ホトケの顔も三度まで

ノンフィクション作家、探検家角幡唯介のブログ

現代ビジネスの記事と、翼賛体制構築に反抗する声明

2015年02月10日 11時37分33秒 | 雑記
ウェブ現代ビジネスで、先日のイスラム国問題にみられる自己責任論と安倍政権の過失について論じました。

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/42018

これまで政治的な問題に関しては、自分の専門でもないし領分でもないと思っていたので、家で文句をいうぐらいで、あまり表立っては発言してきませんでしたが、最近の安倍政権の横暴にはさすがに我慢ならなくなり、たまたま執筆依頼があったので個人的な不満を公表しました。

安倍政権にも腹が立ちますが、非常に危惧されるのは、メディアの政権批判の力が近年急速に弱まっていることです。

現代ビジネスの原稿で詳しく触れていますが、「イスラム国」の問題に関連すると、安倍首相がイスラエルで二億ドルの支援金を拠出するとした発表のタイミングは結果的にはかなり問題があったと思われます。にもかかわらず、このことに関して、少なくとも私が購読している朝日新聞はほとんど追及の矛先を向けていませんし、ほかのメディアも似たり寄ったりな状況だと思います。また「イスラム国」問題がらみでいうと、参院予算委員会で安倍首相や岸田外相が、特定秘密保護法をたてに情報集活動で公表できないこともあると思われるとの旨の答弁しました。早速、昨年問題になった特定秘密保護法をたてに、事実の隠蔽と責任逃れをはかろうとしているわけですが、どういうことかメディアはこの発言も大きく問題にしませんでした。

直近では外務省がシリアへ渡航を計画したフリージャーナリストにたいし、警察を同行して逮捕をちらつかせて、ほとんど恫喝まがいの手法で旅券の返納を命じました。これも大変な人権侵害であり、本来ならメディアがキャンペーンを組んで追求すべき大問題であるにもかかわらず、ストレートニュースでさらっと流してしまいました。また憲法改正問題についても、安倍首相は緊急時に個人の権利や自由を束縛する条項を設けることを公然と口にしていますが、こんな治安維持法まがいのあぶない提案をメディアはまったく問題視しないのです。

あきらかに安倍政権は「イスラム国」の問題に便乗し、戦前回帰的な強権的かつ独裁的な政治体制を構築しようと策動しているようですが、メディアは全体の空気をおもんぱかり、勝手に批判の矛先を鈍らせて報道を自粛しています。まったく一体、七十年前の戦争の反省は何だったのか思わざるを得ません。新聞をはじめとしたメディアは大本営発表ばかり報道して翼賛体制の一翼をになった結果、戦争を推進する機関に堕し、そのことの反省から戦後ジャーナリズムは始まったはずです。そして新聞はことあるごとに当時の反省を持ち出し、二度と同じ過ちを繰り返さないと宣言してきたにもかかわらず、彼らは今、同じ過ちを繰り返そうとしているのです。昨今の報道姿勢をみていると、結局、新聞が言ってきたのは口先だけだったのだなと判断せざるを得ないものがあり、はっきりいって脱力感すらあります。

そんな思いでいたところに、今日の新聞でジャーナリストや表現者が署名し、翼賛体制構築に反抗するという「声明」を発表したとの記事を読みました。声明を読み、私もさっそく署名しました。もし賛同される方がいたら、署名をお願いいたします。以下のサイトになります。

http://ref-info.com/hanyokusan/

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