メモです。。。
[渡辺文樹監督インタビュー]
http://www.geocities.jp/saburounishida/watanabe.html
~2006年5月31日森之宮ピロティホール「御巣鷹山」上映会にて~
渡辺文樹監督についての基礎知識
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B8%A1%E8%BE%BA%E6%96%87%E6%A8%B9
取材・構成:西田三郎氏
**ここから引用部分**
西田
「今回の映画、拉致されたキャメラマンが公安を名乗る男に一旦救出され、 真相を明かしたところその公安の正体は実は……というシーンがありしたが、 あのシーンはジョン・シュレシンジャーの『マラソンマン』(76)をホーフツとさせましたね」
渡辺監督
「そーかなあ?よくあるパターンだよね。ああいうの。この手のサスペンスものでは常套だよ」
トボける渡辺監督。
西田
「前作『腹々時計(01)』のストーリーラインはどことなく『ブラックサンデー(77)』を思わせるところがありましたが……」
渡辺監督
「え?フランケンハイマーの?……いやあ、それは言われたことなかったし、考えたこともないなあ」
またもトボける監督。
西田
「男女のテロリストが居て、それを追う政府の役人……と、結構構成が似てる気がするのですが。
結局テロが未遂で終わるというラストも」
渡辺監督
「まあねー……60年代70年代のアクション映画が好きだからねーおれ。一番観たからねえ。
そういうとこからの影響はやっぱ出ちゃうよね。好きだから」
西田
「『ザザンボ(92)』以降、監督の作品は非常にアクション的な傾向が強くなりましたよね。
今回の『御巣鷹山 』も当然そうですが、前作『腹々時計』なんかは完全なアクション大作でしたよね。
バイクでのスタントやチンチン電車とパトカーのカーチェイス。しかも女の子がピストルの横撃ちまでしたりして」
渡辺監督
「やっぱりねー、映像作家は観客の存在を意識しなきゃ。 どうしてもそういう娯楽的要素が必要になってきてるんじゃないかな。 いくら映像作家とはいえ、自分だけの自閉的な世界だけではね、観客はついて来れないよ」
西田
「『腹々時計』ではサウンドトラックが恰好良かったですね。ノイジーなギターサウンドで」
渡辺監督
「ああ、あれはね、おれが家庭教師してた教え子が作ったんだよ。いい曲だったでしょ?」
何故か本日の上映前にはSEとしてストーンズの曲が大音声で掛かっていた。
上映直前には「ジャンピング・ジャック・フラッシュ」。
まったくこれ以上相応しい選曲があるだろうか。
西田
「今回の映画で中曽根首相を演じた役者さんは非常に印象的な役者さんでしたが、あの方はプロの役者さんですか?」
渡辺監督
「うん、あの人は地元の文人系の人でね。芝居も上手くて、けっこうあの人には払ったよ。
実は別の人で撮影してたんだけどね。なんだかしっくり来ないから、全部あの人で撮り直したんだよ。」
なるほど、それで渡辺監督と中曽根は一度も同じフレームに収まらなかったのか。
まるでマイケル・マンの『ヒート(96)』であった。
異様にクローズアップが多かったし。
渡辺監督
「でもプロの役者さんばっかじゃつまんないでしょ?これからもあんまりプロの役者さんを使う気はないなあ」
西田
「今回、渡辺監督の娘さん役をされた女優さんは『腹々時計』のヒロインと同じ方ですか?」
渡辺監督
「違う違う。あの子はもう役者やってないから」
西田
「失礼しました。わたし、あのハラハラの人結構好みだったもので。
では、『腹々時計』でKCIAの諜報員を演じたあの男性はとてもカッコ良かったですが、
あの人はプロの役者さんですか?」
渡辺監督
「彼?彼は沖縄の人でね。普段は肉体労働者だよ」
さすがだ。スタントなしでバイクをスライディングさせていた彼。
最後の監督との一騎打ちは映画史に残る名シーンである。
ちなみに『腹々時計』にはもうひとつ名シーンがある。
バケツ一杯のニトログリセリン を満身創痍で運ぶ渡辺監督。
一滴、ニトロが地面に落ちる。 “プシッ”と地面に小さな煙が。
ああ、なんてカッコいいんだ。
ここで別の人が質問。
別の人
「なあ監督、今回の映画にはどれくらいかけはったん?」
渡辺監督
「2000万くらいかなあ」
別の人
「いったいその資金はどこから?」
渡辺監督
「ほとんど借金だよ」
