ベッラのブログ   soprano lirico spinto Bella Cantabile  ♪ ♫

時事問題を中心にブログを書く日々です。
イタリアオペラのソプラノで趣味は読書(歴女のハシクレ)です。日本が大好き。

10日、名古屋大で実施された益川名誉教授の「戦争と学問について語る」講演会に行ってきました。

2016年05月12日 | 政治

★ 新幹線に乗り地下鉄を二度乗り換え、名古屋大学に行ってきました。
講堂のような「大会議室」、http://www.plasma.engg.nagoya-u.ac.jp/school2008N/access.html
益川氏はノーベル賞受賞の学者であり、しかも場所も地下鉄の駅からすぐの名古屋大学なのに、最初は半分も人が入っていませんでした。
前の座席の背から新幹線の座席のようにテーブルが出てきます。そこへノートを開いてメモをしました。
(「資料」として数枚のプリントも配布されました。「安倍内閣の下での軍学共同研究」)



メモから・・・最初に前座というか学者の方の解説(お名前失念)

2015年に「安全保障技術研究推進制度」(防衛省・自衛隊)開始され、109件の応募があった。
応募した大学は「自衛隊の救助活動や災害対策技術」ということで、直接の軍事利用の目的ではないとしている。
2016年は昨年の2倍の交付金6億円。一校が3000万円。

琉球大学では学長の名前で平成27年に「軍学共同研究は行わない」とし、広島大学は副学長の名で声明を出した。

豊橋技術科学大学は・・・有毒ガスなどを効果的に吸着する繊維の研究、年間470万円を受け取る。学長は「日本学術会議」の
大西たかし氏である。

これに9000名の署名が提出された。
軍学共同研究に反対する会で大学に押し入った。科学者の意図に反して破壊的行為に対することに社会で許容される適切な行為である。
メールやインターネットももとは軍事に利用するためであった。こういう二面性がある。

日本の物理学会にアメリカが資金を出してきた。
90年代以降、多くの大学が軍事研究を行うようになった。
池内先生を近いうちにお呼びして伺うつもりだが。

日本の大学や公的機関はおカネが欲しい。
「公開する前提」と言ってはいるが、これは事前に防衛省と話し合う必要があるという。

ここで益川名誉教授登場

司会者・・・軍学共同研究・・・戦後の反省の上に作られた日本学術研究も少しづつ「浸食」されてきた。

益川氏のお話・・・常にこの問題があった。1965年、ベトナムでアメリカが毒ガスを使用したこと。物理学会でこのことを話すと「こういう話をすべきではない。若者は黙れ!」と年配の先生に叱られた。あとで「益川さんに言いすぎた」と言っていた。
ジェイソン機関というのがあった。
日本で安保闘争が激化し、アメリカが危機感を持ってライシャワーという親日家の学者を大使にした。
日本の文化人を懐柔しようとおカネをばらまいた。

常に闘争なんですね。そういうことをやるべきではないという人たちとせめぎ合う。
闘争は絶対になくならない。
防衛相には顔馴染みになるとだんだん引きずり込まれる。周辺にいる人たちも「たいした問題ではない」となっていく。
心理の問題だ。

戦闘機のことだが、最初に開発した研究者は「見えない戦闘機」を作ろうとしたのではない。
こういう恐れがあるということを研究者は発表しなければならない。

毒ガスも殺虫剤といって毒ガス兵器に使われた。研究者はそういうものを作っていた時にハッキリ言うべきだった。
リタイヤした研究者のほうが比較的よくしゃべる。

昔みたいに赤旗を手にして進んでいくという時代ではない。
粘り強い方針で取り組む、続けることだ。組織として指令する人も必要だ。

<司会者の質問に応える>
司会・・・名古屋大の「平和憲章」のことを。

益川氏・・・半年ぐらい準備、講堂に1300人ぐらいが集まり、各室・職員・学生・院生の過半数が署名した。総長もである。
    私も署名した。今ではこんなことはできない。風化されたりしている。

司会・・・それに攻撃されるんですね。国会で取り上げられるんですよ。
    池内先生が国会に呼ばれている時、「維新」の議員が嫌味たっぷりに。(三宅博議員の名は出さず)      池内先生何もしていないのに。

    
益川氏・・・歴代の首相の中で安倍総理がひどい。アメリカが攻撃をしている時に日本が先に攻撃していいんだと言っている。
    今の「憲法」が国際情勢に合わない、これはそうだが。
    3分の2の賛成を得て国民投票にかけるということになっているが、それを護るべき。
   
