教団「二次元愛」

リアルワールドに見切りをつけ、二次元に生きる男の生き様 (ニコニコでは「てとろでP」)

アニメにおけるヘンタイ科学者について

2009-02-26 00:00:47 | オタネタ全般
アニメでは敵としてヘンタイ科学者がよく出てくる。

おきまりのパターンで、主人公に研究施設を破壊されて
「あー、わたしの実験データがぁぁぁ!!」
と頭をかかえてラストをむかえる。

実は科学の世界に対してこれは全く正しくはない。

実際、科学とは実験がつきものであるため、パラメータをふって膨大な実験データを収集するのは一般的な手法だ。

だが、あたりまえだが実験データを収集することが目的ではない。
実験データを分析することで、だれも知らなかった物事の真理を理解することが目的である。

だから、実験データを収集し真理を理解してしまえば、いままでの実験データなんてホントにどーでもいいのだ。
仮に実験データを全て失ってしまい、にもかかわらずもう一度なにかを設計するために材料物性かなにかの実験情報が必要だったとしても、真理を理解してしまえば今までのデータ取りなんかは一瞬でできる。なぜなら、どういうところが実験のキモなのかを予め理解しているので、試行錯誤なんてやって時間を浪費することはないのだから。

たとえば天才の代名詞であるアインシュタイン。
相対性理論の結論にたどり着くまでには、天才の頭脳でも何年もかかる思考実験が必要だった。
しかし、世紀の天才が何年もかけてたどりついた相対性理論も、理論のキモは紙1枚
で書ける程度のことだし、中身は物理が得意な高校3年生でも理解できる程度の内容だ。

ガンダムにも例えてみよう。
モビルスーツの開発に必要な技術は、人が乗る二足歩行の大型機を制御するアルゴリズムの開発であり、超軽量かつ超高張力なガンダリウム合金の開発であり、サイコミュを動かすための思念とメカとのインターフェースの開発であり、(以下略)である。
アルゴリズムこそデータというより手法そのものを指すものだし、合金だってどういう材料を使ってどうやって作れば良いか解っていたら製造プロセスのパラメータを最適化させるなんてすぐできるし、思念とメカとのインターフェースだってセンサがキモになるか脳波の信号処理がキモになるか解らんけどやり方がわかっていればすぐに再現できそうだ。
どれも、どうやったらいいのかわかってしまえば、モビルスーツの研究施設が破壊されて実験データが全部パーになってもすぐに再現できるものばかりだ。

だから科学者が
「あー、わたしの実験データがぁぁぁ!!」
と頭をかかえてラストをむかえるなんて事はありえない。
仮にあるとしても、歩合給で雇われている実験補助要員のバイトくらいじゃないかな。

さっきのガンダムの例でいくと、高額な実験設備を壊されてむかついたとか、ガンダリウム合金の精錬に必要なレアメタルを持ち逃げされてすぐには作り直しがきかなくなったとか、サイコミュ研究の第一人者が戦死して開発が頓挫したとか、そんな事はありうるかもしれないけどね。