井上一幸の開物成務

週刊チャイニーズドラゴンに連載中のコラム、『井上一幸の開物成務」』バックナンバーです。

第42回 違和感の源

2010年11月16日 | 開物成務
では今回からは、コミュニケーションギャップと題した事例紹介の中の三番目のテーマ、文法的な誤りや敬語の不使用のために強い違和感や不快感を与えてしまうもの、について書いてみたい。これには様々な種類があってまとめにくいのだが、まずは純粋に文法的なものから。

その1 助詞の間違いや脱落
一番目立つのは「が」。あまり文法解説的なことを書きたくはないが、本来は「を」、つまり目的格をうける「を」となるところに「が」を使うこと。これを耳にした時の違和感は最も強い。たとえば「私、人脈《が》持っています」とか、「報告書《が》書きました」「毎日、残業《が》しています」「添付ファイル《が》参考にしてください」など、並べたらきりがない。もう一つ多いのは、「社員は20人《が》います。」「今の会社で3年間《が》働きました。」など数量表現に助詞の「が」をつけること。数字を副詞的に用いる場合は、助詞は不要である。

おそらく「が」という音があまり良い印象を与えないのではないか。助詞の間違いはとにかく多いが、「が」ではないところに「が」が入ると、強い違和感がある。

こういったことを日本語学校で習っていないはずはない。しかし私たちが外国語を学んだ経験を考えればすぐにわかることだが、習ったことを全て覚えているわけはないし、どこかで記憶がねじれて間違って覚えてしまうことは多々ある。彼らにとっても当然同じで、間違ったまま、あるいは知らないまま、その表現を使い続けてしまうわけだ。そして、学校で日本語を勉強しているうちならまだしも、会社で働くようになってしまったら誰も丁寧に日本語を教えてくれはしない。

だから、多少厚かましいと思いつつも、隣の日本人が「その言い方は違うよ」と言ってあげるべきだ。「自分だって外国語下手なのにそんなこと言えない・・・」ではなく、「自分が外国語を話す場合を考えたら、間違いを即座に直して欲しいと思うはずだ。だから今は彼、彼女の日本語を直してあげよう」、そう考えて欲しい。この手の基本的な間違いは、指摘すればたいていはすぐに気がつく。
ジャンル:
就職活動
キーワード
日本語学校 添付ファイル
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