林光さんの『花神』のテーマ曲の颯爽として晴朗な音楽を聴くと、司馬さんの小説『花神』の始めの部分に登場する藤野先生、つまり、〈魯迅の「藤野先生」の作品に出てくる藤野巌九郎先生の甥で、藤野恒三郎という大阪大学の細菌学の名誉教授(腸炎ビブリオの発見者)は、非常な堅物だそうだ。〉の藤野恒三郎先生のことを思い出す。じつは、藤野先生は、官立大阪医科大学昭和6年(未年)卒業生(六羊会メンバー)のおひとりで、満州で若死にした私の祖父とは同じ教室で机を並べて勉学や研究に励んだ仲だったらしい。ちなみに祖父は、卒業のときに恩賜の銀時計を頂いたそうです。だから、藤野先生を思うとき、いつも若き日の祖父のこともいろいろ想像してしまうのです。
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