしら?」
 この時の僕の対応は無言で意味不明な微笑みに限る。
妙なもので、人は毎日鏡の中の自分の顔をよく知らないのだ。
そこがつけ目で、罪のない下手な似顔描きを長年続けていられるのだ。
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人生激情1514(老後の捜し物)

2012-03-28 06:24:18 | Weblog
 2週間前の事、玄関でぴ〜んぽ〜んと鳴った。
何か物売りか、と思いながらドアを開けた。
なんとそこには10年振りに会う元職場の後輩が菓子折り抱えて立っていた。
「在職中は大変お世話になりましたが,私も無事退職しましたので、
先輩への挨拶方々、ぜひ教えていただきたいことがありましてーー」
 彼は真面目一辺倒な男で酒は下戸で、趣味と言えば仕事と山菜採りだけの、
僕から言わせればなんとも面白味のない奴だった。結婚した時は披露宴の
幹事を引き受けてやって大いに盛りたてたことを後々まで感謝していた。

「改まって教えて欲しいことって、なに?」
 そこで彼が行きつ戻りつ話をしたのを、要約すると以下のようなことだった。
「知っての通り、若い時から自分には趣味のようなものはない。
囲碁、将棋、麻雀のごとき勝負事は心身共に不健康なものと決めて
関わらなかった。運動は小さい頃から心臓が他人より小ぶりに出来てて
負担を掛けられないものだからダメ。山菜採りは特に好きだったわけでは
ないが、一人でマイペースでできるのでやってたが、年を取ってはダメ。
俳句、短歌の類は素質がないことは学生時代から分かっていたのでダメ。
絵や陶芸は自分でするものではなく観賞するだけのものと決めていた。
釣りのごとき殺生はハナからやる気持ちにはなれない。パチンコや競馬は
二、三度やってみたが人ゴミが性に合わないのか長時間付き合う気になれない。
温泉巡りや食べ歩きも金と時間の無駄遣いのような気がして出掛ける気に
ならない。家庭菜園するには畑がない。ペットを飼うのはどうかと思ったが、
動物たちが老化した時や、死に際を想像すると気持ちが止まってしまう。
これも駄目、あれもダメで、どう老後を過ごしたらいいか教えてほしい」
 何を言いたかったのか、どうにもアドバイスのしようがなかったので、
「また、仕事を探してみたら」
 と、言うしかなかったが、その後どうしているかは聞いてない。
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人生激情1513(私はいったい…)

2012-03-27 06:10:22 | Weblog
 学者とはなんぞや?
このことに今回の大震災ほど痛切に考えさせられたことはない。
国民全部があっけにとられた斑目春樹原子力安全委員長の言動だった。
彼は、責任ある立場にあるという認識はまるでゼロだったのだ。
学者とはこんなもんだということを理解して、その意図をくみ取ろう
としなかった菅直人首相やその周辺も問題だが、こんな重要な場面で
学者の言葉でしか話をしてなかった斑目春樹の責任は絶対に重い。

 昨日の北海道新聞夕刊の一面下の方にある「今日の話題」というコラムの
筆者が土江富雄という方だが、時々このコラムでその名を目にする。26日
の夕刊でも目にした「私はいったい……」は同感でわが意を得たものだった。
その全文を書き出す必要はない。一部を抜粋する。

 福島原発に水素爆発が起きた時、斑目は「あー」と言って頭を抱えたという。
事故直後の対応については「一週間寝てないので記憶が飛んでいる」
「辞任は末代までの名折れ」と啖呵を切る。
印象深い発言の中に、「私はいったい何だったのでしょう」というのがあった。
 終わりに土江氏からの斑目委員長に対する言葉は国民全部の思いに違いない。
「舞台や映画でお目にかかるならともかく、
 あなたのような人に、原発の安全規制の責任を預けてしまった
国民としては返す言葉がない」

 あらゆる災害を想定しなければならなかった立場にあったはずの学者が私腹を
肥やすだけの原発推進派の御用学者と同類だったと断じられても仕方あるまい。 
 その斑目委員長は「疲れた」との言葉を残し
この3月末で辞任することを既に表明した。
 あの言葉がいま空虚に響くーー「辞任は末代までの名折れ」
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人生激情1512(病院待合所ー2)