    
司会・・・安倍さんが変だと思っていたらアメリカも変なのが出てきた。アメリカはもっと民主主義の国と思っていたのに。


<参加者と質疑応答>

質問者・・・今の政治の空気というかマスコミも含めて「政治的な中立」という。私たちの学生の頃と比べておかしいくなっている。
    みんな戦争反対なのに口に出して言わない。

益川氏・・・1960年代はそんなこと気にしていたら男じゃねえ!と。
    70年代の学生運動は「なますに懲りて羹を吹く」という・・・(益川先生それ逆でしょう?ごめんなさい、笑いが止まらない、でも学者ってこういうミスをするときはキュートです。

★ ここは益川先生、秀逸だった。(下記の質問に答え、質問者を黙らせてしまったのは学者魂)

質問者・・・先生におききしたい。科学者の社会的責任について。
    原発の反対運動をしていて、具体的に言うと7月に再稼働をしようとしている四国の原発、裁判でも「活断層はない!」と。
    日本の原発に対する裁判ではそういうことで必ず負けている。
    科学者が本当にそう言ってるのか?
    信念を持って「活断層はある!」という科学者はものすごく政治的圧力がかかっているのではないか。

益川氏・・・科学者の社会的責任? 私はニュートラルですよ!
    活断層はあるのかないのか、科学者は不確かなことは言えないんですよ!
    それを読み取ることが必要ではないのか? 市民がそういうことシグナルを読み取ることが必要です。



司会者・・・補足ですが、大学に入ってくるお金は毎年何パーセントか減らされている。国の税収が減ったのが原因か?

益川氏・・・基本的に関係ない。考え方としては定期的に競わせたほうが効率がいいという、これは政府が間違っている。

司会者・・・今の考え方は新自由主義と関係があるか?

益川氏・・・よく知らないけれど関係しているように思う。


★ 以上、簡単ですが・・・2時間がこんなに長いなんて。笑いが込み上げることもありましたし、この幼稚さ、またどこかの洗脳というか、それに「防衛省」を敵扱い、「平和」と連呼して言うなら「拉致問題」の「ら」も出てこない現状、
科学者の軍事利用と言うなら在日の京都大現職の准教授や東大にいた科学者たちの「北朝鮮の核」に対して情報流出の件はどうなったのでしょうか。
益川先生がまともなことを強く言われたのは「原発」の時の「科学者」のこと。これにはそれまで声高らかに「科学者は政治的圧力で活断層があるとは言えないのではないか」という人を一瞬にして黙らせたことだけでした。

★★「資料」の中に「名古屋大学の平和憲章」がありました。
「平和憲章」はネットでも読めますし、私の以前のエントリにもありますのでご覧ください。


http://blog.goo.ne.jp/bellavoce3594/e/de51caebaf10685256ee5c88e64b2074
・・・(三宅博先生の国会質疑の動画もあります



ブログのティールーム




★ アイザック・スターン(1920年7月21日 - 2001年9月22日)のヴァイオリンでブルッフ作曲「ヴァイオリン協奏曲」から第3楽章
Stern_Bruch 


・・・名古屋から帰宅が夜遅くなり、慣れないところに行って疲れがひどいのでこのエントリ遅くなりました。
そしてこの曲、疲れた精神が修復され高揚してくるようで・・・。

スターンの演奏は一点の曇りも隙もなく健康的で明快そのものです。
ハイフェッツと同じような強さがあるのですが、スターンは先輩のハイフェッツが示したような「高貴で洗練された美」よりも「野性味」と「ユーモア」があり、その音色の緊張感は「ただならぬ」ものを感じてしまうのです。

「ロシア革命」の時、赤ん坊だったスターンはウクライナの出身地の村が全員殺害されたというところから母親が命がけでアメリカに亡命。
母親はスターンを「靴屋」にしようとしたのですが・・・。ヴァイオリニストになるなんてと驚いたそうです。
また当時イスラエルのバラック(ミュンヘンオリンピックのテロリストを自ら襲撃して掃討)を支持。
指揮者の小澤征爾やロシアのチェリストであるロストロポーヴィチとも親しい。

ニューヨーク市が「カーネギーホール」を取り壊し、駐車場にすると決めた時はジャンルを超えて多くの音楽家に呼び掛けて組織し、見事に護り抜いたこともありました。そしてカーネギーホールは無事100周年を迎えたのです。


