教団「二次元愛」

リアルワールドに見切りをつけ、二次元に生きる男の生き様 (ニコニコでは「てとろでP」)

マイナス金利批判への違和感

2016-03-05 01:08:26 | 経済/経済/社会
そろそろマイナス金利への批判が出そろったころかと思われる。
その中でも、銀行への悪影響について記したものに特に違和感をおぼえた。

それは何か?

「マイナス金利になると銀行の収益性を圧迫する」
というものだ。

これの意味するところを解説しよう。



銀行というものは、預金というかたちで超低金利で世間一般から銭を借り、その銭に金利をだいぶふっかけて他のヤツに貸して、その金利差益で儲けるというビジネスモデルでやってきている。
そのうちの貸し出し先の「他のヤツ」というのの最たるものが日本国政府であり、国債を買うという方法をもって銀行は国家に銭を貸す。

でだ。
預金金利がまだプラスなのに、その国債の金利がマイナスになると、銀行が儲ける方法がなくなる。

これはまずいだろ!

・・・というのがその発言の趣旨だ。

こんなん笑うわwww



金融政策というのは、めっさありていにいうならば、お金を転がしただけで儲かる人の分け前を調整するものだ。
公共事業のような錬金術的な要素はない。

でだ。
金融政策でマイナス金利にすると、分け前の分配はどうなる?

国の利払いが減るので財政負担が減る。
すなわち政府は儲かる。
そのかわり、つまり銀行その他もろもろの政府に銭を貸していた連中は割りを食う。

ということはだ。
公共事業を減らして財政が健全な方向へ向かい、政府の支出が減ると、これと似たようなことになる。
割りを食うのが銀行かゼネコンかの違いはあるが、まあ似たようなもんだ。

ここでよく考えてみてほしい。

政府の借金が増えることに批判的な連中が、なぜマイナス金利で銀行への悪影響について批判的なのか?

まだ
「もっとケインズ的な政策をとって公共事業バンバンやれよ!」
っていってるヤツが批判的ならまだわかるけどさ。

なんかこいつら発言が矛盾してないかwww



そもそもだ。

銀行が「預金というかたちで超低金利で世間一般から銭を借り、その銭に金利をだいぶふっかけて他のヤツに貸して、その金利差益で儲けるというビジネスモデル」なだけだったとしたら、そりゃーマイナス金利で割りを食うだろう。

けどさ。
それは国民の血税で銀行を養ってるのと全く同じことじゃないか。

わたしはこの点について批判しているヤツを見たことがない。
「とくに国債での運用比率の高い地銀がタダメシにありついてる現状を打破するのにマイナス金利は有用である!」
なんてヤツがいてもおかしくないはずだが、そんなの見たことがない。

なぜだ?

リーマンショック後はバンカーは守銭奴と呼ばれ高所得を批判されていたころもあったが、そいつらをこらしめるのにマイナス金利ほどいいものはないんじゃないのか??

いつからバンカーはかわいそうな人たちになったんだ???

矛盾もはなだしいwww



・・・と、ここまで書いて、実はその正反対の性質もある。

それは、銀行がいま持っている国債の簿外含み益についてだ。

ひところは
「アベノミクスでインフレが起きると国債が暴落(金利が上昇)して銀行は含み損で倒産する!」
などと言っているヤツらが大勢いた。

もしこれが本当なのだとしたら、いまのマイナス金利下では銀行は含み益でウハウハで笑いが止まらんはずである。
しかしそんな話をしているヤツは見たことがない。

まあこれは、銀行が持っている国債のほとんどが満期保有目的で時価評価しないからなのだが、それは金利が上昇したときに銀行の含み損が顕在化しない(満期まで保有していれば途中で一時的に含み損が発生しても満額償還される)のと表裏一体だ。

これまた当時の発言と矛盾しているじゃないかwww