言の葉収集

思ったこと、感じたこと、出逢ったこと
いろいろ気ままに書きたいと思っています。

命日

2008-03-31 23:10:12 | 出来事
本日年度末の3月31日。
そして今日は近しい人の命日でもある。

病室に横たわるその人に、

「桜が咲いてきましたよ」

と声をかけると、

「そうかな、咲いてきたかな」

と力なく微笑んだ。

あの時あの人は、今年の桜が最後の桜だと気づいていたのだろうか?
とりたてて興味のある話題でもなかったのだろうか?
それとも、それどころではない状態だったのだろうか?

とにかく、力なくその人は微笑んだ。
優しい顔だった。

そして数日後、桜と一緒にその人は逝ってしまった…。

「花びらに別れを告げる涙雨」

休眠打破

2008-03-30 15:39:52 | 言の葉
昨日とは打って変ってどんよりと曇り空。

時折雨を散らすものの、本降りとはいかず開花間近の桜に気を遣っているような空模様だ。
ところで桜前線、今年は異変が起きているらしい。

関東地方では花見のピークを迎えたが、南九州の開花が遅れたり、東日本と西日本の逆転現象が起きているという。

以下このニュースより抜粋

開花が東と西で逆転した理由は、1年を通して温暖だからといって必ずしも早咲きになるとは限らない桜の特性にある。開花に不可欠なのは、冬の寒さとその後の気温上昇。桜の成長は秋になると止まり、冬季の一定期間、5度前後の気温にさらされると眠りから目覚める「休眠打破」という現象が起こる。春に向かう季節に気温が上昇するほど、開花が促される仕組みだ。

抜粋終わり

なるほど「休眠打破」ね。いい言葉である。
やっぱり寒く厳しい冬があってこそ開花のメカニズムが作動するのである。厳しい寒さはいわばバネを縮める状態か。

そうして桜は誇らしげに花開く。

「満開に必要なのは試練かな」

動かないカメラマン

2008-03-29 16:54:53 | 出来事
いい天気が続く。

週末にかけて崩れそうだとの予報を裏切り、陽射しは益々春めいている。
先日客様のところから出た際に、入り組んだ湾の向こう側の山が彩りを見せていた。
緑と茶色だけだった風景に、ピンク色が溶け込んでとても華やいで見える。海面に映る色に魚が群がりそうだ。

こんな時期になるとやはりカメラが…。
まだ冬眠から覚めていないニコンの傑作は、この春も主人にどこにも連れて行ってもらえないのだろうか。
申し訳ない。どうせならもっと写真の好きな人に、いや活動的な人に買ってもらえれば浮かばれたろうに。

電池も切れているだろうし、そろそろ本当にケースから出してやらないとカビが…。
また乾燥剤だけがカメラの友達だ。

「シャッターを切るより電池が早く切れ」

アマゾン住人

2008-03-28 16:06:09 | 出来事
本日Amazonから、先日注文したパソコン周辺機器が届く。

近くの家電屋さんに問い合わせたところ、「取り寄せとなる」の返事だったので、Amazonで調べてみた。するとなんと定価より7,300円も安いではないか。
しかも注文から到着までまる2日。この辺鄙な過疎地にはとってもとってもありがたいショップである。
これでは店は敵わない。本から家電に至るまで、消費者のニーズをしっかりと受け止めそして安価(本はさすがに定価だが)で供給する。うーん理想的だ。

消費者の立場として考えればとてもありがたいシステムである。しかし、供給者の立場で考えるとかなりの脅威と言っていい。このままでは全て吸い取られそうだ。
以前コンサル会社の方が、地域の商工業者に言っていたことを思い出した。

「インターネットで売れないものを売りましょう。そうですね、例えば笑顔、心からのありがとう、素敵な立ち振る舞い」

うん、分かります。分かりますけど…。
いやいや、出来ない理由を探すのはこどもだって出来る。
出来る理由を探すのがその道のプロと言うものだ。売りましょう「笑顔」。
だってプロですもん。

ところでAmazonから届いたOA機器だが、初期不良とやらで本日メーカーへ直送と相成った。
だから当然使えない。トホホ。
便利と言えどもやっぱり物理的には限界がある。

