バイユー ゲイト 不定期日刊『南風』

ブルース、ソウルにニューオーリンズ!ソウルフルな音楽溢れる東京武蔵野の音楽呑み屋バイユーゲイトにまつわる日々のつれづれを

越本隆志選手

2006-02-06 | ボクシング
越本選手の世界戦をようやくヴィデオで観戦。結局何のアナウンスもないまま唐突に2/4の深夜、日テレ「ダイナミックグローブ」枠で放送されていた。当日、もしやと思って日テレに問い合わせても「放送するかどうかはわかりません」の一点ばり。念のため録画しておいたら、番組の最後に、いきなり放送されていた。しかも間の数ラウンドをカットしたダイジェスト版で枠の中にギュっと押し込められていた。ボクシングに関しては日テレが映る地域はしあわせだなぁと思っていたが、この処置は最悪。試合当日のニュースも、権利を持ちながら放送しなかった後ろめたさからか、扱いが小さかった。逆にフジテレビはスポーツニュースの冒頭で「今日は日本ボクシング界の歴史的一日となりました」と扱い、驚かされた。NHKも丁寧に報じてた。繰り返してしまう。「あー日本テレビ駄目だなぁ」。
試合は越本選手がポイントを奪った前半や池選手が反撃した中盤にカットラウンドがあり正直よく差がよくわからなかった。消耗戦となっていたが、越本選手の気持ちが切れない事は素晴らしいと思った。終始丁寧にボクシングしていたし、6年後に巡って来た最後のチャンスに浮き足立つことなく最善を尽くそうという意志が強く感じられた。またこの土壇場でそれを遂行できることに賞賛の気持ちを感じた。逆にチャンピオン池選手は最後まで旺盛なパワーで打ち合い、もの凄い精神力をみせたが、それは消耗戦の中で荒々しさにウエイトが置かれていた。的確な技術もある選手なのに丁寧にボクシングを組み立てるという気持ちの上では若干切れぎみにも感じられた。12Rが終っての感想はダイジェストのためポイントは不明ながら、相当僅差だったように感じた。手数や攻勢を取れば池選手の防衛もありなのかな?という微妙な判定ではあったのだが、判定が読み上げられ、越本選手が王座を奪取した時には、わかって観ていたのに非常に感激した。それは選手&陣営の喜びを見て、というのもあるが、勝利の瞬間に感情を爆発させる地元福岡の観客の熱によるものも大きい。九州にとどまりローカル選手として戦う越本をサポートし、試合放送を続けたFBS福岡放送。そして6年間15戦に声援を送り続けた地元ファンの生み出す異様な熱気が終始試合中の画面から伝わって来て圧倒された。その熱気が爆発する瞬間。ずっとインタヴューを続けてきた地元アナウンサーの感極まったヒーローインタヴュー、大騒ぎの客席。会場からの報告によると越本親子も号泣していたが、客席も涙、また涙であったそうな。(「がんばれ元気」状態か!?)湿っぽいのはあまり好きじゃないけど、正直胸が熱くなりました。
池仁珍選手には不運な判定ではあったのであろうが、努力と情熱が報われる瞬間を目の当たりにして素直に喜んだ日本のボクシングファンでありました。さぁ次は徳山選手だ!!2006013000000012spnspothum000