ここで側で聞いていたカルチャー系女子が監督に茶封筒を手渡す。
カルチャー系女子
「監督、あたし映画撮ってるんですけど、これそのビデオです。 良かったら観て下さい」
渡辺監督
「ああはい、どうも。ガンバってね」
素晴らしい。シネマはいい子を造り出す。
ここで別の女子(けっこう美人)が監督に質問 。
美人女子
「監督は映画を中心に表現活動されているわけですか?」
渡辺監督
「うん。そうだよ。ずっと映画中心で。最近は家庭教師もやってないよ」
美人女子
「頑張ってください!!監督、握手してください☆」
渡辺監督
「うん、ありがとう」
ふにゅふにゅ。
いいなあ、監督。若い女の子にモテて。
気を取り直して質問再開。
西田
「次回作『ノモンハン』はどんな映画になるんですか?」
渡辺監督
「うん、天皇制とね、部(以下略)」
ラクブーとノンテー制が絡んだポリティカル色の強い作品(いつもだが)になるらしい。
どっちかというと『腹々時計』よりは『ザザンボ』に近い印象だった。
いや、聞いた限りなので何とも言えないが。 激しく楽しみである。
人もヒケてきた。わたしはとっておきの話題をぶつけてみた。
西田
「ところで監督、福島以外の事件……例えば、大阪の事件にご興味はありませんか?」
渡辺監督
「ああ、大阪は冤罪事件の巣窟だからなあ!!なんかいいネタあんの?」
監督の目は、ギパっと開いている。
西田
「実は……●●という土地で●●●●事件がありましてね。最近知ったんですけど、 そこには●●●●の●●●●があって、地元住民とのトラブルが絶えなかったらしいんですよ。 ●●●●事件のほうは今も未解決なんですが、●●●●との関連を僕は考えてるんです」
渡辺監督
「それに関して、なんか情報ある?もしわかっら実行委員会に連絡してよ(てきとう)」
西田
「はい、是非。……今日はいろいろと失礼なことをお聞きして済みませんでした。
これからも大阪一のファンとして応援しています」
渡辺監督
「はいどうも」
握手。
荒れたガサガサの手だった。
この手が映画を作り、(映画のなかで)爆弾を作り、(映画の中で)女子中学生にあんなことやこんなけしからんことをしたのだ。
**ここまで引用部分**
[渡辺文樹監督インタビュー]
http://www.geocities.jp/saburounishida/watanabe.html
~2006年5月31日森之宮ピロティホール「御巣鷹山」上映会にて~
渡辺文樹監督についての基礎知識
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B8%A1%E8%BE%BA%E6%96%87%E6%A8%B9
取材・構成:西田三郎氏
**ここから引用部分**
西田
「今回の映画、拉致されたキャメラマンが公安を名乗る男に一旦救出され、 真相を明かしたところその公安の正体は実は……というシーンがありしたが、 あのシーンはジョン・シュレシンジャーの『マラソンマン』(76)をホーフツとさせましたね」
渡辺監督
「そーかなあ?よくあるパターンだよね。ああいうの。この手のサスペンスものでは常套だよ」
トボける渡辺監督。
西田
「前作『腹々時計(01)』のストーリーラインはどことなく『ブラックサンデー(77)』を思わせるところがありましたが……」
渡辺監督
「え?フランケンハイマーの?……いやあ、それは言われたことなかったし、考えたこともないなあ」
またもトボける監督。
西田
「男女のテロリストが居て、それを追う政府の役人……と、結構構成が似てる気がするのですが。
結局テロが未遂で終わるというラストも」
渡辺監督
「まあねー……60年代70年代のアクション映画が好きだからねーおれ。一番観たからねえ。
そういうとこからの影響はやっぱ出ちゃうよね。好きだから」
西田
「『ザザンボ(92)』以降、監督の作品は非常にアクション的な傾向が強くなりましたよね。
今回の『御巣鷹山 』も当然そうですが、前作『腹々時計』なんかは完全なアクション大作でしたよね。
バイクでのスタントやチンチン電車とパトカーのカーチェイス。しかも女の子がピストルの横撃ちまでしたりして」
渡辺監督
「やっぱりねー、映像作家は観客の存在を意識しなきゃ。 どうしてもそういう娯楽的要素が必要になってきてるんじゃないかな。 いくら映像作家とはいえ、自分だけの自閉的な世界だけではね、観客はついて来れないよ」