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8 コメント

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Unknown (北極熊)
2016-05-12 15:38:40
まとめていただいている内容を読んでいても、中身のない事を、しかもノーベル賞受賞の科学者のくせに事実誤認しその誤認のまま聴衆に持論を訴えると言う恥ずかしい人ですね。 益川って、、、もう、先生の敬称つける気せんわ。 
疲れ果ててしまった2時間でした。 (北極熊さまへ)
2016-05-12 16:25:38
もう笑いがこみあげるほどのひどい内容でした。
特に「なますにこりて羹を吹く」とノーベル学者が言った時、会場は誰も笑わなかった・・・私はこみあげる笑いを何とか我慢し、それだけじゃないのです。
益川氏は何も知らない、仰るように事実誤認をしている。
または売国左派のいうことを鵜呑み、ただ科学のことに関しては反日運動家を瞬殺・・・なんともはや・・・。
変な疲れかたをしました。
会場も半分も入っていなかったし、あまり支持ないんでしょうね。
お疲れさまでした。 (onecat01)
2016-05-12 18:40:07
ベッラさん。

 大変有意義な勉強を、して来られましたね。
ノーベル賞の学者だって、そんな大したものでないと、現場で確認されたのですから、生きた学問ですね。
しかし、ブログの文面からは、真面目なベッラさんが怒りをこらえている姿が浮かびます。ノーベル賞をもらっても、大江健三郎氏みたいな人間がいるのですから、益川氏の話を聞きましても、やはりそんなものかと納得いたしました。
 学問の上では反日活動家の舞台で踊らない益川氏でしたが、政治の話では左翼の反日・亡国の話を鵜呑みとか、残念ですね。なますの話と同じで、世間の常識や、国際情勢への危機感などの欠如した人だったのですね。しかも三宅氏を暗に批判する司会者の不愉快な発言など、よく我慢して聞かれましたね。

 最後に、もう一度ご苦労様と言わせてください。貴重なご報告を、感謝いたします。
何処か抜けていないと (Unknown)
2016-05-12 22:34:38
ノーベル賞は、無理なんでしょうね。
抜けている分左翼などに洗脳され易い。
大江健三郎などは、人間が壊れている感じすらします。
人間は、徹頭徹尾ではないから、特に日本の学者は、どうなのでしょう?
でも数学者の故岡 潔氏などは、結構国の事を特に保守的な意味合いで考えていましたね。
人間的には変人な感じがしましたが。
今、日本人が、覚醒しつつあるように思うのですが、戦後の民主主義が、左翼によって歪めれれ自由のはき違えが横行する事で窮屈さを増しています。
彼らの言い分は、人権の名の元に屁理屈にすり替えている。
人権振りまきすぎて自縄自縛に落ち入り易い。
それにブーメランですからね。
特に科学者は、アメリカもそうでしたが、軍事に結び付きやすい。
したがって民間利用で有っても軍事に変換できるものが多々ある訳です。
科学は軍事だけの問題ではないが、人間が戦争をする以上一科学者が反対しても応じ切れるものでは無い。
それは共産国でも同じでそれこそグローバルなのです。
人間が、戦争の無意味を解っていても悟るまでは、無くならない。
誰が戦争を煽っているのかね?
議論が何時も堂々巡りです。

益川さんのことはよく調べました。 (onecat01さまへ)
2016-05-12 23:02:46
益川さんのことはいろいろな方面で調べていました。
幼少のころの焼夷弾の恐怖からはじまり、科学者として研究が武器に利用されないかという用心、などです。
それだけに「鵜呑み」「早合点」があり、ちょうど周囲が
左派だらけだったのでそれが顕著になったのではないかと感じたのです。

益川さんは今流行の外国語多様で海外で主張するのではなく日本語オンリーで堂々としていた・・・といっても学生時代はドイツ語0点、英語ももうひとつ、というのは事実らしく、外国語翻訳にはカバーしてくれる左派がいたのではないかということです。

「原発」についての思い込みの左派の発言も「秒殺」
「瞬殺」したのはご自身の科学者としての矜持でした。
私はそれを最初からわかっていて、「やはり」と思いました。
大江氏にはそういった「底抜け」のところなどありません。冷血でズルく許しがたい、沖縄の「軍令」など、
そして最近の「原発その他」で若い人を変な誘導をしたり絶対に許せない、芸術家ではない!!という私の怒りです。

