教団「二次元愛」

リアルワールドに見切りをつけ、二次元に生きる男の生き様 (ニコニコでは「てとろでP」)

ヤマト2199は勧善懲悪ではない?

2013-05-31 00:39:06 | オタネタ全般
宇宙戦艦ヤマト。
かねてよりこのアニメは勧善懲悪の典型と言われてきた。
ガンダム派が揶揄する場合において特にそう言われてきた歴史を持つ。

しかし!

ヤマト2199においてはそうではなくなっている気がしないだろうか?



たとえば。
ガミラス星人はたしかに人類っぽい。
だが軍人風の個体しか登場しない。

マンガ版ではガミラス星人に占領された星の住人が兵士として敵対する話もある。
それは背丈こそ人類なみだったが、しかし見てくれはウルトラ怪獣のそれに近かった。
(旧アニメ版ではそれは無かったような気がする。)

だが。
ヤマト2199。

肌の色が違うだけで、そのまんま人間の宇宙人たち。
しかも明らかにメスの個体も少なからず登場してくるし、家族や子供がいるという描写もあった。
おまけにDNAまで人類と同一となっている。



別の例を。
旧アニメ版では惑星ガミラスはヤマトが溶けるほど強酸の海があるほど劣悪な環境であり、見るからに人類の住むところではなかった。
銀河帝国になってそれは若干改善するものの、無機質な都市国家のように描かれていた。

旧アニメ版で
「デスラー総統 バンザーイ」
と軍人しかいない群衆が連呼するシーンがよくあったのを憶えている者も多かろう。

だが。
ヤマト2199。

政治体制こそアレではあれど、惑星ガミラスの住環境は比較的マシそうである。
軍事パレードにせよ、群衆はふつうに一般人でメスや幼体もいるうえに、反対派住人として収容所送りになる者が描かれているシーンまである。



もう1つ例を。
旧アニメ版で善人のガミラス星人は1人もいなかった。
(ただし善人か悪人か判断しようのない単なる作業者の個体は大勢いた)

だが。
ヤマト2199。

ヤマトと協力して亜空間から脱出するシーン。
明らかに相手をだますことしか考えないっぽいように描かれている者、そうではなくまっとうな良心を持っているが敵な者、いろいろな描かれ方がそこにはあった。



それから、こういう例では必ず挙げなければならないことがある。
それは、ヤマト2199では、人類のほうが先に発砲して戦禍に陥ったということだ。
旧アニメ版では人類は遊星爆弾によりただただ被害をうけるだけの被害者だったのとは大変な違いである。



これはどういうことだ?

あらゆる面から言って、ヤマト2199は勧善懲悪ではなくなりつつある、と解釈できよう。
ようするに、敵対国には敵対国の事情があって戦争になっている、という具合に描写しようとしているのだ。

デスラー総統は絶対悪である。
これは今も昔もかわらない。
勧善懲悪のその向こう側に到達したガンダムでさえ、ギレンは絶対悪である。

しかし。
惑星ガミラスの住人たち。
どう見ても一般人ではないか。

ガミラス星人は絶対悪ではなかったのだ。
いや、絶対悪ではなくなったのだ。

もはやヤマトが惑星ガミラスに登場し波動砲ぶっぱなすことは許されない。

これはおもしろい。
お手並み拝見といこうではないか。






追伸:

ヤマト2199のラスト付近において、ヤマトが惑星ガミラスを波動砲で破壊し、
「悲しいけどこれ戦争なのよね」
なんてセリフで自己正当化でもしようものなら・・・

物議をかもしだした伝説のアニメとして後々まで語り継がれるようになるだろう。
(旧アニメ版ならそういう展開だったとしても許される、それが違いなのだ。)