龍笛に似た韻(ひび)きが地球と感応し聴き手の心の汚れの一切が濯(すす)がれる一枚。「名手」とはジャンルとか技術とか国境とかを超越した次元にやすやすと到達できる人のことをいう。このアルバムの高木さんはまさしくこの上ない「名手」のひとりであることを聴き手に雄弁に証明してくれている。山上の彼女が手にしているのはただのフルートではない。神と自在に会話し雄渾の音色を奏でるフルートである。このアルバムを聴き終わった後、聴き手は誰でも清冽な瀧にひとしきり打たれた後のような、清々しい気分を感じるだろう。
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