それだけに益川氏と三宅先生の1対1のティールームでの会談を夢見た私です。

益川氏は見た目にもう歩き方もおぼつかなく、もしかしたら頭の中も・・・って心配しました。

帰りに電車で有名な学者ととなりの席になり、もうひとりの学者との会話を聴いてしまったのですが、益川氏では原発のことを戦えないということと受け取りました。

益川氏というノーベル賞学者を「看板」に失敗したということでしょう。
思った通りでした。

三宅先生の名を「益川氏」から出させようとして、益川井は出さなかった。
しかし益川氏は三宅先生との対談には耐えられないでしょう。政治的知識も拉致問題の知識もない。

それにこの会に参加が少なかったのも、左派はすでに益川氏には頼れないと思ったのかも・・・。
「質疑応答」は最初から「役者」のように
決められ人によってだったのかも知れません。
迷うことなく確信に満ちた質問ぶりでしたが、まさか
こんなことになるなんて、ということなんでしょうね。

むごいような二時間でしたが、もはやまともに扱うような人たちではないとだけわかりました。
変な騒ぎを起こして相手の餌とならぬように気をつけました。

日本の周辺国の動きについて、多くの人がわかってきたことと思うのです。
私は心を決めて参加し、いざとなったら・・・と覚悟もあったのですが、あほらしいのでそのまま帰りました。

今回の質疑応答は「下手な喜劇」でした。
やはり科学者は「二足の草鞋」を履いてと益川氏が自慢していたようですが、もう一足履くべきでしたね。
「拉致問題」の講演会にも草鞋を用意すべきなのです。

アンケートに「希望する講師」と書くところがありましたが、「三宅先生」と書きたい気持ちをやっと抑えて白紙で出しました。

ご心配頂きありがとうございます。
私は本当はすごく心細かったんですよ~。
数学者の岡潔氏は (Unknownさまへ)
2016-05-12 23:28:08
HNをお知らせしてほしい、だって同感するところが多くて。
数学者の岡潔さんは数学の難問をつきつめるには
「禅宗」の「正法眼藏」から考えると言っていたのを
聴いたことがあるのですが、私は楽譜しかわからないの
ですが、感覚的に理解できるような気がします。

益川氏は「おおいにぬけている」ところが憎めないのですが、このような厳しい「問答」はなかったのでしょう。
そこで科学者の矜持として発作的に?「違う!科学者は適当なことは言えないのだ」と仲間のはずの左派の
強弁を「瞬殺」してしまった、これは予想していただけに
面白かったし、電車の中の有名教授の嘆きも楽しかったです。(その教授たちは多分法学系?)

そうした左派たちがずっこけたのは私でも予想できたのに、と思うと笑いがこみあげ、さらに益川氏の
「なますに懲りて羹を吹く」で爆笑を抑えるのが大変でした。周囲はそれどころじゃなかった様子で、なんだか悲壮感を感じました。空振り三振というか・・・。

「科学は軍事だけの問題ではないが、人間が戦争をする以上一科学者が反対しても応じ切れるものでは無い。
それは共産国でも同じでそれこそグローバルなのです。」貴コメントにあったお言葉、チャイコフⓈキーのシンフォニー「悲愴」のようにイメージが湧きます。

科学を究めながら恐怖感に怯えるファウストは魂を悪魔に売り渡した・・・しかし益川氏は悪魔でもうけとらないほど「ずっこけていた」のです。

「憲法でおかしなことは自分も思う、だったら3分の2の賛同を得るべきだ」とまでのたまうのですから。

こんなウロウロするような学者をメインにしてきっと
嘆いていることでしょう。

私はアメリカのいいなりの安倍さんに対してとても
不安になります。たとえば中東にはかかわってほしくないし、安倍さんのもとで憲法をさわるのはきわめて危険と思っているのです。今より悪くなる。
安倍さんにはそれを判断する知力も能力も胆力もない、暖簾に腕押し状態のスポンジ頭、覚悟など最初からない男です。

あ、つい過激なことを書いてしまいました。
お許しください、でもお察しください。

すいません (katachi)
2016-05-13 00:25:16
HN書き忘れです。
無い文章ありがとうございました。
明日から一か月程入院でリハビリです。
ネットお休みです。
やはりKatachiさまでしたか・・・ (Katachiさまへ)
2016-05-13 01:28:06
Katachiさま、やはりそうだったのですね。
またリハビリのためのご入院前なのに、コメントを感謝します。リハビリうまくいきますように。
そして一か月後、もしかしたらそれよりもはやく私のブログにコメント復帰をなさいますようにお願い申し上げます。
待っておりますので。
いつもありがとうございます。

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