西田
「『腹々時計』ではサウンドトラックが恰好良かったですね。ノイジーなギターサウンドで」
渡辺監督
「ああ、あれはね、おれが家庭教師してた教え子が作ったんだよ。いい曲だったでしょ?」
何故か本日の上映前にはSEとしてストーンズの曲が大音声で掛かっていた。
上映直前には「ジャンピング・ジャック・フラッシュ」。
まったくこれ以上相応しい選曲があるだろうか。
西田
「今回の映画で中曽根首相を演じた役者さんは非常に印象的な役者さんでしたが、あの方はプロの役者さんですか?」
渡辺監督
「うん、あの人は地元の文人系の人でね。芝居も上手くて、けっこうあの人には払ったよ。
実は別の人で撮影してたんだけどね。なんだかしっくり来ないから、全部あの人で撮り直したんだよ。」
なるほど、それで渡辺監督と中曽根は一度も同じフレームに収まらなかったのか。
まるでマイケル・マンの『ヒート(96)』であった。
異様にクローズアップが多かったし。
渡辺監督
「でもプロの役者さんばっかじゃつまんないでしょ?これからもあんまりプロの役者さんを使う気はないなあ」
西田
「今回、渡辺監督の娘さん役をされた女優さんは『腹々時計』のヒロインと同じ方ですか?」
渡辺監督
「違う違う。あの子はもう役者やってないから」
西田
「失礼しました。わたし、あのハラハラの人結構好みだったもので。
では、『腹々時計』でKCIAの諜報員を演じたあの男性はとてもカッコ良かったですが、
あの人はプロの役者さんですか?」
渡辺監督
「彼?彼は沖縄の人でね。普段は肉体労働者だよ」
さすがだ。スタントなしでバイクをスライディングさせていた彼。
最後の監督との一騎打ちは映画史に残る名シーンである。
ちなみに『腹々時計』にはもうひとつ名シーンがある。
バケツ一杯のニトログリセリン を満身創痍で運ぶ渡辺監督。
一滴、ニトロが地面に落ちる。 “プシッ”と地面に小さな煙が。
ああ、なんてカッコいいんだ。
ここで別の人が質問。
別の人
「なあ監督、今回の映画にはどれくらいかけはったん?」
渡辺監督
「2000万くらいかなあ」
別の人
「いったいその資金はどこから?」
渡辺監督
「ほとんど借金だよ」
ここで側で聞いていたカルチャー系女子が監督に茶封筒を手渡す。
カルチャー系女子
「監督、あたし映画撮ってるんですけど、これそのビデオです。 良かったら観て下さい」
渡辺監督
「ああはい、どうも。ガンバってね」
素晴らしい。シネマはいい子を造り出す。
ここで別の女子(けっこう美人)が監督に質問 。
美人女子
「監督は映画を中心に表現活動されているわけですか?」
渡辺監督
「うん。そうだよ。ずっと映画中心で。最近は家庭教師もやってないよ」
美人女子
「頑張ってください!!監督、握手してください☆」
渡辺監督
「うん、ありがとう」
ふにゅふにゅ。
いいなあ、監督。若い女の子にモテて。
気を取り直して質問再開。
西田
「次回作『ノモンハン』はどんな映画になるんですか?」
渡辺監督
「うん、天皇制とね、部(以下略)」
ラクブーとノンテー制が絡んだポリティカル色の強い作品(いつもだが)になるらしい。
どっちかというと『腹々時計』よりは『ザザンボ』に近い印象だった。
いや、聞いた限りなので何とも言えないが。 激しく楽しみである。
人もヒケてきた。わたしはとっておきの話題をぶつけてみた。
西田
「ところで監督、福島以外の事件……例えば、大阪の事件にご興味はありませんか?」
渡辺監督
「ああ、大阪は冤罪事件の巣窟だからなあ!!なんかいいネタあんの?」
監督の目は、ギパっと開いている。
西田
「実は……●●という土地で●●●●事件がありましてね。最近知ったんですけど、 そこには●●●●の●●●●があって、地元住民とのトラブルが絶えなかったらしいんですよ。 ●●●●事件のほうは今も未解決なんですが、●●●●との関連を僕は考えてるんです」
渡辺監督
「それに関して、なんか情報ある?もしわかっら実行委員会に連絡してよ(てきとう)」
西田
「はい、是非。……今日はいろいろと失礼なことをお聞きして済みませんでした。
これからも大阪一のファンとして応援しています」
渡辺監督
「はいどうも」
握手。
荒れたガサガサの手だった。
この手が映画を作り、(映画のなかで)爆弾を作り、(映画の中で)女子中学生にあんなことやこんなけしからんことをしたのだ。
**ここまで引用部分**