2012-03-26 06:48:06 | Weblog
 病院待合所で50人程の患者が黙々と腰掛け呼び出しを待っている。
いつからの趣向かは知らないが、ドボルザークの「新世界」が流れてる。
程良い音量だが、突然呼び出しがあるから眠くなっても眠るわけにはいかない。
「○○さ〜ん。次、お呼びしますので、そちらにお待ちくださ〜い」
白い上張りを着た太った看護師が、精一杯の笑顔で○○さんに声かける。
 呼ばれた爺さんが診察室に入ったかと思ったが、5分程で出てきた。
 病院ってとこは、待ち時間は長いが、診察は瞬きする間に終わってしまう。

「早かったですね。もう終わったんですか」
 件の爺さんに声かけたら、爺さん口を尖らさせて不満を吐き出した。
「ヤブ医が言うには、コレステロールも、中性脂肪もまあまあだ。
血圧も140と80なら特に心配はない。
動脈硬化が進んでいるが、これはお年のせいだからどうしようもない。
結局何を言いたいの?って訊くと、年齢相応だよって言う。
なんの事はない。この年になると身体の不都合は年齢のせいにされちゃう」
 音楽はいつの間にか「新世界」ではなく、ジョスランの「子守り歌」
に変わっていた。音楽療法の一端なんだろうが、暇つぶしに掛けるなら
ちあきなおみの「矢切りの渡し」とか三橋美智也の「達者でな」などの
演歌の方がよっぽど暇つぶしの為にはなるのだがな。

「医者に文句を言えてるうちはまだ元気な証拠さ。
なんでも医者の言う通りになってしまったら、
もう片足を棺桶に入れてるようなもんだからね。じゃあ、またねー」
 件の爺さん、言いたいことだけ言って、玄関へ向かって行った。
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人生激情1511(病院待合所)

2012-03-25 06:44:12 | Weblog
 身体の定期検査で出掛けた掛かりつけの病院での待合所。
とにかく、病院って言うところは待ち時間の長いのが相場だ。
体重、背丈を測って、血液取って、血圧測って、レントゲン撮って、
心電図測って、医者の意見聞いて、料金払って、それで帰宅できる迄に
たっぷり3時間はかかる。何とかならないかこの時間の浪費と憂鬱なひと時。
森村誠一の推理小説を読みながら呼ばれるまでの時間つぶし暇つぶし。
「そちらのおたく難しそうな本読んでるね」
 隣に坐った80歳位の爺さんに声かけられたが、難しい本ではない。
題名は難しそうな「人間の証明」だが、どうってことない推理小説だ。
件の爺さんも待ちの時間を持て余して、話相手を見つけたい魂胆で声かけた。
「あんた、どこ悪いの?」
 僕の呼び名が「おたく」から「あんた」に変わった。
「年に一度の定期検査なもんで」
「かわいいもんだ」
 何がかわいいのか、妙な表現だ。
「わしなんか、もう死ぬ一歩前さ」
 何と応えていいのか分からず、爺さんのマン丸顔をのぞく。
「ここの医者の言うには、カラダがかゆくなってション便が黄色く泡に
なるのは肝臓病の証拠だ。喉が渇いて痩せてくるのは糖尿病の証拠だ。
めまいがしたり頭痛がするのは脳に障害があるか神経に異常がある。
じゃあ、どうすりゃそれらが直るのかと聞くと、酒たばこを辞めて
早寝早起きに心がけ、軽い運動と規則正しい生活をすることだって言う。
わしの出来ないことを知っててそう言うから、先生はヤブだって言って
やったら、あんたは駄々っ子だって言われちゃったよ。はははは」
 笑いごとじゃぁあるまいし、「はははは」と笑い終わらないうちに
爺さんは当番看護師に呼ばれて、立ちあがった。
「どうれ、ヤブに小言を言われてくるとしようか」
 病院待合所ってところは、不満と疑念と諦めが交差するところなんです。
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人生激情1510(旧友の訪問)

2012-03-24 06:34:28 | Weblog
 現役をリタイヤして10年、珍しき友が訪ねてきた。
3歳年上だが、公私ともに触れあう日々が多かった。
仕事上の事でも、麻雀、ゴルフ、酒の交わりも多々あった。
意見の相違で喧嘩もしたが、特別尾を引くものではなかった。
年賀状のやり取りは続いていたが、逢う理由も用事もないので
逢わずに10年過ぎてた。特に逢いたいとも思っていなかった。
その彼が何を思ったか感じたか、突然10年振りに訪ねてきた。
相変わらず、細身の身体を曲げ気味にして玄関に立っていた。