「待てません。これがAmazon依存症?」

「おまえ最高にかっこ良かったぞ」

2008-03-27 20:25:50 | ニュース
桑田の引退を知った清原は、「心にポッカリと穴が空いた状態」と話した。
PL高校時代にKKコンビと呼ばれ、甲子園で大活躍した二人の同級生は、その後プロ野球でさえも引っ張っていく逸材だった。
女神の他愛無い悪戯か、ドラフトがその盟友を引き裂いた。そんな青臭い仲ではなかったろうが、純粋な少年の心を傷つけるには充分なエピソードであった。
思い出すのは、日本シリーズで巨人と対戦した西武の清原が、優勝目前のゲーム中に人目も憚らず涙を見せて守備についていた光景。
その後、チームメイトとなった二人は互いに良きライバル、良き同志として資質を高めあう。そして互いを認め合っていた。

「心の整理がつかない。桑田の存在が僕を磨き上げてくれた。いろんな人と対戦したけれど、心の中のエースは桑田。野球に対する姿勢が素晴らしかったからこそ長くプレーできたと思う。ああいう投手は出てこないだろう」

そう語った清原の言葉に、巨人の江川投手が引退した際、ライバル遠藤(大洋ホエールズ)が言った言葉を思い出した。

「恋人を無くした様な、そんな感じ」

最大のライバルが去るのは、一流の選手にしか分からない寂しさなのか。
そう言えば大相撲の大乃国が引退した時も、ライバル北勝海が同じような言葉を呟いた。

また、ひとつの時代が終わろうとしている。
傷だらけのアスリートは、ライバルでもある友に最大の賛辞を贈った。

「桑田、おまえ最高にかっこ良かったぞ」

「ライバルへ。お前いたから今がある」

超合理主義

2008-03-26 23:00:07 | ニュース
今日の日経新聞33面「消費超流」では、若者の消費動向について書かれていた。

今の若者は自分で調べたり、試したりするものを嫌う。と分析している。

「この旅は何に感動できますか」

大真面目に海外旅行ガイドに尋ねる若者。
旅、クルマ、酒、かつて若者が牽引した消費市場は、二十代が距離を置きつつあると言い、
海外旅行者数は、1996年の463万人から、2006年では298万人の35.7%減。
乗用車保有者数は、1995年の81%から2005年には74%にダウン。
家計調査では2006年の34歳以下の単身男性の酒への支出額は4年前より26%も減少したらしい。

ただ、二十歳代の消費者は単にケチではなく、「不況下で育ち、超合理主義的な感覚を身につけただけ」と分析している。
「外す」こと、すなわち失敗やがっかりすることを極端に嫌うのが特徴と書かれている。

なるほど。分かるような気がする。
彼らは欲しいものは手に入れる。決して消費を控えて預貯金や投資に廻している訳ではない。
私たちより高価な車や時計を持っている20代も決して珍しくない。しかし収入が我々世代より多いわけではない。
長期のローンと引き換えに自分の欲求を満たしている猛者もいる。
自分を満足させるリスクの少ない取引には、むしろ積極的なのではないだろうか。

売り手もいろいろと考えていかないと化石になってしまう。

「リスクより、若年寄はクスリ買い」

パソコン学習

2008-03-25 21:51:39 | 出来事
世間は春休み。開放的な学生を横目にいそいそと今日も奔走。

午後はお客様の所で雑談に参加させてもらう。霊の話から宇宙の話まで幅広く話は弾み、いろいろとタメになった。
その後書店にてパソコンの雑誌を購入。
本当に日進月歩とはこの事で、パソコンの周辺知識は目まぐるしく変わっていく。「ついていけてないぞ」の危機感から、記録メディアの特集を買って学習学習。

「ああしたい」「こうしたい」はいっぱいあるのだが、どうも一定のところまでいくとパソコンに鼻で笑われているかのごとく立ち往生してしまう。
いや思えば難しい機械ですよこれ。一体その機能の50%も使いこなせているのだろうか。いやいやいいとこ30%くらいだろう。えっ、もっと下?
最初に仕事で使ったノートパソコンなんてハードディスクの容量が2ギガだったのに…。
今持っているUSBのフラッシュメモリでさえ4ギガ。実(げ)に恐ろしきはパソコンの進化である。

「処理不能。メモリが足りぬ、わが頭」

ゆっくり歩け、空を見ろ

2008-03-24 23:33:35 | 読書
ゆっくり歩け、空を見ろ

昨日の春場所千秋楽、橋下大阪府知事とともに東国原宮崎県知事も土俵に上がり、宮崎県産の肉やら野菜やらを、優勝した朝青龍に手渡していた。
ここまでくると天晴である。彼のおかげで宮崎県の知名度はかなり上がった。生産者にとっては、とてもありがたい県のトップである。
この人、宮崎県にいることの方が少ないのではと思うくらいメディアへの露出度はすごいものがある。
県会議員の苦虫を横目に自らは宣伝マンに徹している。その姿勢が一般ピープルの好感をかっさらっているのである。