「よう!」
 懐かしげな彼の声がかすれて聞こえた。
「どうしたの?」
 僕の問いかけはいささか間が抜けていたかもしれない。
久しぶりの友人の訪問に「どうしたの?」はないだろう。
「うん、急に会いたくなってさ」
「まあ、上がってよ。今、誰もいないけど」
 と、家に招き入れた。
積もる話の中心は過ぎた思い出を追っていた。
それだけでも十分に話は弾んでいたが、話題を替えた。
「ところで、どうしてやって来る気になったの?」
 彼はちょっと目を伏せたあと口を開いた。
「俺さ、トスへ行くことになった」
「トス?」
 佐賀県の鳥栖市のことかと思った。

 話を聞くうちに分かったのは、ロスアンジェルスに住む息子の
所に永住を決めたのだそうだ。歯切れの悪いロスをトスと聞き違えたのだ。
妻に死なれてからは、身の周りに誰もいなくなり、孤独の中に沈みがちで、
侘び住まいに難渋してたが、ロス住いの息子が呼んでくれたので決心したという。
向こうへ行けば向こうの土になる。もう逢うこともなかろうから、
それで、今のうちに馴染みの何人かに会って別れを言おうと出てきたのだ。
2時間程でも話は尽きなかったが、最後の言葉が心に残ってしまった。
「まだ心は鈍ってる。俺はやっぱり日本人が身体に沁みついているのだ」
 彼が渡米して一カ月、「さんきゅうー」しか知らない英語力でロスの公園
辺りを腰を曲げてひとり歩く彼の姿を想像していた。

 
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人生激情1509(消費税増賛否?)

2012-03-23 07:25:39 | Weblog
 消費税アップ是か非か。国会はこの問題でもめている。
現在の5%を10%に上げる話だ。
さて、賛成派、反対派、どちらの言い分が正しいのか。
反対を主張している小沢一派は、その前に行政改革や身を切る覚悟を言っている。
不退転の覚悟でアップしなければ日本は沈没すると言ってる野田総理などは、
なにはともあれアップが先だと息巻いている。どちらの言い分が正しいのか。

 客観的にみれば、小沢一派の言い分が筋は通っている。
議員80削減や、公務員給与2割減額、天下り廃止ひっくるめて無駄の撲滅。
どう考えたって、小沢さんの言い分が国民の言い分だ。
野田総理他現閣僚や官僚は、身を切る気などまるでない。

 小沢グループに聞きたいものだ。
どういう方策で、消費税に替わる財源を持ってくるのか聞きたいものだ。
語った上で、納得できたなら日本中が全面的に応援を惜しまない。
身を捨てる覚悟があるのなら、一度持論の政策をやらせてみたらいい。
打ち出のこずちから意外なものが飛び出すかもしれないぞ。
その時、我が身大切な議員や官僚たちはもう必要ない。
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人生激情1508(モルモット見参!)

2012-03-22 07:04:28 | Weblog
 一昨年の10月から続いた一人暮らしがこの18日で終わった。
まだ荷物の片づけは終ってないので、玄関から廊下まで段ボールの
はこが一杯だ。今度の土、日辺りまでこんな状態だろう。
一年半もひとり気ままに寝起きしていたが、急に5人家族になった。
それとモルモットが2匹付いてきた。これが滅茶苦茶可愛い。
小動物との共同生活は、6,7年前に死んだベンジー以来だ。
ベンジーはマルチーズ系の家犬で21歳まで生きて大往生した。
モルモットは孫たちが飼い主なので、こちらは遠慮しながらの
付き合いだ。こっそり、牧草をくれたり、こっそり散歩をさせてる。

 犬でもネコでも最近のペットにはペットフードが使われる。
ペットフードはおそらく栄養価など充分配慮された餌であろうが、
毎日同じものを食べさせられる犬猫は憐れに思えてならない。
犬猫にも食べ物の好き嫌いは大いにあって、味覚は確かである。
わが犬ベンジーもペットフードは好まなかったので、人間の
食べるものにアレンジして与えていた。そのせいか長生きした。
とくにあいつは、甘いものが大好きでアンパンなんかは、眼に
一杯涙をためながら食べていた。あんこが大好物だったのだろう。
 人は歳を取ると甘いものが好物になる。犬猫だって同じだ。
晩年のベンジーはどら焼きの匂いだけで小躍りしてたものだ。
 モルモットだって、牧草ばっかりじゃ飽きるはずだ。たまには、
キャベツやリンゴの皮を食べさせると夢中になって食べている。
そりゃあ、甘いものを多く食べるのは良くないことは分かっているが、
好きなものを食べさせられて早死にしても彼らは恨むまい。
ペットを愛する人なら、その程度の思い遣りは仕方がなかろう。
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