その東国原知事の著書、「ゆっくり歩け、空を見ろ」を読んだ。
以前このブログで紹介していただいたことがあったので、本屋さんで見つけた時、自然に手に取りレジへと向かっていた。
結構目立つところにあったので、「なぜ今この文庫本?」と思っていたら、どうやら4月にテレビドラマ化され放映されるらしい。
しばらくは他の読んでいない本と一緒に積み上げられていたのだが、タイムリミット(4月1日放送らしい)を前に急いで読まれることとなった。

とても面白かった。面白かったというのは笑ったという意味ではなく、とても中身が濃く堪能したということだ。
「ゆっくり歩け、空を見ろ」とは、著者東国原英夫氏の母の口癖である。
妾の道を選んだ母と、その母を愛する英夫少年。複雑な家庭環境の中での日常は想像し難いが、彼は明るく前向きに生きている。「ホントに?」と疑いたくなるような描写や表現もいくつかあるが、大変読み応えのある本だった。
そして実の父、北村への複雑な感情の表現は見事である。

印象的だったのは二人の父のエピソード。
北村が持っていた写真の話や、母の再婚相手東国原と自転車で二人乗りをしている時の会話。
じーんと胸が熱くなった。
ドラマも観てみたい。

「母思う、心はあの日、そのまんま」

横綱の重み

2008-03-23 20:07:09 | 出来事
予想通り優勝は朝青龍。

先日予想をしてからまさかの2連敗をしたので、内心ドキドキしていたが的中してホッとした。
魁皇戦で気合いを入れ、きっちり相撲を立て直して千秋楽へと臨めた。
足から尻への張りを気にしていたが、東京から先生を呼び手当てしてもらったことが功を奏したようだ。

結びの大一番では立ち合い差し勝ち、一気に出る白鵬に、左ですくうと思っていたら反対の右からの小手投げ。
たまらず土俵の外へ転がる白鵬。そして朝青龍は「どうだ」と言わんばかりにガッツポーズ。
土俵を下りてからの礼の前に観客に手を振ることも含め、やはりこの横綱の所作には不満も出ると思うが、先場所の雪辱を果たした朝青龍が涙を浮かべて国歌を斉唱する姿には、横綱としての責任の重さが伝わってきた。

そして気になるのは白鵬である。
4連覇はなかなか出来るものではない。場所中集中力が何度か途切れたのは相撲にも表れていたように思うが、
今日取組を終えて花道を下がる際に足を引きずっていた。
今日の一番で痛めたのか、それとも痛めていたのか、とにかくしっかりと治して来場所に挑んでほしい。

やはり横綱同士の楽日相星決戦は否が応でも盛り上がる。
昨年までは空席が目立っていた観客席も、桜前線より一足早く満開となった。

そして北の富士さんも言っていたが、もう恒例化した大関陣の敗退。
今場所も優勝に絡むことなく勝ち越すのがやっと。休場の琴欧洲を除く3大関は揃って8勝7敗。
来場所こそ千秋楽まで期待を持たせてほしいものである。
そうすればまだまだ相撲は面白くなる。

「異国にて、雌雄を決す、青と白」

春もよう

2008-03-22 16:30:36 | 出来事
事務所の前に薄紫の可憐な花がちょこんと咲いている。

「おいおい、あれってレンゲ草?」と妻に聞く。

「す・み・れ」

とあきれ顔の妻。
まあ、毎度のことだが。

よし、春の訪れだとばかりにケータイのカメラでカシャッ。
しかし結果は石の方が目立ってしまい、可憐さを伝えられずあえなくボツ。

お客様のところへ伺った際には、近くの川というか池のような溜まりでは、でっかいオタマジャクシが居座っていた。
きっと牛ガエルのお子様に違いない。ここでも春の訪れを体感する。

また、車で走行中に湖のほとりに目をやると、早くも桜が色づいていた。
町のそこここへ「春」が印をつけはじめた。

日中、もうヒーターはつけなくなった。風邪の方もほとんど完治したし、快調だ。

いい季節になってきた。

「桜知る、出会いと別れ、春の道」